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NPJ2014 14日目 <評価会議>

ネパールに来てから14日目を迎えました。
この日は、ネパールのスカウト、KORCと日本のスカウトPax Ⅳ
Hyper両者によるエバリュエーションミーティングを行いました。
前日に、KORCメンバーの家にホームステイしていた、クルーたちは、各々な経験をさせていただき、新たなネパールの一面を知ったようです。思い思い体験を経て、14日の朝、ホテルに集合しました。

14:30、いよいよミーティングが始まりました。
これまでの14日間、そして準備期間の反省を
より今後に反映させるために。各プログラムの担当者は改めてプロジェクトを振り返ります。

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日本のクルーたちは、各々のプログラムの前提にある
目的・目標に対する達成度を自己評価し、それに対する反省や、
KORCに対して今後どのようなサポートを求めるのかについてプレゼンテーションを行いました。

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全プログラムのエバリュエーションを通して、一番共通していた点は
事前のKORCと日本側のコミュニケーション不足や、
ミスコミュニケーションでした。

互いの拠点先が海を超え、事前に顔を合わせることは不可能である以上、
より慎重にそして細かくコミュニケーションを取るよう心がけきであったと、
クルー全体が強く反省している模様です。
FacebookなどのSNSを通して連絡をとることはもちろん、
来年はより今年の参加者がKORCのメンバーとの架け橋になれるように、
計らっていくこととの重要性を感じています。

また、是非今後も継続していきたい良かった点としては、
プログラム当日、KORCと連携をとりながらプログラムを行えたことを、
皆口をそろえて挙げていました。

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プログラムでのプレゼンテーション中、
KORCには英語からネパール語への通訳や、子ども達の理解度に合わせて、より詳細に伝えることをお願いしていました。
学校側のスケジュールの関係から、幾度と無く、当日の動きを変更しなくてはならなかったにもかかわらず、
随時、柔軟に対応しより良いプロジェクトにしようと常に協力体制でいてくれた彼等に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

あらためて、このエバリュエーションミーティングを通して、
言語や国境を超えてプログラムを行うことの難しさ、そして喜び・感謝を実感することとなりました。

ミーティングの最後は、記念品の贈呈と、集合写真撮影を行い、解散しました。

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Nepal-Japan projectは、両者の関係あってのもの。
これからも、その関係の糸が、ネパールの自然を守っていくために発揮されますように。
強く祈りながら、そしてできることから始めようと再度気持ちを奮い立たせ、明日のプログラム最終日に臨みたいと思います。

NPJ2014 13日目

13日目の今日は、日本語学校へ訪問し、
ネパールで日本語を勉強する学生と交流しました。
その後クルー達は、KORCメンバーの家へホームスティを
させていただくことになりました。

■日本語学校訪問
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北村卓也

Pax Earthと縁のある日本語学校を訪問しました。まだ開校したばかりで生徒数は少ないですが、日本に4年間住んでいた日本語の達者な先生が熱心に教えていました。そのうちの2人は大学を卒業し、今度の春から日本に留学すること予定だそうです。工学専攻らしく、僕の持っていた大学の数学と物理の教科書を見せたところ、かぶりつくように見ていて、理工学部の自分としてはとても親近感がわきました。日本語で手紙を書いてあげたり、歌を歌ったりと、やってあげたことは限られていましたが、少しでも生徒たちの日本語学習の意欲向上に寄与できたらうれしいです。留学する二人と日本で再会できることを願っています。

■ホームスティプログラム

阿部桃子
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私は今回Nepal-Japan Project2014のアドバイザーである
Mavilaの家にホームスティをさせていただきました。

カトマンズの中心地から、バスで50分。私たちが訪れたB校である
Ujjwal Shishu Niketan Academyへ行く途中に彼女の家はありました。
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振り返ると10日以上も様々なプログラムを通して協働をしているKORCのメンバー達が、
毎日どのような生活をおくっているのかについて十分に理解する時間が十分になかったように思います。
そうした意味では、このホームスティで一生の友達といってもよい位、
大切にしたいスカウトの友達を見つけることができました。
ここで、Mavilaについて話をしたいと思います。Mavilaは、ネパールで最難関といわれている
Tribhuvan Universityに通う博士課程の学生です。動物遺伝子学を専攻しており、
2年後に日本か韓国に留学に行きたいと語ってくれました。
バスに50分ほど揺られる中で彼女の毎日の生活について話を聞きました。
大学院に通いながら教師として中学生に対して勉強を教えていること、3人の姉妹がいること、
バスから見えた仏像をみて指をさしては、ヒンドゥー教徒が信じている
神様について1人1人隈なく説明してくれました。
KORCメンバーは毎日当たり前のように私たちの滞在するホテルまで
お迎えにきてくれていますが、そのためには様々な地方から
30分かけて徒歩で歩いてきてくれたり、
Maivilaのようにバスで50分かけてきてくれていることに今更ながら感動しました。
彼女の家につくとお母さんあと2人の妹、
そして日本で働いてい叔父を様をもつMavilaの叔母さんと甥っ子さんが歓迎してくれました。
その日の晩御飯は、ネパールの伝統料理であるダルバードでした。
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ここで1番驚いたのは、家が煉瓦と土でできていたことです。
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台所にガスはあるのですが、家族が団欒を楽しむダイニングテーブルはありませんでした。
1名だけが掛けられる机と椅子に私は招かられ、その他の皆さんは立ちながらご飯を食べていたのです。
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日本では当たり前だと思っていたことも、そうではないことを知ることが出来ました。
また、夕食を食べ終わると、食器を洗うのですが台所は家の中になく、お庭でお皿を一緒に洗いました。
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4畳ほどの部屋に戻り、Mavilaと時間が許す限り語り合いました。
9.11の話やアフガン戦争の話からはじまり、今のクリミア問題について
どう考えるのか、お互いの素直な意見をぶつけあいました。
世界中には解決困難な問題があり、それと同じ数だけ人々の視点や価値観も異なります。
しかし、国も言葉も文化も違う中でこれほど価値観が合うスカウトと
出会ったのはスカウト人生初めてでかなりの衝撃を受けました。
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価値観の共感の理由は一概に一つに絞ることはできませんが、
そのひとつとしてネパールと日本の文化の類似性に共通項を感じました。
ネパールも日本も隣国にそれぞれインド、中国という国との関係性があり
その隣国とどのように外交を行っていくべきであるのかが共通の課題です。
日本は島国として独自の文化を保ってきたところに人々の寛容さが根付いていますが
ネパールはそうではありません。ネパールが王国であった時代に、市民戦争が起こり
その際にアメリカが介入しようとしましたが、それを断ったことによって国が建国し
多民族も受け入れる寛容さを身につけて国民が成長したのだとMavilaは語ってくれました。
このように、ネパールという国がどのようにして生まれたのか、
王様は何をネパール国民に施したのか、そこにはどのような神話があるのかといった
国家についての話からアジア・世界の話まで、意見を素直に伝え合いました。
意見の相違があったとしてもそれを受け入れあう寛容さが彼女にはあり、
彼女の魅力に更に取り憑かれ入った1日でした。
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夜中まで話はつきず、床入りしましたがMavilaは朝5:00に起きて
屋外で手洗いで家族の洗濯物を粛々と行っていました。

ホテルに向かう帰りのバスの中でも話は尽きず、
話せるだけ彼女と話すことに集中し、向き合いました。
このホームスティを通して私が得た新たな価値観は
”Eliminate the dominance of powerful nations over minority countries”ということです。
この状況を知るためには、そこに暮らす人々の価値観に触れないと
知ることができないのだと見に染みて感じました。

各クルーはそれぞれの家で最高の経験を得たようです。
この絆を強みに明日行われる評価会議での活発な会議に期待したいです。

NPJ2014 10日目 <ハイアドベンチャーinチトワン1日目>

私たちは今、ネパールの南部に位置するチトワンに来ています。
チトワンは、ジャングルを保護する目的で設置された自然公園であり、
1984年より世界遺産登録されている、チトワン国立公園で有名な観光地です。
国立公園が存在するだけあり、見渡す限り、バナナの木や田栄風景、ジャングルなど自然が豊富な場所です。
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日本のクルー全員12名と、ネパールスカウトKORCのメンバーから、
3名でカトマンズからバスに7時間揺られながら、チトワンにやってきました。

バスに一時間乗っていると、カトマンズのにぎやかな町並みとは全く異なる、山々が広がっています。

「チトワンに到着すると、ジワッとした空気に包まれた。」
標高50-200mのチトワンの亜熱帯気候を「沖縄に来たみたい。」と表現するクルーもいました。
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7:00にチトワンを出発して、到着したのは17:00。
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この日は、ホテル周囲を少し散策してから、地元の方々のダンスのショーを見てから、一日を終えました。

明日は、象に乗ったり、国立公園をトレッキングしたり、カヤッキングをしたりを予定しています。
少しホテルの周りを歩いただけでも、像、バッファロー、鹿などたくさんの動物を目にしているので、明日どんな自然に触れ、どんな動物たちに会えるのか、とても楽しみです。

NPJ2014 9日目<KORCプログラムと中間報告>

プロジェクトの折り返し地点となりました。
今日は、私たちのカウターパートであるKORC主導の企画
“SCOUTS GO GREEN”が行われました。
本プロジェクトの中間報告も一緒に御覧ください。

私たちは、15日間の滞在を通して
ごみ問題に関する5つのプログラムを行っています。
1.レクチャープログラム(9月4日実施)
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  ごみはなぜ有害なのか、ごみの削減に対し私たちには何ができるのか
  基本的な知識をJyoti Academy、Ujjwal Shishu Niketan Academy の
  生徒たちとディスカッションを行いました。

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このフローチャートが示すように、
ディスカッションを通して、ごみ問題の解決には
効率のよい分別を行うことの重要性を生徒たちに訴えかけました。

2.分別学習プログラム(9月7日実施)

  この分別の重要性を身近なところから生徒たちに
  理解してもらうために、校内・郊外にてごみ拾いを行いました。
  そして、燃えるごみと燃えないごみの分別を行い、 
  今後の生活に分別の意識を常にもってもらうために
  各教室をまわり、燃えるごみと燃えないごみのごみ箱を設置しました。

3.燃えるごみプログラム(9月7日実施)
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  分別学習を通して、燃えるごみと燃えないごみの分別の重要性を伝えた後に、
  この燃えるごみと燃えないごみの行方について説明しました。
  日本から購入し、各学校に寄贈した焼却炉を使用して、
  燃えるごみを正しく焼却すると、灰ができることを生徒たちと一緒に学びました。
  
4.生ごみプログラム(9月4日実施)
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私たちが生きて行きために必要な食糧の残り物はどうなってしまうのでしょうか。
  レクチャープログラムと燃えるごみプロフラムを通して
  食べ残しは、「コンポスター」を利用することで
  食べ残しが土の中で分解され肥料になることを伝えました。
  実際にケータリングで用意した昼食の残り物をコンポスターに入れ、
  毎日経過観察を行っています。(9月10日現在、投入した残り物は全て分解していました)
分解しきれない大きなごみは焼却炉で燃やすことができることも、
  可燃ごみプログラムで伝えました。

このように、4つのプログラムを通して
わたしたちが生み出した「ごみ」を効率よく
処理する方法を学んでいきました。
そして9月15日に行われる最後のプログラムが
 
5.リサイクル肥料プログラム です。
  可燃ごみプログラムで生み出された灰と、
  食べ残しがコンポスターによって分解された肥料を用いて
  生徒たちと一緒に花壇をつくり、植木を植えるプログラムです。
  

これらの5つのプログラムを我々Pax IV Hyper が企画し
ネパールのカウンターパートであるKORCと協働してきました。

しかし、これだけでは子ども達に正しい「ごみ問題」の解決に向けた
環境保全活動を行ったとは言えません。
「燃えないごみ」の存在があるためです。
燃えないごみは、コンポスターでも分解されず、焼却炉に入れてしまうと
有害なダイオキシンが発生していしまいます。

実際に私たちがネパールに訪れてから最も衝撃を受けたのは、
燃えないごみの存在でした。
町中に、人々が捨てるプラスティックのごみ、店の前で
スナックを食べ、何事もなかったかのように道端にごみを捨てる人々。
それは、ごみを捨てるという習慣が文化として根付いていない
ネパールの独自性によるものでもありますが、
つまるところ1番の問題は、燃えないごみを埋め立てする
システムが政府によって政策化されていないことなのです。

日本は幸い、埋め立て場があり、
私たちは当たり前のように、プラスチックのごみを
ごみ箱に捨てていますが、ごみは分解されず
私たちの見たことのないような埋立地に運ばれ誰かが
今日も、このプラスチックなどの不燃ごみを埋め立てているのです。
つまり、燃えないごみの処理方法は埋め立てることしかできないのです。

私たちはこの燃えないごみの処理方法について
ネパールに滞在してから何度も何度も議論を重ねてきました。
燃えないごみが処理されない現状をネパール国民は
第一に知っているのにもかかわらず、日本人である私たちが
これらのプログラムを行うことは、価値観の強要にならないのか…。

まだ、答えは見つかっておりません。
ですが私たちができる唯一の解決策として発案したのが
KORC主導の SCOUTS GO GREEN プログラムでした。

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まず、プラスチックがなぜ焼却すると有害なのか
なぜ、分解されないのかについて子ども達とディスカッションをしながら
理解を深めていきました。

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次に、世界中で行われている燃えないごみの処理方法を紹介します。

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子ども達は、目を丸くさせてKORCのプレゼンテーションに
耳を傾けていました。
最後に、子ども達と一緒に
“NO MORE PLASTIC BAG”と何度も掛け声を掛け
教室が生徒たちの声で共鳴しました。

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そしてこのエコバックを生徒に配布し
ビニール袋をできるだけ使用せずエコバックを利用してもらうことを呼びかけました。
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KORCメンバーの1人であるSarunが、このプロジェクトについてこう語っています。
I think today was a really tiring yet fun and fruitful day: the KORC scouts go green project. Facilitated by Mavila Khadka from KORC the presentation was really influential as it contained shocking facts and was in Nepali language so there was no question of confusion. Students also took an informal oath to not use plastic bags in days to come or at least minimize it. As I stated earlier it was really tiring yet fun and fruitful day.

このように、最も解決方法が困難である燃えないごみに
焦点をあてたプログラムをネパールで生まれ育ったKORCクルー達が
主導で行えたことが、何よりの生徒たちの理解度の向上に繋がったのではないのでしょうか。

明日に行われるリサイクル肥料プログラムに向けて
全力でプロジェクトに向き合いたいです。
引き続き、応援のほどよろしくお願い致します。

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NPJ2014 8日目 <プログラム準備日>

ネパールにきて8日目が経ちました。
クルーは、毎日の業務をこなしつつ
自然とネパールの生活に馴染んできています。
今日はプログラムはなく、ゆったりとした朝を迎えることができました。
7:00から制服制帽で集合し、朝礼を行いました。
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Bグループはその後、Bグループは、Ujjwal Shishu Niketan Academyの
校長先生のお宅へお邪魔しました。
アパートの最上階にある校長先生のお宅は
黄緑や水色で壁が装飾され、現代風のお宅でした。
小学生のお子様2名と奥様に迎えられ、この上ないおもてなしを賜りました。
まるでお正月のようなご馳走で、クルー1人1人も感激しています。
毎日外食で食事をする私たちにとって、この手作りのお料理が
一番体のエネルギーになったに違いありません。
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ネパールに対する教育制度のお話やネパールの気候、
このプログラムについて意見交換をすることができました。
ネパールのどのような点が大好きですか?
ー私は、ネパールに生まれたからネパールの全てが好きだ。
このような価値観に触れて、私たちも日本での日々を振り返りました。
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私たちがこの学校を訪れてから何でも受け入れ、
「日本の価値を日本の魅力を私たちに是非教えて欲しい」
と熱い眼差しでおっしゃる校長先生の姿をみて私たちは
一種の危機感とそしてこのプロジェクトへの覚悟が生まれたことを思い出します。
全力でぶつかってくるネパールの学生1人1人に私たちクルーも全力で向き合うと決めたのです。

レクチャーのプログラムでは、ネパールの学生の優秀さに圧倒され
レクチャーの内容をより高度なものへと変えようかとまで話し合いました。
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しかし、今私たちが伝えたい「ごみ問題について一緒に考える」姿勢を
第一にもてたことが彼等への理解度に直に繋がったのだと確信しています。
ディスカッションがよりよいものへなったり、分別学習が無事に
終えられたのは、第一にこのDilman校長先生の人望とそこで学ぶ
生徒たちの純粋な気持ちがあったからにほかなりません。
この感謝の心を忘れずに、残りのプログラムもクルー1人1人全力で
向き合っていきたいと思っております。
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NPJ2014 7日目 <分別学習:B校>

■本多昌希
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9月7日に12時15分からUjjwal Shishu Niketan Academy にて行われたこのプログラムの目的は、
ネパールの学校の生徒に正しいゴミ分別の習慣をつけさせることでした。
このプログラムを通して、生徒たちがレクチャーで習ったごみ分別に関する内容を覚えているかどうかを測り、
生徒が校内でごみ分別をできるようにすることを目標としました。
まず、ごみ拾いを実施しました。

競争形式でごみ拾いを実施することで生徒たちの意欲度を観察しました。
案の定、生徒たちは夢中でごみ拾いを行っており、非常に楽しそうでした。ごみの量も、予想していた各グループビニール袋3個分を上回る量を集めてくれました。
大きなごみを拾っては、“Is this burnable garbage?”
とKORCと我々のもとへ走って尋ねてはすぐ去っていくのです。
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焼却炉の周囲等の危険な場所でのスタッフの監視が足らずに、生徒が多く侵入してしまいました。そのため、危険な場所に生徒が入ってしまった場合の対策方法や監視人数を細かく設定しておく必要があったと反省しています。

ゴミ分別終了の合図と共に、生徒を一斉に集めました。
生徒たちが分別を間違えた数を数え、グループごとの平均を集計しました。結果は、Aグループは1ミス、Bグループが0ミス、Cグループは1ミス、Dグループは13ミスでした。

続いて、教室へごみ箱を設置しました。
生徒とスタッフが2つに分かれて学校の各教室を周りながら
ごみ箱とごみの分別表を設置しました。
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この分別学習プログラムでは分別を実際に行う環境を整えることを第一に取り組むべきだと感じました。結果としてごみ拾いとごみ箱の設置にかけた時間は30分でしたが、ごみ箱を設置する等のごみ拾いの環境を整える作業の方を多く時間をとり、その環境整備を評価できるような目標を立てるべきでした。

それでも生徒たちは、目の前にあるごみを拾うことで
“I am so happy because my school is clean.”
(学校が綺麗になると幸せになる)と語ってくれるように
生徒1人1人の意識レベルを改善する目的は達成できたと考えています。

このプログラムの目的は、生徒たちにごみを捨てる習慣をつけさせることです。これからも引き続き、①KORCが配布したエコバックを利用しているか②ごみを分別してごみ箱に捨てているかを隈なく経過観察したいと思います。
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NPJ2014 7日目<可燃ごみプログラム:A校>

7日目。分別学習の後に行われた、可燃ごみプログラムについて報告します。
今日は、A校であるJyoti Academy で行われた可燃ゴミプログラムについて報告します。

■可燃ごみプログラム 
担当:小熊 悠輝

私たちは、B校と同様に現地の学校に持続的なごみ処理機能、
習慣付けさせることを目的として、プログラムを行いました。
そのため、ネパールの学校に焼却炉を1基導入し、分別学習で集めた可燃ごみを焼却しました。
併せて、生徒に対して焼却炉と可燃ごみについての理解を促すことを、プログラムの軸として進めました。

当日、まず可燃ごみの焼却炉を用いた焼却についてプレゼンテーションを行い、
後に生徒の前で実際に焼却を行いました。
集まってくれた生徒は小6〜高1までの約90名程。
英語力にも学年によって差があるため
KORCのメンバーにネパール語訳をお願いしながらプレゼンテーションは進んでいきました。

プレゼンテーションの後、可燃ごみを焼却した際、
事前に行った分別学習で集めた可燃ごみ10袋の内、
45Lサイズごみ袋で4袋分を焼却しました。
ごみに着火すると、生徒たちは大きく目を見開き、「おお!」と歓声があがったことを覚えています。

焼却炉の手配について、購入先は2010、2011、2013年と引き続きモキ製作所に購入の依頼をしました。
プログラム当日、生徒たちの前で着火したとき、
手配のためにモキ製作所の社長と直接電話をし購入をしたこと。
ネパールで自社の焼却炉が使われることに対し、大変喜んでくださったこと。
それらのプロセスを経てこうして生徒たちの前で着火できること。
一つ一つ、つながりがあってこそプロジェクトであると実感しました。

生徒たちの帰宅時間の関係から、焼却の後フィードバックシートを配布し
後日回収することを先生方と確認し、プログラムは終了しました。

実際にプレゼンテーションを行うと、自分自身が「相手は知っているだろう」と
勝手に予測していたことに対してのより細かい説明を求められたり、
逆に自分がより説明が必要だろうと予測していた事柄に対しての基礎知識が固められていたり…。
相手の理解度をプレゼンテーションの中で、反応を見ながら絶えず確認し、柔軟に対応することの必要性を痛感しました。
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僕たちは今回、ネパールのごみ問題に向き合うにあたり、出来ることの一つとして、焼却炉を日本から持ち運びました。
しかし、持ち込まれた技術に対する現地の人々の理解なくしては、技術は活かされないということも痛感しています。
信号やバレーボールコートなど、作られてはいるけど、使われていない技術を、ネパールに来てから多く目にします。
もちろん、社会全体の理解を仰ぐことができたなら、即効性のある解決につながるのかもしれません。
しかし、自分たちが今まで築き上げてきた価値観により生きている大人に対して発信し、理解を得ようとすることは必ずしも簡単なことではありません。
そのため、未来を担うだろうピュアな子どもたちに対して、直接焼却炉の使い方や意義を理解してもらうことの重要性を感じています。
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15日に控えているリサイクルについてのプログラムも引き続き、生徒たちと真剣に向き合いながら活動していきたいと思います。

NPJ2014 6日目 プログラム準備日

9月6日は、プロジェクト準備日として
翌日に迫った可燃ごみプログラムの準備を行いました。

各プログラム担当を中心に、最終確認を行います。
その後は、休息日として思い思いの1日を過ごしました。
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お散歩をしてネパールの風を大いに感じています。

また、この日はKORCがカトマンズ郊外にある仏教寺院を案内してくれました。

カトマンズは標高1,300mを超える場所に位置します。
カトマンズに暮らす人々や住まい、食べ物から独自の文化を知ることができます。
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仏塔から眺めるカトマンズの景色は、非常に美しいものでした。
クルー達がカトマンズの町並みを楽しんでいると、
KORCのクルーの一人であるAshishが私たちにこのような話をしてくれました。
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日本でも智慧を司る菩薩として知られている文殊菩薩が
カトマンズの街を作ったと彼は語るのです。
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カトマンズ、パタン、バクタプルの3郡で成り立つネパール最大のカトマンズ盆地。
神話によると、太古のカトマンズ盆地は湖であったといわれており、
文殊菩薩がその湖の周りの山を剣で切り開いたといわれています。
実際、近年の調査でこの地は湖であったこととその湖の南側で地震が起こり、
湖の水が排水されて今のカトマンズ盆地となったことが明らかになったそうです。

世界中には、沢山の宗教があり、人々は宗教を心の拠り所として
日々生活を送っています。日本ほど無宗教で、クリスマスやお正月など
宗教が平等に許容され交じり合う国はないと言っても過言ではありません。

ネパールでは、人口の80%を超える人がヒンドゥー教を信仰しています。
仏教の開祖であるゴウダマシッダールタの聖地ルンビニーが
あることで有名なネパールは、意外にも仏教信者が10%と多数派ではないようです。

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ネパールやインドには様々なストゥーパがありますが、
私たちが訪れたスワヤンブナート寺院は、ネパールで有名な仏塔のうちの一つだと言われています。
カトマンズの中心部から西に3kmほど離れた丘の上にあり、400段弱の急な石階段を上ったところが寺院の中心になっています。
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ネパール最大の仏塔といわれているボウダナートの仏塔よりもはるかに小さい仏塔ですが、
ネパール仏教にとっては重要な仏塔です。この寺院は別名モンキー・テンプルと呼ばれるほど
猿が多く寺院では猿も信仰の対象となっているそうです。
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実際に、小熊クルーが寺院の中で綿飴を買った途端、猿に奪われてしまいました。
四方を見渡すブッダの知慧の目が非常に印象的でした。
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日本にも寺院は数多く存在しますが、私たちが訪れた仏教寺院は
他の外国で訪れる教会や寺院よりもどこか親しみがあり落ち着きのある寺院でした。
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明日は可燃ごみプログラムの当日です。

NPJ2014 5日目

続いてレクチャーの後に行われた生ごみプログラムの報告です。

■生ごみプログラム 
星合孝則
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生ごみは可燃物ではあるがコンポスターを使うことで省エネルギー、
生ゴミの減量化と再資源化にあります。ごみの分別や、その後の処理について全国的に
確立したシステムがないことが深刻なごみ問題の一つとなっているネパール。
そんな中で、生ごみ処理に対する対応策として、私たちは今回、コンポスターの使用を提案しました。

私たちは、プログラムが実施された前に、2日間をかけてコンポスターを制作しました。
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当日のスケジュール的には、生徒60名ほどの前で、レクチャーで“コンポスターとは?”といった概論を説明した後に、実際に私たちが事前に学校に訪れた際に作ったコンポスターを用いて、その使用方法について説明しました。
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コンポスターという言葉を初めて聞いたという生徒。聞いたことはあるけれど見たことがないという生徒。実際に家にコンポスターがあるという生徒。様々な生徒がいました。

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実際に、コンポスターの
 生ゴミ投入
 全体を混ぜる
 乾いた土をかける
という段階を生徒たちに体験してもらった際の写真です。
生徒たちに実際に体験してもらう方がより身近にゴミの減量化に向けた意識がわくと考え、60名の生徒を4グループに分け、少人数で体験する時間を多く設けました。

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生徒たちは、自分たちの給食の残り物がどうやったら肥料の多い土になるのかと、とても関心を寄せている様子でした。

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コンポスターは、一度生ごみを投入すると、次の投入まで時間を有することや(生ごみ分解の関係により)、野菜の皮・鳥の骨などは投入できないことなど、不便な点もあります。しかし、コンポスター作成から一週間経過観察をしてみたところ、東京の土よりも分解が早いことを実感しました。
そのため、ネパールにおける生ごみ処理の方法の一つとして今後もコンポスターの導入は多いに役立つのではと感じています。

プログラム一日目は、ごみ問題について理解するレクチャー、リサイクルの第一歩としての生ごみプログラムの2つでした。
プログラム2日目は、分別学習と可燃ごみ処理について生徒たちとともに考えていきたいと思っています。

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NPJ2014 5日目〈レクチャー:B校〉

Bグループが訪れたUjjwal Shishu Niketan Academyの報告を致します。
この学校は、カトマンズの中心部から約7km離れたところに位置します。
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学生の総数は約800人で、日本の教育制度でいうと
幼稚園生から高校生までの生徒が在籍している私立校です。

この学校のDilman校長は、ネパールの教育制度について
ネパールは、日本と同様に国立の学校に子どもが通う
義務があるが、日本のように私立学校に対して補助金などの
支援は存在しないとおっしゃっていました。
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とはいいつつも、
”Hope of Wall””Women are human rights”とかかれた壁から分かるように、
イギリスから人権の団体が来校したり、ドラッグを禁止運動を推進する団体が来校したりと
様々な社会問題を子ども達に知ってほしいという理念があるそうで
今回私たちのプロジェクトにも快く引き受けてくださいました。

ネパールにおける私立学校の数はまだ少なく
この学校も創立25周年の比較的新しい学校でした。
それでも、生徒に対する教育は熱心でした。

朝の8時30分からはじまる全校生徒の朝礼に参加しました。

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800人の生徒の視線に圧倒されながらも
グループリーダーである中之薗クルーが全生徒に向けて挨拶をしました。
続いて他のクルーも自己紹介と意気込みを語ります。
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今回行ったレクチャープログラムに
参加した生徒は校長先生厳選の60名の生徒たちでした。
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このプレッシャーを感じながら、何度もレクチャー内容を改善しました。
深夜3時をまわっても英語の表現方法、スライドの内容の改善は
続きました。その努力の成果もあってか、レクチャー後に
生徒たちに向けて行ったアンケートでは、涙溢れるほどの
感想や純粋な言葉を思いにして綴ってくれました。

■レクチャープログラム
中圓尾岳大

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このプログラムは、A校と同様にネパール人がごみ問題と
それに付随する二次的な環境問題を改善できるように、

現地の生徒たちがごみ問題の現状と解決策を理解することを目的として行われました。

私たちは、“なぜこんなにも、ネパールには道端に処理されないごみが存在するのか?”と
いうことをネパールのごみ問題と定義しレクチャーを行いました。
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1.それによって引き起こされる有害なこと(環境・人々に対する悪影響)
2.では、なぜこのような問題が発生しているのか
3.日本の現状(富士山でも深刻なごみ問題)
4.自分たちは、何をすることから始められるのか

この4点を軸に、生徒たちと問題について考えていきました。

「あなたにとってごみとは何ですか?」「どんなごみ問題がありますか?」「なぜネパールの路には多くのごみが落ちているのでしょう?」という3つの質問について自分の意見を考え、発表してもらいながら、レクチャーはディスカッション形式で進みました。

質問を投げかけると、“Garbage is very harmful thing for environment and human!”と一斉に生徒が手を挙げます。

この学校では、8科目中7科目の授業が英語で行われているなどの先進的な教育が多く見受けられます。
その成果か、生徒たちの学習意欲の高さを感じました。
以下、上記した4の軸の内容とそれに対する生徒たちの反応です。

1、ごみ問題により引き起こされる有害について
まず、ごみ問題が存在することにより、環境や人々の身体、生活に悪影響が及ぼされることについて紹介しました。
質問を投げかけるたびに、ものすごいスピードで答える彼らの姿をみる限り、知識としては、ごみ問題について認識しているのだと実感しました。しかし、同時に、知識はあるけれども解決の糸口を自主的に見つけることは困難であるのだと、よりネパールのごみ問題の深刻さに直面する瞬間でもありました。

2.では、なぜこのような問題が発生しているのか
「なぜネパールの道路には多くのごみが落ちているのでしょう?」
生徒同士でディスカッションし、全体に対して発表して
 もらうということを通して、この問いかけに対する答えについて考えて
 もらいました。生徒たちの、“教育の欠如”や、“自己中心的な考えが
 グローバルに浸透しているから” といった私たちの想像を遥かに超えた
 答えに圧倒されたことを覚えています。

3.日本の現状について
ここでは、ごみ問題はネパールだけが抱えている問題ではなく、日本に
おいても同様に存在するのだということについて紹介しました。生徒た
ちは、富士山にたくさん捨てられたごみの画像に目を丸くしていました。 
私たちは、同様の問題を抱えているからこそ、自分たちにできることか
ら互いに始めようということを強調しました。
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4.自分たちは何をすることから始められるのか
このプログラムでは、コンプスターの使用、ごみの分別学習、焼却炉の
使用、花壇作成という4つの段階を通して、可燃ごみのリサイクルにつ
いて考えられる内容となっています。そこで、特に、可燃ごみに対して
は、分別することの重要性についてしっかりと伝えました。
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以上のようにして、レクチャーを進めました。
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実際、前日に生徒たちの優秀な姿を見て、この簡単なレクチャーでよいのだろうかと不安になる瞬間もありました。
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しかし、レクチャー後に実施したアンケートでは、
-“It was a golden opportunity to get to know all these information. (これらの事柄を知ることができて、最高の機会だった)”
-“Thank you for coming all the way from Japan, it was great to know also the situation in Japan. (遠い日本から、ありがとう。日本についても知れてよかった)”
-“Through the lecture, I thought, it is human’s duty to dispose our garbage. (このレクチャーを通して、ごみを処理することは人間の義務であると感じた)”

といった様々な意見を述べてくれました。

まだまだ、始まったばかりです。自分たちが用意してきたこと、学校側に求められていること、子どもたちの知的好奇心にどこまで応えられるか日々、全力でプログラムに向かっていきたいと感じています。

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