イタリア渡航報告4:街づくり
フィレンツェは美しい街であった。街全体が芸術であった。これは15・16世紀にメディチ家がお金を持っていたときに、芸術や建築に投資した結果でもある。また、それ以降、いつの時代においても街が昔ながらの建築物を保存し、いま現在でも建物の特に外観に関する増改築については行政の許可が必要なくらい管理されている。いろんな時代のいろんな人の努力により、この美しい街がある。文化度、高い。
(世界遺産フィレンツェ)
じゃあ、日本はどうか?あまり個性のある、歴史を感じる街は多くない。建物は一つ一つが個性があったとしても街全体としてみると統一感はなく、芸術性も感じない。ヨーロッパが石の文化で建築物にしても芸術にしても保存が利きやすく、日本が木の文化であり、木は腐ったり朽ち果てたりして保存が利きにくいのも、日本では歴史を感じにくい街が多い理由でもあろう。それでも、白川郷のような自然との共生を果たしている街もある。人間だけが作った芸術ではなく、自然と人間が一緒になってつくった芸術的な街。
(世界遺産白川郷)
自然に対する手入れ、自然と人間の共生というのは21世紀の日本のキーワードにすれば良いと思う。日本のあらゆる川のコンクリート護岸を壊し、自然な護岸に。ダムも必要最低限以外はぶっ壊し、下流から上流に魚が自然に昇れるように。建物もコンクリートばかりではなく、木造も味があっていいのでは。中途半端なビオトープとかじゃなくて、本質的な自然と人間の融合・共生・共存を。
以上、高校生時代は土木工学科への進学も検討していた、現在コンピュータサイエンティストの無知なる叫び。
イタリア渡航報告3:仏教ワークショップ
イタリアのカソリック関係のキャンプ場(Roverway2006の会場)にて仏教ワークショップをお手伝いしてきました。世の中では、湾岸戦争にしても、9・11にしても、サミュエル・ハンチントンの文明の衝突にしてもキリスト教vs.イスラム教という構図がよく話題に挙がりますが、このような時代にこそ1神教ではなく多神教である仏教やヒンズー教に触れるのも重要なのではないでしょうか。
仏教ワークショップにおいては、上記写真に写っているMさんというお坊さんに来ていただき、仏教の基礎・禅の基礎について、1回につき約1時間半のセッションを4回やっていただきました。各セッションでは、スライドを用いて修行僧の僧院生活についてもご説明いただきました。特に印象深かったのは、禅とは何かについて、ヨーロッパの大学生にもわかりやすいよう、灰の入ったペットボトルを用いて説明されたことでした。ペットボトルに灰を入れてかき混ぜると当然濁ります。しかし、そのまま置いておくと灰が沈み、灰と水が分離し、水の部分は透明になります。それが瞑想の効果であり、自分の本性を知るという禅の本質であると説明されていました。わかりやすいでしょ?
心を落ち着かせ、本当の自分と向き合わないと、真実は見えません。濁った水の中で向こう側を見ようとしても、見えないのと同じように。いやぁ、ルネッサンスの国で、良いことを学びました。
イタリア渡航報告2:Roverway 2006
Roverway2006は2部構成になっていて、前半はイタリア各地で行われ、それぞれあるテーマに沿った移動キャンプ(ルートと呼ばれる)で、後半が約5000人の参加者が一箇所に集まって行われる固定キャンプである。僕が参加したのは後半のほうで、ここでは3泊4日のプログラムが展開され、以下の写真にあるように100を超えるテーマによりワークショップが行われ、参加者は自分が希望するものに参加するようになっている。
(折り紙ワークショップの風景)
また、ワークショップとは別に突発的な集まりみたいなのも開かれてました。ヨーロッパのローバースカウトがあつまり、1時間くらいのフォーラムみたいなのもやっていました。ヨーロッパではEUの誕生に影響されてか?Unity(統一・結束)がキーワードになっていたみたいで、よく聞きました。しかし、キーワード先行型で中身がまだ具体的にはない模様。人間を集めフォーラムを行う、そのネットワークを活用しインターネット上にサイトを作る、ここまではできるんですが、じゃあそれをどう有効活用するか、どう具体的なアクションに繋げるかが日本でもヨーロッパでも共通の課題なんでしょう。(パックスの活動では先に問題を設定し、その問題に関して人を集め、プロジェクトを行うので、上記のような問題はあまり起きません。)
また大学生年代を対象としたイベントということで、その運営も大学生年代が積極的に絡んでいたようです。しかし、運営はお世辞にも良くできていたとは言えずに、情報共有の仕方は事前から問題があり(WEBサイトが見にくい上に、必要な情報が得られなかったり)、現地でも決めるべきことが決まってなかったり、いろんな対応が後手後手になっていたように思います。まぁ、大学生年代がやるとなると、初めての大会運営経験になり、なんとか開催するというので精一杯なんでしょうがね。ぜひ、次回の大会(2009年)には、今回の経験者と次回からの参加者がうまく融合し、質の高い運営を期待したいです。
日本連盟公認海外派遣:モンゴルプロジェクト2006(修正)
このたび、モンゴルプロジェクト2006が日本連盟の承認を得た海外派遣になったことをご報告いたします。今回の申請・承認に当たっては、新宿2団(早稲田大学ローバース)、新宿地区、東京都連盟、日本連盟の皆様のご協力・ご指導により実現いたしました。この場を持って御礼申し上げます。ありがとうございました!
今回のプロジェクトでは新宿2団所属のローバースカウトが複数人おり、またその他の地区・県連所属のローバースカウトも多く、主催は新宿2団となっていますが、各地のローバースカウトがチームを作り実行される派遣になります。モンゴルプロジェクトは9月1日から派遣が始まりますが、皆様のご期待に沿えるよう、また安全第一で任務が遂行できるようメンバー一同準備中です。今後とも、どうぞよろしくおねがいいたします。
イタリア渡航報告1:概要
昨日、無事にイタリアから帰国しました。日本は湿度が高い国で、肌・喉にやさしそうというのが、帰国した瞬間に思ったことでした。イタリアでも気温は同じぐらいだったのですが、カラッとしていて、僕なんかは当初すこし喉を痛めていたので。
(Roverway 2006 @ Loppiano, Italy)
さて、今回のイタリア渡航の主目的は、ヨーロッパのボーイスカウト(ローバースカウト)を主参加者として開かれたイベントである、ローバーウェイ2006に参加したことでした。簡単に言うと大学生向けのジャンボリー=ムートみたいな雰囲気で、日本からは「神道」「仏教」「おりがみ」ワークショップの提供をし、僕は「仏教(禅)」のお手伝いをしてきました。
(会場であるLoppianoは、Firenzeの郊外でした)
今日から数回に分けて、イタリア渡航報告を書きたいと思っています。今のところ、以下のようなテーマを考えています。
・イタリア渡航報告2:ローバーウェイ2006
・イタリア渡航報告3:仏教ワークショップ
・イタリア渡航報告4:イタリアの街づくり
ちなみに、明日はひさしぶりのPax IV Hyper総会です!今夏は日本ジャンボリーも開かれ、また9月にはモンゴルプロジェクトも予定しているので、話題としては盛りだくさんあります。時差ぼけにかかっている場合じゃありませんね。
イタリア・フィレンツェへ
かなり前に書き込みをしてましたが、明日からイタリアのフィレンツェに行ってまいります。ということで、私のブログの投稿とコメントに対する承諾が、17日まで不可能になります。ご了承くださいませ。では、いってきまーす!
インドネシア渡航報告5:料理
僕はアジアが好きです。大陸側の東南アジアと呼ばれてる国にはすべてに行ったことがあります。アジアの食も好きです。やはりヨーロッパやアメリカにはない、豊かなで繊細な味がアジアにはあると思います。
現地の人向けのマーケットで撮影した一枚
しかーーーーーーーし、辛いもの、食べられません。アジアは辛いものが多いので、食べるものを選ぶ際は要注意です。そして、辛さに加え、熱さが加わると、もはやお手上げ。辛いものをたくさん食べるからこそ、発汗作用があったりして身体にいいのかもしれませんが、なかなか慣れません。以上、よろしく(笑)。
インドネシア渡航報告4:不法伐採
木々を伐採すると単純に木々が減るだけでなく、川は乾季には干上がり・雨季には水が溢れ、さまざまな動物・昆虫の住処が減少し、生物多様性にも影響がある。住民が伐採をする理由は、それ以外に収入がないからであり、経済の問題が環境へ影響している良い例である。じゃあ、持続可能な開発・持続可能な発展のために何をしているか。
ジャワ島にある首都ジャカルタの港での木材運送の風景
・木々の伐採に代わる収入源をつくる→マイクロクレジット・農業
・木々を有効活用できる仕組みをつくる→再植林・森林管理教育
・住民の森林保全に対する理解を得る→環境教育・ワークショップの実施
とまぁ、森林保全という一つの目標に対して、複合的なアプローチをする必要があるわけですね。しかもその複数のアプローチをすべて実践しているという点で、今回訪問したNGOはすごいと思いました。
ガイドさんに伺ったところ、昔は木材を輸出するだけで収入を得られていたが、最近はそれだけでは難しく、1次加工・2次加工をした木材でないと海外の国が買ってくれないと仰ってました。現地産の生のモノ・情報が受けいられる時代は終わりつつあり、どのようなモノ・情報でも何かしらの加工・編集を経て、付加価値がつけられないと経済的な価値を得ない。このブログでの情報公開にも参考になります。
インドネシア渡航報告3:魚や地下資源
インドネシアはさまざまな資源に恵まれた国だといわれてます。国は千以上の島により構成され、その海では魚も良く取れます。スラウェシ島に住む人たちは、一日に一回は魚を食べないと身体がしゃっきりしないと言っておりました。
スラウェシ島のシーフードレストランでは店に入る前に、自分が食べる魚を選び、その調理方法を指示する仕組みになっています。
魚がたくさん取れると同時に、地下資源にも恵まれており、石油も取れます。ただし、ここからが問題なんです。その地下資源をめぐって周辺国(具体的にはオーストラリア等)といざこざがあるのです。うーむ、どの国も同じなんですね。日本でも同じような問題を抱えてますよね。
インドネシア渡航報告2:会議詳細
インドネシアはスラウェシ島のケンダリという町で、IDRAPのメンバーと評価ミーティングをしてきました。ここでは、彼らの活動の紹介をミーティングの写真とともにご紹介いたします。
(IDRAPのメンバーと、壁にかかる活動風景の写真)
■森林保全(これが今回の評価対象の活動)
これまでは原住民が森林を不法に伐採し、薪として業者に販売し、収入を得ていたそうです。つまり、単純に森林伐採を禁止すると、原住民の収入がなくなってしまうわけです。そこでIDRAPでは、森林伐採を禁止した後に(禁止するのは政府)、木と稲の育成を指導しているそうです。木は10-15年単位で成長するためにすぐにはお金にはならない、そこで稲などの1年単位で収穫のできる稲や野菜を栽培させるそうです。
■マイクロクレジット
バングラデシュのムハマド・ユヌス氏により考案された貧困家庭を対象とした小額融資援助制度をインドネシアでも実施しているとのこと。5人組のグループを構成させ、そのグループに対してお金を貸し、事業を起こさせて貧困からの脱出を図ろうとのこと。いまのところ、毎月の返還も滞りなく行われているそうで、うまくいっているそうです。ドイツの医師団から助成を受けているそうです。
■その他
保健衛生、衛生的な水の確保(水道の整備)等もやっているとのこと。あと印象的だったのが、今後は水力ではない、クリーンエネルギーの導入を行い、町の電化に関するプロジェクトもやりたいとおっしゃってたこと。ただし、彼ら自身には現在のところ技術も設備も無いので、日本やヨーロッパでの提携団体や、トレーニングを受ける機会がほしいとのことでした。