昨年の夏にボーイスカウト関係でお世話になったイタリア・フィレンツェ在住の方に近況報告メールを書いたところ、それに対する返信で以下のようなメッセージを頂きました。
メールお便りありがとうございます。貴君から何か情報が入ると楽しくなります。きっと、目的意識の明瞭さのせいでしょう。こういうのをドイツの哲学者エマヌエル・カントは「合目的性」と呼んだのですよね。俗悪な評価でお気に召すかどうかわかりませんが、五重花丸を差し上げたいです。
「哲学者エマニュエル・カント」やら、その「合目的性」やらと難しい表現を使いつつ、そのメッセージの後半において「五重花丸」という幼稚園児が喜びそうな可愛らしい表現に、フィレンツェ在住らしい感性を感じておりました。さて、で、合目的性とは、何なんでしょうと、調べてみたところ、
カントに言わせれば、美は調和によって成り立つものです。とりわけ、「美」は自律した自由な精神を生み出す悟性との調和であり、これが理性と調和したときには「崇高さ」が成り立つ、と考えました。
この調和を、カントは「合目的性」と呼びました。それは、文字どおり、「目的にかなっている」ということを意味しています。
あるものを「美しい」と思うのは、それが目的にかなって調和がとれているからで、人はそれによって美を判断するのです。
だそうです。まぁ、読んで字のごとくと言ってしまえば、そうなのかもしれませんが、合目的性⇒調和が取れている⇒美しいというのは、私のメールに対する感想であり、とてもうれしい賛辞でありました。