先進国の祭りには神が欠けてきた?
先進国の祭りには神が欠けてきた?
先日の京都訪問時に鞍馬の火祭りという、大きなたいまつ(直径1mぐらい)を燃やして神社に持っていくお祭りを見学しました。そのたいまつの担ぎ手が笑顔だったのですが、それがずっと心の中にありました。隣で見学していた同行者は、「笑顔のほうが楽しそうで、親しみも持てていい」と言ってましたが、僕は「お祭りでは(特にその担い手は)笑顔を見せるべきではない」と主張したのです。けど、その笑顔を見せるべきではない理由が、その時ははっきりと言えなかったのです。
鞍馬の火祭り。(ぼけぼけですみません。どなたか、コンパクトデジカメで夜中に動いている物体を綺麗に撮影する方法を教えてください。)
最近、結論が出ました。国語辞典で調べると、「祭とは、神霊などを祀る儀式。祭礼、祭祀(さいし)とも呼ばれる。あるいは、本来の祭から派生した、催事(催し、イベント)、フェスティバルのこと。」となっており、僕が重視してたのはこの前者のほうで、神や信仰に関することにあまり笑顔は相応しくないのではと思ったのでしょう。最近の国内のお祭では、屋台の充実や仮装行列といったフェスティバル的な側面ばかりが強調され、本来の目的である「神霊などを祀る儀式」部分が薄まってしまったのが残念なんですね。おそらくネパール(ヒンズー教やチベット仏教)やバングラデシュ(イスラム教)といった国では、またお祭事情は異なると思いますが。
パックス・サーカス引越し部
パックス・サーカス引越し部
昨日、市河氏の引越しの手伝いをしてきました。パックスの社会人メンバーを中心に声をかけたら、合計8人も集まりました。短時間のお手伝いだったためにあまり多くの仕事は出来ませんでしたが、いざというときのみんなの機動力には驚きました(3連休の初日にみんなが集まれる時点で、みんな暇人(笑)?)
倉庫を掃除・整頓する様子
緑がきれい
ライトアップされた紅葉がきれいなのはみんな賛成してくれると思うし、実際に人気が高いと思います。けど、ライトアップされた緑もきれいだと、僕は思いました。緑色は疲れ目にもいいらしいですしね。
(高台寺の庭園の竹林)
目に悪いパソコンに向かってる皆様にとって、少しでも目の休息になりますよーに。
ネパールプロジェクトの近況 その5
ネパールプロジェクトの近況を紹介させて頂きます。最近、少し遠のいてきましたが、現状の整理をさらっとしていきたいと思います。
■クルーについて
クルー(プロジェクト参加者)に参加表明をして頂きました。皆、それぞれの意志を話てくれました。この参加表明はプロジェクトを実施する上で、「けじめ」という様なものだと思います。ネパールは過去に治安が悪化した時期もあり100%渡航できるとは限りません。クルー誰しもが、みな参加できるとは言えないのです。事実、僕は過去にプロジェクトを実施する一日前に風邪を患い、参加を見送るクルーを出してしまった事があり、この時はクルーのリーダーとして大変反省しました。今でも悔やんでいます。まぁ、またそんな彼とまたプロジェクトをやっているのですが。
そんな事もありました。そういう不測の事態が生じて参加できなくなる事もあり得る事を意思表明の際に説明しました。あるクルーは「現地に行けない事になっても学べる事は沢山あると思い、このプロジェクトに参加します」と言ってくれた方もいました。個人的な事ですが、その言葉を聞けた事はうれしかったです。だからこそ出来れば、全員で現地でプロジェクトを展開したいです。
■事業内容について
現在、計画書を鋭意作成中です。完成次第、紹介したいと思います。計画書は現在、環境に配慮して出来る限り余白を消して、ページ数を省こうかと考えています。節約していこうというコンセプトで、品質はキープする事は矛盾していますが、矛盾しない程度に余白の編集をしていきます。また、年末には最終的なプロジェクトに関する実施要項を完成させる予定です。一月はクルーの9割は大学生である為に、試験勉強に励んで欲しいので、あまり計画は遅らせない様にしたいです。2月の頭に詰め込みで作業をしない為にも
11月〜年末の期間は慎重かつ迅速に内容をつめればなという所です。
今度、ブログを書くときは事業内容について紹介させて頂きます。
ネパールの田園風景です。個人的な事ですが、四谷の防衛庁の庁舎に近くにある新宿歴史博物館に訪れた時にかつての早稲田付近の写真を見ました。今のネパールの郊外と同様に原っぱの広がる場所でした。しょっちゅうミーティング等で訪れる早稲田も昔はこんな田園風景だなと思うと、少し驚きました。
歴史に残るものとは
鎌倉時代(1192-1336頃)や室町時代(1336-1573頃)に建てられた建築物・構築された思想等が、2006年に生きる人にさえも感動・感銘を与えられる。歴史的な観光地に行くのはこのような歴史的な価値を感じるために行くんだろう。また、同時代に建てられたものでも後世まで残るものと、風化・消費されてなくなってしまう物の両方が存在するのも確かである。
東福寺
(ブログでは東福寺の写真が多くなっていますが、大徳寺大仙院の石庭も素晴らしかった。写真撮影禁止だったのでこちらで紹介できないのが残念です。)
建築物や思想というのは相対的に見て後世に残しやすい気がする。逆に、科学技術や電気製品というのは日々の進化があり、最新のものが最良のものという考え方があるために、生活のインフラストラクチャになるものはあっても、後世まで感動を残すものは多くない。ここには芸術的価値・歴史的価値・経済的価値・人類的価値のように、いろんな価値基準が存在し、歴史的構造物はここでいう前者二つ、科学技術については後者二つの価値が大きいのだと思う。
さて、僕らは後世に何を残すべきかと。今年のノーベル平和賞を受賞したバングラデシュはグラミン銀行総裁ムハマド・ユヌス氏が構築したマイクロクレジットというような社会システムの構築が、ボーイスカウトの目指すべき姿かもしれない。目には見えないが人間生活を支援するもの。ビジネスモデルというほど経済的な価値は生まなくても多くの人間を助けるもの。そんなソーシャル(社会)モデルの構築というのを目標にしても悪くない。感動は残さなくても、人類が幸せに暮らせるインフラストラクチャを残せれば、良いのだと思う。
本の紹介:ネパールで風力発電する
読書の秋というわけでもないのですが、2回続けて本の紹介になります。池澤直樹さんのすばらしい新世界を今、読んでいます。まだ1/3も読み終わってないのですが、この本、めちゃくちゃ、僕らに関係しています。
なんたって、主人公が小型風力発電機を設置するために、ネパールの山奥に行くというストーリーなんですもん。風力発電!ネパール!俺らが読むしかない!
ということで、パックス全員、読むよーに(笑)。小難しいわけでもなく、小説だから読みやすく、いまのところ面白いですよ。
本の紹介:宇宙船地球号
バックミンスター・フラーの宇宙船地球号操縦マニュアルをご紹介します。この方は20世紀を代表する技術家で、地球を一つの宇宙船と捉える概念を提唱しました。以下は宇宙船地球号の簡単な説明です。
宇宙は無限である。無限である宇宙には、無限のエネルギーが存在する。しかし地球は現在のところ閉じたシステムである。閉じたシステムの場合には、そこに存在するエネルギーは有限である。そう、酸素やガソリンを積んだ宇宙船のように、いつかエネルギーを使いきってしまうのである。現在のところ、地球は有限のエネルギーを使いきろうとしている。ということで、地球は、地球に存在するエネルギーを消費するよりも、無限の宇宙からエネルギー(太陽風や宇宙線等)を取得すべきなのである。そうすれば、エネルギー的な観点からは地球も無限になる。
おもしろい考え方ですよね。
京都に行ってきました
週末を利用して、2泊3日で京都に行ってきました。紅葉にはまだ早かったのですが、東福寺・円通寺・大徳寺(大仙院)・鹿苑寺(金閣寺)・高台寺・南禅寺・延暦寺(比叡山)・鞍馬の火祭等を見学し、濃密な日本文化に浸ってきました。食事も、事前に京都に詳しい方にいろいろとご紹介を頂き、京都らしい・日本らしい、京野菜・にしんそば等をおいしくいただけました。このブログでは海外の写真が多いので、たまには美しき日本の写真も載せてみます。
東福寺・三門
東福寺・方丈庭園
円通寺の借景(背景の山は比叡山)
高台寺の庭園の夜景
こうやって写真を載せてみると、寺院の建築より、庭園のほうに美しさを感じていたことに気付きました。風景をも借景として庭園の一部に取り込んだ円通寺や、よく整備された日本庭園をライトアップしさらにそれを池に写した高台寺など、計算された美に感動しました。海外も楽しいですが、日本も、また、いいですね。
情報技術と開発協力・環境教育に関する構想
パックスでは2,3年前から、アジアの現場での活動に加え、日本でのネットや映像を利用した情報技術を用いて報告活動・ワークショップ開催などに取り組んできました。これは、構成員のほとんどが大学生で、現地を訪問できるのが年に1,2回でそれも2週間程度であり、現場にいる時間だけではなく日本にいる時間にも、僕ららしく活動したい・アジアのためになりたいという意味もあるためです。
現地での草の根レベルでの活動は、直接的でわかりやすいものです。しかし、それだけでは、視野が狭くなったり、全体最適ではなく部分最適解に繋がったり、はたまたもっと大規模・効率よく問題を解決するチャンスを失ったりする可能性もあります。また、先進国での若者に対する意識付け・環境教育を行うことにより、その若者が将来的に何らかの形で開発協力に関係してくれることも、僕らの国内での活動の目的です。
かなりまわりくどい言い方をしましたが、次回のネパールプロジェクトに関しては、これまで以上の情報技術を利用した報告・情報共有に取り組んでいければと思っています。11月上旬ぐらいまでにはその構想を発表できると思います。お楽しみに。
ボランティアを管理・制御する技術
現在開催中のアジア系フェスティバルにボランティアとして参加している方から聞いた話。そのフェスティバルでは、大々的にフェスティバルの運営・実施を手伝ってくれるボランティアを募集していたそうなのですが、申し込んでも主催者側から事前にまったく連絡が無く(ボランティア内容や集合日時すら知らされない)、本番当日になってやっと連絡が取れたそうです。
(ネパールスカウトと突如的、野外ミーティング@カトマンズ2003)
そんな話を聞きながら、特に災害復興支援や緊急時に集まる多数のボランティアをどう管理・制御するかということを考えていました。たとえば、新潟の大震災の際は市町村役場等に全国からボランティアが集まったようですが、そのようなボランティアを誰が、どのような手法でマネージメントしたのか。そもそもボーイスカウトにおいてもボランティアのリーダーによって活動が成り立っているわけですが、これもある程度の長い時間をかけて人間関係を構築した上での活動運営であったり、少なくとも同じボーイスカウトであるという前提があっての共同作業であったりします。しかし、緊急時にはそれこそ素性の知れない雑多なボランティアが集まるわけで、そのような人たちを管理・制御するのは難しそうだなぁと思ったのです。
ボランティアを管理・制御する手法・スキルについての研修とかも、実は世の中にはあったりするのかなぁ。新潟の大震災時はどのようなマネージメントがあったんだろう。ご存知の方、教えてください!