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Nepal-Japan Scout Project 2018-19 活動報告 ➂

Nepal-Japan Scout Project 2018-19においてゴミ処理設備プログラムを担当した小暮です。

 本プログラムは、カトマンズ市内の小学校に複数のゴミ処理設備を設置することで、ひとつの学校の中に一連のゴミ処理サイクルを確立させることを目指して行ったものです。

私たちはまず、生徒がゴミを自然の中に投棄することが常態化している状況を問題視し、ゴミ処理の第1ステップとして、各教室にゴミ箱を設置し、正しい方法でゴミを処理することやゴミの分別の重要性を伝えました。
続いて第2ステップとして、可燃ゴミの処理のための焼却炉1基と、生ゴミの処理のためのコンポスター2基を小学校の校庭に設置、その使用意図や方法を教員並びに生徒に教授しました。これにより、学校内で出されたゴミの適切な方法による処理が期待できます。なお、不燃ゴミに関しては、従来通り学校の用務員が行政の定めるゴミ収集方法に乗っ取って適切に処理します。
さらに、第3ステップでは、焼却炉とコンポスターの使用によって生じる灰や肥料を活用するためのアプローチとして、校庭への花壇の設置を行いました。こうして設置した花壇には、今年度はネパールで入手した花の種を植えました。
本プログラムの結果としては、以上の3つのステップにより、一つの学校の内部でゴミの投棄から処理に至る一連のシステムを確立することができたと評価できます。

また、同校においても、レクチャープログラムを通じて生徒のゴミ問題に対する意識改善アプローチを行うことで、2つのプログラムの相互補完的な効果を強く期待できます。
実際に、プログラムに参加してくれた生徒たちは、自分たちの学校内においてゴミを処理することに対して高い関心と意欲を示しており、生徒たちとの交流の中でプログラムの効果を強く感じることができました。

Nepal-Japan Scout Project 2018-19 活動報告②

Nepal-Japan scout project 2018-2019のレクチャープログラムを担当した小林飛翔です。今回はレクチャープログラムについて報告させていただきます。

 今年度、我々Pax Ⅳ Hyper は「市民のごみ投棄を含む環境への不適切な行動・意識」(以下、ごみ問題に対する意識)の改善を目的として本プログラムをカトマンズ市内の小学校3校で展開しました。また、 本プログラムの前後で環境問題に関するテストを行い、その正答率を上げること、及びごみ問題に対する意識を生徒それぞれにもってもらうことを本プログラムの目標としました。

 本プログラムは、ごみ問題に対しての知識を生徒たちにもってもらうためのinputパートと、ごみ問題に対する意識を生徒自身にもってもらうoutputパートの2つのパートで構成されています。inputパートでは、ネパールの子供たちにとって身近な環境であるカトマンズ市内のごみ問題から過去日本で見られたごみ問題まで幅広く扱い、ごみ問題がネパールだけの問題ではなく世界的な問題であることを理解してもらうことができました。また不法投棄されたごみによる自然環境、動物へのダメージといった知識も我々と共有することができたと感じています。outputパートでは、我々のレクチャーを通じてネパールの小学生がごみ問題に対し思ったことをブレインストーミングを通して明文化してもらいました。また、その意見やそれに関連する絵を我々が用意したエコバッグに書いてもらいオリジナルエコバッグの作成を行いました。このオリジナルエコバッグは買い物等の際にビニール袋の消費を抑えることができるため、生徒たちには使い続けて欲しいと願っています。

 また、レクチャーの前後で実施した環境問題に関するテストでは、正答率が平均で27%から67%に上昇しており、今回レクチャーでごみ問題を始めとした環境問題に対しての知識を生徒たちと共有でき、今回レクチャーを行った意義を実感しております。

Nepal-Japan Scout Project 2018-19 活動報告①

お久しぶりです!!
昨年度の春渡航の活動報告がまだできいませんでしたので、昨年のプロジェクトの概要を報告させていただきます。
 NJSP2018-2019の春渡航は今年の3月6日から、3月24日の計19日間で行いました。18日まではカトマンズの小学校でレクチャーを行い,18日から21日の間はポカラでトレッキングと新たにプログラムを展開できるかの調査を実施しました。
 それでは具体的に春渡航の概要について報告させていただきます。本年度のプロジェクトで課題に挙げたのは「市民のゴミ投棄を含む環境への不適切な行動・意識」と「ゴミ処理システム不足」です。この2つの課題を解決するためにレクチャープログラムとゴミ処理設備設置プロジェクトを実施しました。
 レクチャープログラムでは、訪れた3校の小学校で、ゴミ問題の原因とその結果どのような影響が出るのかを伝えました。
 ゴミ処理設備設置プログラムでは、訪れた3校の内1校に焼却炉とコンポストを設置しました。
 それぞれのプログラムの詳細は次回以降の記事で報告しますが、ネパールのカウンターパートである、KORCとうまく連携し、全てのプログラムを無事に終えることが出来ました。また、レクチャープログラム、設備設置どちらでも定めた目標をクリアする事が出来、今回の渡航でゴミ問題に関する意識改善への手助けが出来たと思います。
 我々は、力もお金も無い小さな学生の団体ですが、ネパールの環境問題改善のほんの小さなきっかけになればと思い、毎年活動しております。本年度のプログラムも未来のネパールのためになる様、全力で取り組んで参ります。
今後とも応援よろしくお願いします

モンベル様からチャレンジ支援プログラムによる支援を受けさせて頂きました

今年度のプログラムではモンベル様からチャレンジ支援プログラムによる物品提供を受けさせて頂きました。

ポカラ調査プログラムでは、ポカラのトレッキング・ルート、及びその周辺の村における観光客による環境・ゴミ問題調査を行いました。トレッキング・ルートは天候が変化しやすく風も強い高地のため、モンベル様のロッシュパーカー、ロッシュパンツ、およびラップランドストライダーを着用してのプログラム実施となりました。
ロッシュパーカー、ロッシュパンツは高地での強い風を通さず、また高い保温性で快適に動くことができました。また耐久性も高く、急な斜面等も安全に歩くことができました。
ラップランドストライダーは軽量なため疲れにくく、石場や木の葉が多かったトレッキング・ルートでも滑りづらく、安全にトレッキングをすることができました。

モンベル様の商品については下記のリンクから確認をすることができます
http://www.montbell.jp/

Nepal-Japan Scout Project 2018-19 本渡航直前インタビュー①

Nepal-Japan Scout Project 2018-19で広報担当を務めさせて頂いています、平松と申します。
ネパールへの本渡航まであと1週間ほどになりましたが、今回は渡航メンバーの大島さんに簡単なインタビューを行いました。
昨年の夏にも現地へ渡航し、二度目のネパールへ向けての彼女の意気込みをお読みください。

Q:ネパールへの本渡航まであと1週間ほどになりましたが、期待していることや不安に思っていることはありますか?

(大島)
現地のゴミ問題を解決するために子供たちとワークショップを通して関わる事が楽しみでもあり、とても不安でもあります。

Q:現地ではPax cafeのワークショップのプログラムを行いますが、自分の中でどういう結果を出せればと考えていますか?

(大島)
子供たちにゴミ問題への興味を持ってもらい、ゴミ問題を解決するうえで、自分たちに何ができるかを自分たちで見つけてほしいと考えています。

Q:その結果を出すために、自分に何ができると思いますか?

(大島)
子供たちにどう伝えたら一番効果的なのかを考え、伝えたい事が子供たちにきちんと伝わるかどうかを細かく何度も確認したいと思います。

Q:最後に一言あればお願いします

(大島)
渡航まで残り1週間ですが、気を引き締めて、ワークショップをより良いものにできるよう、努めたいです

インタビュー記事を読んでいただきありがとうございました。渡航までには他メンバーのインタビュー記事も投稿しますので、そちらもお楽しみにお待ちください。

Nepal-Japan Scout Project2016-17 活動報告②

2016年度ネパール・ジャパンスカウトプロジェクトに参加しました、佐藤エレナクリスティと申します。ボーイスカウトの活動は小学生から続けていましたが、海外のスカウトとのプロジェクトはこれが初めての経験でした。
私ははじめネパール都市部における衛生問題に興味を持ち、夏に実施した調査渡航ではカトマンズにある小・中学校を複数見学しました。それぞれの衛生状況について調査した結果、都市部の小・中学校では衛生教育が積極的に行われており、渡航前に予想していた問題は深刻でないことがわかりました。

一方で2015年に発生した地震による被害がいまだに市内各地に見られ、復興が十分に進行していないことを知りました。そこで私たちは「地震大国」日本の出身であるからこそ、防災という点においてネパールの人々の助けとなれることはないか考えることにしました。

私たち日本人は幼少期から防災教育を受け、防災に対する意識も国際的に見て高いと言えるでしょう。ネパールと日本の環境の違いを照らし合わせた上で、ネパールの人々にとって有益なプロジェクトを考案しなければなりません。
議論の結果、私たちは非常用持ち出し袋についてカトマンズの小・中学生にレクチャーをし、実際にその中身を考えてもらうというワークショップを行うことにしました。班ごとにイラストを使って非常時に必要なものを発表してもらい、各家庭における防災の重要性について説明しました。レクチャー後の理解度チェックの結果は想定よりも良く、プロジェクトは成功したと言えるでしょう。

以上の経験を通して、プロジェクトを運営する難しさ、挑戦する楽しさ、そして世界の広大さをこのプロジェクトでは学ぶことができました。ネパールというこれまで縁のなかった国の抱える問題と向き合っていく中で、国際社会の一員として成長できたと感じています。

Nepal-Japan Scout Project2016-17 活動報告①

初めまして、 Nepal-Japan Scout Project 2016-17のクルーリーダーを努めさせて頂きました、三浦です。
今回は私たちがどのような目的で、どんな活動をしたのか、報告させて頂きます。

今回、私たちはNJSP2016-17を実施した。本プロジェクトの発足に至る経緯はネパールでの大地震以降、本プロジェクトは震災復興支援活動が主となっていた。今回のNJSP実施にあたり、ネパール側のカウンターパートであるKORCとの会議を通じて、震災復興支援から防災意識の向上に切り替えるとともに、以前のNJSPの主な活動であった環境改善及び地域住民の意識改善活動の再開を決定した。
本プロジェクトの目的はボーイスカウトである我々にしかできない、現地のボーイスカウトとの協力による継続的な活動を通し、ネパール国内の環境保全や現地住民の意識改革、生活習慣の改善の助けをすることで、ネパールの社会・人々に貢献すること。

今回は4つのプログラムを実施した。防災プログラム、水質プログラム、大気プログラム、ごみプロジェクトである。
内容は、防災プログラムは教育機関へのレクチャー、大気プログラムは教育機関へのレクチャー、水質プログラムは各教育機関への浄水器の設置及び教員へのレクチャー、ゴミプロジェクトはアイデアゴミ箱の設置とイベントである。

水質プログラムでは目的をカトマンズ市内の水質汚染改善に向けた市民の水問題への意識改革と、安全な水の提供と定め、大きく分けて2点のプログラムを実施した。

2016年8月に現地調査として渡航を行った。そこで行った水質調査の結果から、水質が以前より悪化していたことや国際的な基準を上回る汚染物質の存在を確認するとともに、水問題に関する街頭インタビューの結果から、市民の水問題に対する意識が低いことを確認した。そのた今年度の活動(2017年3月)は水質汚染の改善を目的とすることとした。

本渡航では、3つのグループに分かれ、浄水器の設置を行った。そしてその後、教員に対してメンテナンスの方法や水質汚染防止のためのレクチャーを行った。さらにポスターを校内に設置した。
水質プログラムに関しては、意識改善に関しては概ね成功であったと言えるだろう。KORCの協力もあり、現地の対象学生、教員へは正確にこちらのプログラムの意義、目的を伝達することができた。
また、KORC側から今回の浄水器のような物質的な支援という点に対して高い評価を受けている。我々のような学生主体のプロジェクトでは物質的な支援には限界があるが、次回以降もなんらかの形で継続することは意味があるだろう。

Nepal-Japa Scout Project 2017-18 活動報告②

今回はNepal-Japan Scout Project2017-18のメインプログラムである『環境委員会の設置』について報告させていただきます。

このメインプログラムはネパール首都カトマンズの小学校3校に環境啓発を目的とした、環境委員会に設立を行いました。環境委員会では環境問題に関するイベントを定期的に開催し、環境委員会の生徒には自発的かつ主体的に環境問題に考えてもらい、他の生徒には環境イベントを通じて環境問題への啓発を行います。

環境イベントとは、環境問題に対する対策や原因などの実践的知識を身に付けるレクチャーや地域などでゴミ拾いを行う啓発イベントです。環境委員会はそのイベントを生徒たちが「やらされるだけ」の受動的なものとなることを防ぐため、また何より生徒たちが主体的に参加することで「楽しい」イベントとなるようにしたいと思い活動を行いました。
今回の本渡航の際に、第一回となる環境イベントをPaxとカウンターパートであるKORCとで行い、環境委員会のメンバー募集を行いました。環境委員会への立候補者はとても多く、ネパールの小学生の環境問題への関心が高く、ネパールでの環境問題が解決に繋がっていくのではないかと感じました。

(文責 平松)

Nepal-Japan Scout Project 2017-18 活動報告①

11月に入り、2018年も残すところ2ヵ月となりました。近頃は急に気温も下がり、少しずつ冬の訪れを感じるようになってきました。皆さんも、冬に向け、年末年始に向け色々と準備を進めている頃ではないでしょうか?
現在我々も、来年の春渡航に向けて着々と準備を進めております!

先月は今年度の夏渡航に関して振り返ってきました。ネパールへ初めて訪れたメンバーが現地で何を見てきたのか、何を感じたのかが伝わってきたのではないでしょうか。今回はさらに振り返って昨年度の本渡航について、書いていこうと思います。

昨年度の春渡航は、今年の2月16日から2月28日にかけて行いました。現地では、小学校を訪れレクチャーを行っただけではなく、カトマンズのタメル地区を探索したり、ホームステイをしたりと、ネパールの人々の生活を感じることもできました。

それでは具体的に春渡航の概要について報告させていただきます。まず、春渡航の目的は、ネパールの小学生の環境問題に対する意識を改善し、それを継続してもらう事です。今回は特に、水質汚染問題に焦点を置きました。

メインプログラムでは、訪れた3校の小学校にそれぞれエコグループという環境委員会を設立しました。そして、エコグループの設立に伴い、水質汚染問題とゴミ問題に関するレクチャー、エコバックコンテストを行いました。プログラムの具体的な内容は、次回の記事で触れていきたいと思います。

では、なぜ環境問題に関するプログラムを行なったのでしょうか?それは、ネパールの町の環境汚染が深刻だからです。カトマンズを流れる2つの川には多くのゴミが浮かんでいて、悪臭が漂っています。当然、河川の水質も非常に悪く、土壌汚染や地下水汚染の原因となっています。加えて、流域での伝染病の流行の原因ともなっています。日本では当たり前のように水道水を飲んでいますが、ネパールの水道水は飲むことが出来ません。水の中に、細菌や、古い水道管のさびなどが溶けていて、それらが人体に影響を与えるからです。渡航メンバーも、飲み水には非常に気を使いましたが、大半のメンバーがお腹を下してしまいました。水質汚染以外にも、街に散乱するゴミの問題、また、大気汚染問題など、環境問題は山積みです。

このような環境問題を解決するにはどうすれば良いか、それは多くの人々に興味を持ってもらう事です。そこで自分たちは、未来のネパールを担う小学生に環境問題に関するレクチャーを行い、まずは興味を持ってもらう、そしてその興味を継続してもらうためのプログラムを実施しました。

これからも応援よろしくお願いします。

Nepal-Japan Scout Project 夏渡航③

今年度のプロジェクトは、ネパールのゴミ問題を中心に取り組むことになりました。
そこで、春渡航に向けた準備をするため、NJSP新メンバーが9月にネパールへ行ってきました!!

 ネパールでは、実際にゴミ処理場を見学し、働いている方々にインタビューを行いました。今回は、以下のことについて書きます。

  ①ゴミ処理施設の現状
  ②ゴミ処理場が必要としているもの
  ③見つかった今後の課題

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①ゴミ処理施設の現状
 私たちが訪れたケティプールには、ゴミ処理場が現在4箇所あり、そのうちの一つに行きました。

 ごみ収集方法は現在はトラックを使用中しています。
 対象は近隣の800世帯(約20000人)で、エリア別に週2回回収しているそうです。

 1日にどのくらいの量のゴミが集まると思いますか?
 このゴミ処理場では0.5t〜1.0t集まります。ちなみに、これらのゴミは分別されておらず、全てがミックスされた状態で収集します。

 ゴミ処理場で働く人々は、各家庭から排出されたゴミ(未分別)を13〜14種類に分別します。例えば、ペットボトル、紙、布、かん、などです。
日本では分別してゴミを出しますが、ネパールではまだ ”分別” することが当たり前ではない現状があります。

 また、ゴミ処理場で働く人々は15人ほどです。毎日朝から晩まで8時間以上働き、お休みは土曜日のみだそうです。このことから、ゴミの量に対して働く人が十分ではないことがわかります。

②ゴミ処理場が必要としているもの

 このインタビューでゴミ処理場が必要としているものは

  ・ファイナンシャルサポート
  ・最新テクノロジー
  ・マンパワー
  ・きちんとしたゴミ処理システム 

 ということが挙げられます。

③見つかった今後の課題

 今のゴミ処理場の課題として

  1.家庭で分別をしてくれない
  2.住民がゴミを回収してもらう際にお金を払わないといけないが、払ってくれない
  3.ゴミ処理場の人手不足
  4.働く環境(猛暑の中だと長時間働くのはきつい)

 1.2の問題に対してこのゴミ処理場では
  ・Visualを使って市民に説明
  ・会話の中で説明する

 などの活動を行なっていると伺いました。
 ゴミ処理場で働く人々は、課題に対して積極的に取り組んでおり、ネパールの環境をより良くしようという姿勢がとても印象的でした。

 しかし、ゴミ処理場の人手不足は深刻な問題で、ゴミ関係の仕事につきたいと思う人がいないとおっしゃっていました。
 ゴミ処理に関する働く人の問題は日本にも言えることで、ネパールだけの問題ではな炒め、より身近な課題として認識することができます。

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