2016年度ネパール・ジャパンスカウトプロジェクトに参加しました、佐藤エレナクリスティと申します。ボーイスカウトの活動は小学生から続けていましたが、海外のスカウトとのプロジェクトはこれが初めての経験でした。
私ははじめネパール都市部における衛生問題に興味を持ち、夏に実施した調査渡航ではカトマンズにある小・中学校を複数見学しました。それぞれの衛生状況について調査した結果、都市部の小・中学校では衛生教育が積極的に行われており、渡航前に予想していた問題は深刻でないことがわかりました。
一方で2015年に発生した地震による被害がいまだに市内各地に見られ、復興が十分に進行していないことを知りました。そこで私たちは「地震大国」日本の出身であるからこそ、防災という点においてネパールの人々の助けとなれることはないか考えることにしました。
私たち日本人は幼少期から防災教育を受け、防災に対する意識も国際的に見て高いと言えるでしょう。ネパールと日本の環境の違いを照らし合わせた上で、ネパールの人々にとって有益なプロジェクトを考案しなければなりません。
議論の結果、私たちは非常用持ち出し袋についてカトマンズの小・中学生にレクチャーをし、実際にその中身を考えてもらうというワークショップを行うことにしました。班ごとにイラストを使って非常時に必要なものを発表してもらい、各家庭における防災の重要性について説明しました。レクチャー後の理解度チェックの結果は想定よりも良く、プロジェクトは成功したと言えるでしょう。
以上の経験を通して、プロジェクトを運営する難しさ、挑戦する楽しさ、そして世界の広大さをこのプロジェクトでは学ぶことができました。ネパールというこれまで縁のなかった国の抱える問題と向き合っていく中で、国際社会の一員として成長できたと感じています。