大学3年時の秋に、環境NGOのスタッフ向けの海外派遣研修である「環境事業団地球環境市民大学校ネパール・バングラデシュコース」に参加した、ということは以前「私とネパール派遣」エントリーにおいて書いた。ここではそこで得たものについて書きたい。(なお環境事業団は現在では、独立行政法人環境再生保全機構となっている。)
非営利組織全般
まだ当時では、いまではすでに市民権を得ているNPO・NGOが流行りだした頃で、非営利組織論についても大学の授業としてやっと開設されたころだった。そんなときにこの派遣では、派遣の主要目的としてネパール・バングラデシュでの非営利組織の活動を挙げ、実際に現地で視察・講義・現地スタッフとの議論などを行った。大学の教室で非営利組織論を受講しながら、現場で生の情報を得ることにより、非営利組織に関する理解はこれら二つの学習方法により、相当深まった。ボーイスカウトも非営利組織の一種であり、我々の団体でも一時期NPO法人化を真剣に考えたこともあった。そんなきっかけを与えてくれたのも、環境事業団の本派遣だった。
職としてのNPO
本派遣にはボーイスカウトから派遣された私以外にも、タイでマングローブ植林をやっているNPOの事務局長さんや、大阪のほうで水問題を扱っている研究組織のスタッフ、兵庫で子供関係のNPOにはいっている方、北海道で有機農業をやっている農家の方なども参加していた。約10日間の派遣期間中、行動をともにしながら、真面目な話・ふざけた話等、普段接することの無い他業界の人たちと深い交流が出来た。そんななかで、当時就職に悩んでいたので、参加者に話を聞いていたのだが、日本のNPOでは税制、法律、収入等いろいろな問題で、職業としてNPOでやっていくのはなかなか難しいというのがわかった(いまではどうなっているのでしょうか)。最近はSocial VentureやSocial Entrepreneurという言葉も流行っているそうだが、日本でも職としてのNPOが成立すると、さらに質的に豊かな国になると思うのですがね。
もちろん、上記以外にも、パックスのネパール派遣のきっかけになったのもこの派遣だったし、バングラデシュ派遣のクルーリーダーとしてのあり方・知識等を学んだのもここが出発点で、学ぶことの多い派遣だった。そういえば、この派遣でバングラデシュ滞在中に、1人で自由時間を頂き、ボーイスカウトバングラデシュ連盟を尋ね、その年のボーイスカウトのプロジェクトについて1,2時間話をしてきたこともありました。