フィレンツェは美しい街であった。街全体が芸術であった。これは15・16世紀にメディチ家がお金を持っていたときに、芸術や建築に投資した結果でもある。また、それ以降、いつの時代においても街が昔ながらの建築物を保存し、いま現在でも建物の特に外観に関する増改築については行政の許可が必要なくらい管理されている。いろんな時代のいろんな人の努力により、この美しい街がある。文化度、高い。
(世界遺産フィレンツェ)
じゃあ、日本はどうか?あまり個性のある、歴史を感じる街は多くない。建物は一つ一つが個性があったとしても街全体としてみると統一感はなく、芸術性も感じない。ヨーロッパが石の文化で建築物にしても芸術にしても保存が利きやすく、日本が木の文化であり、木は腐ったり朽ち果てたりして保存が利きにくいのも、日本では歴史を感じにくい街が多い理由でもあろう。それでも、白川郷のような自然との共生を果たしている街もある。人間だけが作った芸術ではなく、自然と人間が一緒になってつくった芸術的な街。
(世界遺産白川郷)
自然に対する手入れ、自然と人間の共生というのは21世紀の日本のキーワードにすれば良いと思う。日本のあらゆる川のコンクリート護岸を壊し、自然な護岸に。ダムも必要最低限以外はぶっ壊し、下流から上流に魚が自然に昇れるように。建物もコンクリートばかりではなく、木造も味があっていいのでは。中途半端なビオトープとかじゃなくて、本質的な自然と人間の融合・共生・共存を。
以上、高校生時代は土木工学科への進学も検討していた、現在コンピュータサイエンティストの無知なる叫び。