ボーイスカウト日本連盟にいる成年指導者を2種類の人間に分けたら、どのような比率で分けられるのであろうか:モノを作り出す人、モノを評論する人。前者は青少年教育の現場において、新しいプログラム、活動案を考え続けながら、現場で動くもの。もしくは例え現場にはいなくても、中央意思決定機関において新しい制度、仕組み等を構築するもの。また後者は自分では自ら動かないが、意見を出したり、過去の経験からアドバイスをしたりするもの。この比率がどちらかに偏りすぎでも問題だと思うが、現在の日本連盟では後者の人間が多すぎるのではないだろうか?
私が過去に日本連盟国際委員会にいた理由を2つ挙げたい。一つはこのサイトにも良くコメントを頂ける黒澤さんも仰るように、日本連盟側の都合で、青年参画を日本連盟でもやってますよと宣伝できるようにするための、ただの人数あわせ。もう一つは、これは僕個人が思ってただけかもしれないが、当時日本連盟バングラデシュ派遣を取りまとめる立場におり、またバングラデシュ派遣以外にもPax IV Hyperや慶應義塾大学ローバース等、ローバープログラムを実行できる立場にいたからなのかと思っている。当然、僕以外の委員を見渡すと、県連の偉いポジションにあって、それぞれ県連で日本連盟のために動ける人がいたり、その人自身は県連や地区では権力はもたないものの、国際関係で経験が豊富でご意見番的に入っている人もいた。このバランス自体は現状の日本連盟の物事の進め方と県連の関係を考える以上、しょうがないと思う。各県連盟の協力なくして、日本連盟は成り立たないから。
ただし、ある程度の実働が期待されている各種委員会はまだ良いとしても、さらに上の組織(政治的にも、年齢的にも)では、少々訳が違ってくるのではないだろうか。でそれら上部組織メンバーのことは良く知らないので、詳しくはyathの投稿を期待するが、外から見ていて、過去の経験はあっても現在はあまり動けないメンバーなのではないかと思ってしまうのだ。そこに青年が参画していれば、新アイデア等があったら、その直後にそれを試してみたり、活動に応用したりと、すぐに実行に移せるが、偉くなりすぎるとフットワークが重くなる。ということで動けるメンバーを増やす意味でも、さらなる青年参画を期待したい。
さて、話は少しずれたが、僕は評論家にはなりたくないということを言いたかった。過去の経験・知見だけで、語りたくない。人の活動に対して横から口を出すだけで、動かない人にはなりたくない。Pax IV Hyperも当初から、研究・分析活動をやると同時に、その結果を日々の活動に応用していくことを重視してきた。僕は先月26歳になり、ついにローバースカウトを卒業した。制度上はもはやスカウトではなく、リーダーになってしまった。だからといって、自分が勉強をするのを止め、後は後輩の育成だけをやる、という活動は面白くない。やはり自分も動いていたい。かなり回りくどい文章になったが、要はこれを言いたかった:現場と遊離し、過去の栄光だけを頼りにする意思決定機関の人間はとっとと去り、今最前線にいる人間を一刻も早くそこに入れて欲しい。そうでない限り、現場の求める制度、ルール作りは出来ないし、日本のボーイスカウトが時代遅れのものになってしまう。