NPJ2014 13日目
13日目の今日は、日本語学校へ訪問し、
ネパールで日本語を勉強する学生と交流しました。
その後クルー達は、KORCメンバーの家へホームスティを
させていただくことになりました。
Pax Earthと縁のある日本語学校を訪問しました。まだ開校したばかりで生徒数は少ないですが、日本に4年間住んでいた日本語の達者な先生が熱心に教えていました。そのうちの2人は大学を卒業し、今度の春から日本に留学すること予定だそうです。工学専攻らしく、僕の持っていた大学の数学と物理の教科書を見せたところ、かぶりつくように見ていて、理工学部の自分としてはとても親近感がわきました。日本語で手紙を書いてあげたり、歌を歌ったりと、やってあげたことは限られていましたが、少しでも生徒たちの日本語学習の意欲向上に寄与できたらうれしいです。留学する二人と日本で再会できることを願っています。
■ホームスティプログラム
阿部桃子
私は今回Nepal-Japan Project2014のアドバイザーである
Mavilaの家にホームスティをさせていただきました。
カトマンズの中心地から、バスで50分。私たちが訪れたB校である
Ujjwal Shishu Niketan Academyへ行く途中に彼女の家はありました。
振り返ると10日以上も様々なプログラムを通して協働をしているKORCのメンバー達が、
毎日どのような生活をおくっているのかについて十分に理解する時間が十分になかったように思います。
そうした意味では、このホームスティで一生の友達といってもよい位、
大切にしたいスカウトの友達を見つけることができました。
ここで、Mavilaについて話をしたいと思います。Mavilaは、ネパールで最難関といわれている
Tribhuvan Universityに通う博士課程の学生です。動物遺伝子学を専攻しており、
2年後に日本か韓国に留学に行きたいと語ってくれました。
バスに50分ほど揺られる中で彼女の毎日の生活について話を聞きました。
大学院に通いながら教師として中学生に対して勉強を教えていること、3人の姉妹がいること、
バスから見えた仏像をみて指をさしては、ヒンドゥー教徒が信じている
神様について1人1人隈なく説明してくれました。
KORCメンバーは毎日当たり前のように私たちの滞在するホテルまで
お迎えにきてくれていますが、そのためには様々な地方から
30分かけて徒歩で歩いてきてくれたり、
Maivilaのようにバスで50分かけてきてくれていることに今更ながら感動しました。
彼女の家につくとお母さんあと2人の妹、
そして日本で働いてい叔父を様をもつMavilaの叔母さんと甥っ子さんが歓迎してくれました。
その日の晩御飯は、ネパールの伝統料理であるダルバードでした。
ここで1番驚いたのは、家が煉瓦と土でできていたことです。
台所にガスはあるのですが、家族が団欒を楽しむダイニングテーブルはありませんでした。
1名だけが掛けられる机と椅子に私は招かられ、その他の皆さんは立ちながらご飯を食べていたのです。
日本では当たり前だと思っていたことも、そうではないことを知ることが出来ました。
また、夕食を食べ終わると、食器を洗うのですが台所は家の中になく、お庭でお皿を一緒に洗いました。
4畳ほどの部屋に戻り、Mavilaと時間が許す限り語り合いました。
9.11の話やアフガン戦争の話からはじまり、今のクリミア問題について
どう考えるのか、お互いの素直な意見をぶつけあいました。
世界中には解決困難な問題があり、それと同じ数だけ人々の視点や価値観も異なります。
しかし、国も言葉も文化も違う中でこれほど価値観が合うスカウトと
出会ったのはスカウト人生初めてでかなりの衝撃を受けました。
価値観の共感の理由は一概に一つに絞ることはできませんが、
そのひとつとしてネパールと日本の文化の類似性に共通項を感じました。
ネパールも日本も隣国にそれぞれインド、中国という国との関係性があり
その隣国とどのように外交を行っていくべきであるのかが共通の課題です。
日本は島国として独自の文化を保ってきたところに人々の寛容さが根付いていますが
ネパールはそうではありません。ネパールが王国であった時代に、市民戦争が起こり
その際にアメリカが介入しようとしましたが、それを断ったことによって国が建国し
多民族も受け入れる寛容さを身につけて国民が成長したのだとMavilaは語ってくれました。
このように、ネパールという国がどのようにして生まれたのか、
王様は何をネパール国民に施したのか、そこにはどのような神話があるのかといった
国家についての話からアジア・世界の話まで、意見を素直に伝え合いました。
意見の相違があったとしてもそれを受け入れあう寛容さが彼女にはあり、
彼女の魅力に更に取り憑かれ入った1日でした。
夜中まで話はつきず、床入りしましたがMavilaは朝5:00に起きて
屋外で手洗いで家族の洗濯物を粛々と行っていました。
ホテルに向かう帰りのバスの中でも話は尽きず、
話せるだけ彼女と話すことに集中し、向き合いました。
このホームスティを通して私が得た新たな価値観は
”Eliminate the dominance of powerful nations over minority countries”ということです。
この状況を知るためには、そこに暮らす人々の価値観に触れないと
知ることができないのだと見に染みて感じました。
各クルーはそれぞれの家で最高の経験を得たようです。
この絆を強みに明日行われる評価会議での活発な会議に期待したいです。
NPJ2014 11日目 <ハイアドベンチャーinチトワン2日目>
チトワンに到着して、2日目を迎えました。
朝6:00に起床し、チトワン国立公園に向かいました。
舗装されていない道路の上を、インディージョーンズを連想させるような
風景をバックにトラック一台に15人全員乗り込んで移動しました。
到着すると、まずカヌーで川を下りました。
至る所に、ワニの頭が見えます。
ガイドさん曰く、時期によってワニが活発になっている時は、
カヌーで川を下ることは厳しいそうです。
「どんな動物に会えるかは、運次第なんだよ。
何に会えるかは、時によって全然違うんだ。」とガイドさんは言っていました。
30分程カヌーに乗り、岸に到着すると、ジャングルを一時間半程探検しました。
歩いていると、カバ、豚、クジャク、モモンガ、象に遭遇します。
人間を見るととっさに逃げる鹿の群れの姿を見て、
「まるでライオンキングみたい」とクルーたちは目を丸くしていました。
昼食をとり、次のプログラムへ。
クルー念願の象にのる体験です。
ゾウから見える景色はこのようなものです。
西には地平線と共に赤く輝く夕日と
ジャングルに流れる川には、私たちが乗る
ゾウの影が水面にくっきりと映っていました。
時空が一瞬とまったような、私たちも動物になった気分でした。
この掲示板があるとも知らずに、人生初体験のゾウのジャングルウォッチに
臨んだ私たちは、ゾウに乗った瞬間から大声をあげて
ゾウから見えるチトワンの大自然を体で感じました。
この興奮はおさまらず、各クルーは大きな声で歌をうたったり、五感で
この喜びを表現したあまりに、ゾウも仲間に加わったのか
山と空とそこに息づく動物意外何もないこのジャングルの中で
ゾウが「パオーン」と声をあげたのです。
すると、他のゾウもパーンと声を上げ
ゾウはいきなり突進をしたり、まわりのゾウの元へ走ったりと暴れだしました。
いままで、大きな足でゆっくりと私たちを楽しませてくれていた
ゾウから、大きな足を武器に私たち人間を振り落とすかのような身振りを始めたのです。
思わず私たちも正気を失った瞬間でした。
これは、ゾウの喜びの声なのか怒りの声なのか私たちはわかりませんが
きっと私たちがゾウの上に乗って歌った「ぞうさん」の歌声に対する
ありがとうの喜びの声だったと思っています。
以上、2日目のハイアドベンチャーの報告でした。
NPJ2014 10日目 <ハイアドベンチャーinチトワン1日目>
私たちは今、ネパールの南部に位置するチトワンに来ています。
チトワンは、ジャングルを保護する目的で設置された自然公園であり、
1984年より世界遺産登録されている、チトワン国立公園で有名な観光地です。
国立公園が存在するだけあり、見渡す限り、バナナの木や田栄風景、ジャングルなど自然が豊富な場所です。
日本のクルー全員12名と、ネパールスカウトKORCのメンバーから、
3名でカトマンズからバスに7時間揺られながら、チトワンにやってきました。
バスに一時間乗っていると、カトマンズのにぎやかな町並みとは全く異なる、山々が広がっています。
「チトワンに到着すると、ジワッとした空気に包まれた。」
標高50-200mのチトワンの亜熱帯気候を「沖縄に来たみたい。」と表現するクルーもいました。
7:00にチトワンを出発して、到着したのは17:00。
この日は、ホテル周囲を少し散策してから、地元の方々のダンスのショーを見てから、一日を終えました。
明日は、象に乗ったり、国立公園をトレッキングしたり、カヤッキングをしたりを予定しています。
少しホテルの周りを歩いただけでも、像、バッファロー、鹿などたくさんの動物を目にしているので、明日どんな自然に触れ、どんな動物たちに会えるのか、とても楽しみです。
NPJ2014 9日目<KORCプログラムと中間報告>
プロジェクトの折り返し地点となりました。
今日は、私たちのカウターパートであるKORC主導の企画
“SCOUTS GO GREEN”が行われました。
本プロジェクトの中間報告も一緒に御覧ください。
私たちは、15日間の滞在を通して
ごみ問題に関する5つのプログラムを行っています。
1.レクチャープログラム(9月4日実施)
ごみはなぜ有害なのか、ごみの削減に対し私たちには何ができるのか
基本的な知識をJyoti Academy、Ujjwal Shishu Niketan Academy の
生徒たちとディスカッションを行いました。
このフローチャートが示すように、
ディスカッションを通して、ごみ問題の解決には
効率のよい分別を行うことの重要性を生徒たちに訴えかけました。
2.分別学習プログラム(9月7日実施)
この分別の重要性を身近なところから生徒たちに
理解してもらうために、校内・郊外にてごみ拾いを行いました。
そして、燃えるごみと燃えないごみの分別を行い、
今後の生活に分別の意識を常にもってもらうために
各教室をまわり、燃えるごみと燃えないごみのごみ箱を設置しました。
3.燃えるごみプログラム(9月7日実施)
分別学習を通して、燃えるごみと燃えないごみの分別の重要性を伝えた後に、
この燃えるごみと燃えないごみの行方について説明しました。
日本から購入し、各学校に寄贈した焼却炉を使用して、
燃えるごみを正しく焼却すると、灰ができることを生徒たちと一緒に学びました。
4.生ごみプログラム(9月4日実施)
私たちが生きて行きために必要な食糧の残り物はどうなってしまうのでしょうか。
レクチャープログラムと燃えるごみプロフラムを通して
食べ残しは、「コンポスター」を利用することで
食べ残しが土の中で分解され肥料になることを伝えました。
実際にケータリングで用意した昼食の残り物をコンポスターに入れ、
毎日経過観察を行っています。(9月10日現在、投入した残り物は全て分解していました)
分解しきれない大きなごみは焼却炉で燃やすことができることも、
可燃ごみプログラムで伝えました。
このように、4つのプログラムを通して
わたしたちが生み出した「ごみ」を効率よく
処理する方法を学んでいきました。
そして9月15日に行われる最後のプログラムが
5.リサイクル肥料プログラム です。
可燃ごみプログラムで生み出された灰と、
食べ残しがコンポスターによって分解された肥料を用いて
生徒たちと一緒に花壇をつくり、植木を植えるプログラムです。
これらの5つのプログラムを我々Pax IV Hyper が企画し
ネパールのカウンターパートであるKORCと協働してきました。
しかし、これだけでは子ども達に正しい「ごみ問題」の解決に向けた
環境保全活動を行ったとは言えません。
「燃えないごみ」の存在があるためです。
燃えないごみは、コンポスターでも分解されず、焼却炉に入れてしまうと
有害なダイオキシンが発生していしまいます。
実際に私たちがネパールに訪れてから最も衝撃を受けたのは、
燃えないごみの存在でした。
町中に、人々が捨てるプラスティックのごみ、店の前で
スナックを食べ、何事もなかったかのように道端にごみを捨てる人々。
それは、ごみを捨てるという習慣が文化として根付いていない
ネパールの独自性によるものでもありますが、
つまるところ1番の問題は、燃えないごみを埋め立てする
システムが政府によって政策化されていないことなのです。
日本は幸い、埋め立て場があり、
私たちは当たり前のように、プラスチックのごみを
ごみ箱に捨てていますが、ごみは分解されず
私たちの見たことのないような埋立地に運ばれ誰かが
今日も、このプラスチックなどの不燃ごみを埋め立てているのです。
つまり、燃えないごみの処理方法は埋め立てることしかできないのです。
私たちはこの燃えないごみの処理方法について
ネパールに滞在してから何度も何度も議論を重ねてきました。
燃えないごみが処理されない現状をネパール国民は
第一に知っているのにもかかわらず、日本人である私たちが
これらのプログラムを行うことは、価値観の強要にならないのか…。
まだ、答えは見つかっておりません。
ですが私たちができる唯一の解決策として発案したのが
KORC主導の SCOUTS GO GREEN プログラムでした。
まず、プラスチックがなぜ焼却すると有害なのか
なぜ、分解されないのかについて子ども達とディスカッションをしながら
理解を深めていきました。
次に、世界中で行われている燃えないごみの処理方法を紹介します。
子ども達は、目を丸くさせてKORCのプレゼンテーションに
耳を傾けていました。
最後に、子ども達と一緒に
“NO MORE PLASTIC BAG”と何度も掛け声を掛け
教室が生徒たちの声で共鳴しました。
そしてこのエコバックを生徒に配布し
ビニール袋をできるだけ使用せずエコバックを利用してもらうことを呼びかけました。
KORCメンバーの1人であるSarunが、このプロジェクトについてこう語っています。
I think today was a really tiring yet fun and fruitful day: the KORC scouts go green project. Facilitated by Mavila Khadka from KORC the presentation was really influential as it contained shocking facts and was in Nepali language so there was no question of confusion. Students also took an informal oath to not use plastic bags in days to come or at least minimize it. As I stated earlier it was really tiring yet fun and fruitful day.
このように、最も解決方法が困難である燃えないごみに
焦点をあてたプログラムをネパールで生まれ育ったKORCクルー達が
主導で行えたことが、何よりの生徒たちの理解度の向上に繋がったのではないのでしょうか。
明日に行われるリサイクル肥料プログラムに向けて
全力でプロジェクトに向き合いたいです。
引き続き、応援のほどよろしくお願い致します。
NPJ2014 8日目 <プログラム準備日>
ネパールにきて8日目が経ちました。
クルーは、毎日の業務をこなしつつ
自然とネパールの生活に馴染んできています。
今日はプログラムはなく、ゆったりとした朝を迎えることができました。
7:00から制服制帽で集合し、朝礼を行いました。
Bグループはその後、Bグループは、Ujjwal Shishu Niketan Academyの
校長先生のお宅へお邪魔しました。
アパートの最上階にある校長先生のお宅は
黄緑や水色で壁が装飾され、現代風のお宅でした。
小学生のお子様2名と奥様に迎えられ、この上ないおもてなしを賜りました。
まるでお正月のようなご馳走で、クルー1人1人も感激しています。
毎日外食で食事をする私たちにとって、この手作りのお料理が
一番体のエネルギーになったに違いありません。
ネパールに対する教育制度のお話やネパールの気候、
このプログラムについて意見交換をすることができました。
ネパールのどのような点が大好きですか?
ー私は、ネパールに生まれたからネパールの全てが好きだ。
このような価値観に触れて、私たちも日本での日々を振り返りました。
私たちがこの学校を訪れてから何でも受け入れ、
「日本の価値を日本の魅力を私たちに是非教えて欲しい」
と熱い眼差しでおっしゃる校長先生の姿をみて私たちは
一種の危機感とそしてこのプロジェクトへの覚悟が生まれたことを思い出します。
全力でぶつかってくるネパールの学生1人1人に私たちクルーも全力で向き合うと決めたのです。
レクチャーのプログラムでは、ネパールの学生の優秀さに圧倒され
レクチャーの内容をより高度なものへと変えようかとまで話し合いました。
しかし、今私たちが伝えたい「ごみ問題について一緒に考える」姿勢を
第一にもてたことが彼等への理解度に直に繋がったのだと確信しています。
ディスカッションがよりよいものへなったり、分別学習が無事に
終えられたのは、第一にこのDilman校長先生の人望とそこで学ぶ
生徒たちの純粋な気持ちがあったからにほかなりません。
この感謝の心を忘れずに、残りのプログラムもクルー1人1人全力で
向き合っていきたいと思っております。
NPJ2014 7日目 <分別学習:B校>
■本多昌希
9月7日に12時15分からUjjwal Shishu Niketan Academy にて行われたこのプログラムの目的は、
ネパールの学校の生徒に正しいゴミ分別の習慣をつけさせることでした。
このプログラムを通して、生徒たちがレクチャーで習ったごみ分別に関する内容を覚えているかどうかを測り、
生徒が校内でごみ分別をできるようにすることを目標としました。
まず、ごみ拾いを実施しました。
競争形式でごみ拾いを実施することで生徒たちの意欲度を観察しました。
案の定、生徒たちは夢中でごみ拾いを行っており、非常に楽しそうでした。ごみの量も、予想していた各グループビニール袋3個分を上回る量を集めてくれました。
大きなごみを拾っては、“Is this burnable garbage?”
とKORCと我々のもとへ走って尋ねてはすぐ去っていくのです。
焼却炉の周囲等の危険な場所でのスタッフの監視が足らずに、生徒が多く侵入してしまいました。そのため、危険な場所に生徒が入ってしまった場合の対策方法や監視人数を細かく設定しておく必要があったと反省しています。
ゴミ分別終了の合図と共に、生徒を一斉に集めました。
生徒たちが分別を間違えた数を数え、グループごとの平均を集計しました。結果は、Aグループは1ミス、Bグループが0ミス、Cグループは1ミス、Dグループは13ミスでした。
続いて、教室へごみ箱を設置しました。
生徒とスタッフが2つに分かれて学校の各教室を周りながら
ごみ箱とごみの分別表を設置しました。
この分別学習プログラムでは分別を実際に行う環境を整えることを第一に取り組むべきだと感じました。結果としてごみ拾いとごみ箱の設置にかけた時間は30分でしたが、ごみ箱を設置する等のごみ拾いの環境を整える作業の方を多く時間をとり、その環境整備を評価できるような目標を立てるべきでした。
それでも生徒たちは、目の前にあるごみを拾うことで
“I am so happy because my school is clean.”
(学校が綺麗になると幸せになる)と語ってくれるように
生徒1人1人の意識レベルを改善する目的は達成できたと考えています。
このプログラムの目的は、生徒たちにごみを捨てる習慣をつけさせることです。これからも引き続き、①KORCが配布したエコバックを利用しているか②ごみを分別してごみ箱に捨てているかを隈なく経過観察したいと思います。
NPJ2014 7日目 <分別学習:A校>
7日目に行われた可燃ごみプログラムにつづいて
分別学習プログラムの報告をいたします。
■分別学習プログラム
塙 健太
Aグループでは、Jyoti Academyの生徒に、ごみ拾い・ごみの分別・可燃ごみ、不燃ごみのごみ箱設置の3つの活動を行いました。
このプログラムの目的は、生徒たちに正しいごみ分別の習慣を身につけてもらうことでした。
9月5日に行ったごみの分別に関するレクチャーを生徒たちがどれほど
理解したのかをごみ分別学習を通して確認することが狙いでした。
具体的には、ごみ拾い・ごみ分別は4つのエリアを設置し4グループで行いました。
分別を間違えた数が各グループとも5つを超えたら目標未達成と設定しました。
まず生徒を校庭に集めごみ拾いの説明を行い、ビニール袋、トング、マスク、ごみ手袋を支給しました。
生徒を4つのチームに分けて各グループことに指定されたエリアでごみ拾い(可燃、不燃分けて)を行いました。
生徒たちは、ごみを見つけては私たちのもとへ駆けつけ、
“We found such a big garbage!”(こんな大きなごみをみつけたよ!)
と、笑顔で話してくれたことが印象に残っています。
私たちが訪れたJyoti Academyの校庭は小さな公園ほどの
非常に狭い場所でしたが、そこには生徒たちの活気と笑顔で満ち溢れていました。
私は統括する立場だったため、それぞれのグループに寄り添ってごみ拾いを
行うことはできませんでしたが、どのグループも積極的に
ごみ拾いに取り組み、適切にごみを可燃、不燃に分別していました。
時間も正午を過ぎ、カトマンズの気温も30度近くまで上昇し
私たちやKORCは、強い太陽の日差しに耐えることで精一杯でしたが
彼等の笑顔をみるといつしか私たちも彼等に混ざっていきました。
その後グループごとに分別の確認を行い、全体でごみをまとめました。
合計で可燃ごみが10袋、不燃ごみは30袋集めることができました。
分別学習結果はグループAが4個、グループBが8個、グループCが15個、グループDが0個という結果でした。
間違いが見受けられたのは紙か銀紙か見分けのつきにくいようなものばかりだったので、
具体的に5つ以上の間違いを目標未達成とすることは適切で無いと判断しました。
またこのプログラムの目的は生徒に習慣をつけさせることであり、
この1回の活動のみではこの目的は達成できないと考えています。
そこで、校長先生にはごみ拾い分別委員会の設置を要請しました。
また具体的な説明書(週1回全員でごみ拾いを行うように促す役割やごみ拾いは教室に設置したごみ箱と学校に提供したトングで行ってもらう等)を学校側に送りました。この委員会の設置により生徒にごみ拾い、分別を継続して行ってもらうことで目的の達成を目指したいと考えています。
このプログラムを通して感じたことは、
「できないことは存在しない」ということです。
私は初めて校庭を見たとき、校庭のそこら中に散らばるごみをみて哀惜の念に駆られました。
彼等の遊び場所である校庭を守りたいとさえ思いました。
しかし、休み時間になると生徒たちはごみで一杯の校庭で
当たり前のように遊んでいたのです。
この瞬間、このごみ問題への事の重大さを身をもって感じました。
それでも、たった30分のごみ拾いで
これだけ綺麗な校庭に変われるだということを
子ども達と同じ時間を共有することができて今は達成感に満ち溢れています。この分別学習のような根本的な意識の改善が、
活動や焼却炉の設置によって改善されることを強く信じています。
NPJ2014 7日目<可燃ごみプログラム:A校>
7日目。分別学習の後に行われた、可燃ごみプログラムについて報告します。
今日は、A校であるJyoti Academy で行われた可燃ゴミプログラムについて報告します。
■可燃ごみプログラム
担当:小熊 悠輝
私たちは、B校と同様に現地の学校に持続的なごみ処理機能、
習慣付けさせることを目的として、プログラムを行いました。
そのため、ネパールの学校に焼却炉を1基導入し、分別学習で集めた可燃ごみを焼却しました。
併せて、生徒に対して焼却炉と可燃ごみについての理解を促すことを、プログラムの軸として進めました。
当日、まず可燃ごみの焼却炉を用いた焼却についてプレゼンテーションを行い、
後に生徒の前で実際に焼却を行いました。
集まってくれた生徒は小6〜高1までの約90名程。
英語力にも学年によって差があるため
KORCのメンバーにネパール語訳をお願いしながらプレゼンテーションは進んでいきました。
プレゼンテーションの後、可燃ごみを焼却した際、
事前に行った分別学習で集めた可燃ごみ10袋の内、
45Lサイズごみ袋で4袋分を焼却しました。
ごみに着火すると、生徒たちは大きく目を見開き、「おお!」と歓声があがったことを覚えています。
焼却炉の手配について、購入先は2010、2011、2013年と引き続きモキ製作所に購入の依頼をしました。
プログラム当日、生徒たちの前で着火したとき、
手配のためにモキ製作所の社長と直接電話をし購入をしたこと。
ネパールで自社の焼却炉が使われることに対し、大変喜んでくださったこと。
それらのプロセスを経てこうして生徒たちの前で着火できること。
一つ一つ、つながりがあってこそプロジェクトであると実感しました。
生徒たちの帰宅時間の関係から、焼却の後フィードバックシートを配布し
後日回収することを先生方と確認し、プログラムは終了しました。
実際にプレゼンテーションを行うと、自分自身が「相手は知っているだろう」と
勝手に予測していたことに対してのより細かい説明を求められたり、
逆に自分がより説明が必要だろうと予測していた事柄に対しての基礎知識が固められていたり…。
相手の理解度をプレゼンテーションの中で、反応を見ながら絶えず確認し、柔軟に対応することの必要性を痛感しました。
僕たちは今回、ネパールのごみ問題に向き合うにあたり、出来ることの一つとして、焼却炉を日本から持ち運びました。
しかし、持ち込まれた技術に対する現地の人々の理解なくしては、技術は活かされないということも痛感しています。
信号やバレーボールコートなど、作られてはいるけど、使われていない技術を、ネパールに来てから多く目にします。
もちろん、社会全体の理解を仰ぐことができたなら、即効性のある解決につながるのかもしれません。
しかし、自分たちが今まで築き上げてきた価値観により生きている大人に対して発信し、理解を得ようとすることは必ずしも簡単なことではありません。
そのため、未来を担うだろうピュアな子どもたちに対して、直接焼却炉の使い方や意義を理解してもらうことの重要性を感じています。
15日に控えているリサイクルについてのプログラムも引き続き、生徒たちと真剣に向き合いながら活動していきたいと思います。