Bグループが訪れたUjjwal Shishu Niketan Academyの報告を致します。
この学校は、カトマンズの中心部から約7km離れたところに位置します。
学生の総数は約800人で、日本の教育制度でいうと
幼稚園生から高校生までの生徒が在籍している私立校です。
この学校のDilman校長は、ネパールの教育制度について
ネパールは、日本と同様に国立の学校に子どもが通う
義務があるが、日本のように私立学校に対して補助金などの
支援は存在しないとおっしゃっていました。
とはいいつつも、
”Hope of Wall””Women are human rights”とかかれた壁から分かるように、
イギリスから人権の団体が来校したり、ドラッグを禁止運動を推進する団体が来校したりと
様々な社会問題を子ども達に知ってほしいという理念があるそうで
今回私たちのプロジェクトにも快く引き受けてくださいました。
ネパールにおける私立学校の数はまだ少なく
この学校も創立25周年の比較的新しい学校でした。
それでも、生徒に対する教育は熱心でした。
朝の8時30分からはじまる全校生徒の朝礼に参加しました。
800人の生徒の視線に圧倒されながらも
グループリーダーである中之薗クルーが全生徒に向けて挨拶をしました。
続いて他のクルーも自己紹介と意気込みを語ります。
今回行ったレクチャープログラムに
参加した生徒は校長先生厳選の60名の生徒たちでした。
このプレッシャーを感じながら、何度もレクチャー内容を改善しました。
深夜3時をまわっても英語の表現方法、スライドの内容の改善は
続きました。その努力の成果もあってか、レクチャー後に
生徒たちに向けて行ったアンケートでは、涙溢れるほどの
感想や純粋な言葉を思いにして綴ってくれました。
■レクチャープログラム
中圓尾岳大
このプログラムは、A校と同様にネパール人がごみ問題と
それに付随する二次的な環境問題を改善できるように、
現地の生徒たちがごみ問題の現状と解決策を理解することを目的として行われました。
私たちは、“なぜこんなにも、ネパールには道端に処理されないごみが存在するのか?”と
いうことをネパールのごみ問題と定義しレクチャーを行いました。
1.それによって引き起こされる有害なこと(環境・人々に対する悪影響)
2.では、なぜこのような問題が発生しているのか
3.日本の現状(富士山でも深刻なごみ問題)
4.自分たちは、何をすることから始められるのか
この4点を軸に、生徒たちと問題について考えていきました。
「あなたにとってごみとは何ですか?」「どんなごみ問題がありますか?」「なぜネパールの路には多くのごみが落ちているのでしょう?」という3つの質問について自分の意見を考え、発表してもらいながら、レクチャーはディスカッション形式で進みました。
質問を投げかけると、“Garbage is very harmful thing for environment and human!”と一斉に生徒が手を挙げます。
この学校では、8科目中7科目の授業が英語で行われているなどの先進的な教育が多く見受けられます。
その成果か、生徒たちの学習意欲の高さを感じました。
以下、上記した4の軸の内容とそれに対する生徒たちの反応です。
1、ごみ問題により引き起こされる有害について
まず、ごみ問題が存在することにより、環境や人々の身体、生活に悪影響が及ぼされることについて紹介しました。
質問を投げかけるたびに、ものすごいスピードで答える彼らの姿をみる限り、知識としては、ごみ問題について認識しているのだと実感しました。しかし、同時に、知識はあるけれども解決の糸口を自主的に見つけることは困難であるのだと、よりネパールのごみ問題の深刻さに直面する瞬間でもありました。
2.では、なぜこのような問題が発生しているのか
「なぜネパールの道路には多くのごみが落ちているのでしょう?」
生徒同士でディスカッションし、全体に対して発表して
もらうということを通して、この問いかけに対する答えについて考えて
もらいました。生徒たちの、“教育の欠如”や、“自己中心的な考えが
グローバルに浸透しているから” といった私たちの想像を遥かに超えた
答えに圧倒されたことを覚えています。
3.日本の現状について
ここでは、ごみ問題はネパールだけが抱えている問題ではなく、日本に
おいても同様に存在するのだということについて紹介しました。生徒た
ちは、富士山にたくさん捨てられたごみの画像に目を丸くしていました。
私たちは、同様の問題を抱えているからこそ、自分たちにできることか
ら互いに始めようということを強調しました。
4.自分たちは何をすることから始められるのか
このプログラムでは、コンプスターの使用、ごみの分別学習、焼却炉の
使用、花壇作成という4つの段階を通して、可燃ごみのリサイクルにつ
いて考えられる内容となっています。そこで、特に、可燃ごみに対して
は、分別することの重要性についてしっかりと伝えました。
実際、前日に生徒たちの優秀な姿を見て、この簡単なレクチャーでよいのだろうかと不安になる瞬間もありました。
しかし、レクチャー後に実施したアンケートでは、
-“It was a golden opportunity to get to know all these information. (これらの事柄を知ることができて、最高の機会だった)”
-“Thank you for coming all the way from Japan, it was great to know also the situation in Japan. (遠い日本から、ありがとう。日本についても知れてよかった)”
-“Through the lecture, I thought, it is human’s duty to dispose our garbage. (このレクチャーを通して、ごみを処理することは人間の義務であると感じた)”
といった様々な意見を述べてくれました。
まだまだ、始まったばかりです。自分たちが用意してきたこと、学校側に求められていること、子どもたちの知的好奇心にどこまで応えられるか日々、全力でプログラムに向かっていきたいと感じています。