イタリアのカソリック関係のキャンプ場(Roverway2006の会場)にて仏教ワークショップをお手伝いしてきました。世の中では、湾岸戦争にしても、9・11にしても、サミュエル・ハンチントンの文明の衝突にしてもキリスト教vs.イスラム教という構図がよく話題に挙がりますが、このような時代にこそ1神教ではなく多神教である仏教やヒンズー教に触れるのも重要なのではないでしょうか。
仏教ワークショップにおいては、上記写真に写っているMさんというお坊さんに来ていただき、仏教の基礎・禅の基礎について、1回につき約1時間半のセッションを4回やっていただきました。各セッションでは、スライドを用いて修行僧の僧院生活についてもご説明いただきました。特に印象深かったのは、禅とは何かについて、ヨーロッパの大学生にもわかりやすいよう、灰の入ったペットボトルを用いて説明されたことでした。ペットボトルに灰を入れてかき混ぜると当然濁ります。しかし、そのまま置いておくと灰が沈み、灰と水が分離し、水の部分は透明になります。それが瞑想の効果であり、自分の本性を知るという禅の本質であると説明されていました。わかりやすいでしょ?
心を落ち着かせ、本当の自分と向き合わないと、真実は見えません。濁った水の中で向こう側を見ようとしても、見えないのと同じように。いやぁ、ルネッサンスの国で、良いことを学びました。