2020年度のMongolia-Nepal-Japan Online Projectのリーダーを務めている太田亘治です。今回はオンラインでの実施となった本プロジェクトについて主にその目的を説明させていただきます。
前回の投稿でも説明したように今年度予定していたPaxの活動はネパール、モンゴル両プロジェクトとも新型コロナウイルス流行の影響で現地へ渡航してのプロジェクト実施が困難になりました。渡航を断念した時点で今年度のプロジェクト実施自体を中止することも考えました。しかし、もし今回プロジェクトを中止した場合、⑴今まで構築してきた現地のカウンターパートとの関係性が希薄になってしまうこと、⑵仮に関係性を維持できたとしても来年度以降に実際に渡航をできる情勢であると保証できないことという2つの懸念点がありました。そこで、カウンターパートとの関係性を維持しつつオンラインで出来る社会問題解決型プロジェクトのモデル化が必要であると判断をしてオンラインプロジェクト実施の判断をしました。
その上で私たちが取り組む課題はSDGsの理解を深めることです。SDGsとは2015年国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことであり、持続可能な世界を実現するために、17のゴールとそれぞれに設定された全169の具体的なターゲットから構成されています。SDGsの達成は全世界を巻き込んだマクロ的な活動であることから、特定の国や企業に任せるのではなく個人それぞれが関心を持ち理解することが必要とされています。しかし、2020年2月に朝日新聞社が日本人に対して実施した調査によると、「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」という質問に「ある」と回答したのは、男性は38.0%、女性は27.5%。SDGsの内容について、「どの程度ご存じですか」と尋ねた項目では、「詳しく知っている」が18.0%、「少し知っている」が52.4%。知っていても、半数以上の人が完全に理解しているとまではいっていない状況が明らかになりました。「ほとんど知らない」「全く知らない」は約3割にも上っていました。
以上の状況の中、SDGsの目標達成には「SDGsに対する個人の認知・理解不足」が大きな課題であると考え、その課題改善のプロジェクトを実施するに至りました。また、私たちが持つボーイスカウトのプラットフォームを利用し各国に点在するスカウトへアプローチをすることでその効果を高めることができると考えています。
今年度は2つのプロジェクトを考えています。プロジェクトの詳細については次回以降の投稿で説明します。