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タグアーカイブ: Nepal
In & Out
大学の恩師に学生時代に言われた。学生時代はひたすら吸収(input)する。社会人はひたすら消費(output)する。だから、社会人になっても意識的に吸収するように心がけるべしと。もちろん日々の業務の中で勉強すること・学ぶことも多いが、相対的には消費・浪費の方が多い気がする。ボーイスカウト活動でもたまに感じる。現役を退き指導者となると、指導する・教えることはあっても、教わることは少ない。子供達を見ていて学ぶことは多いが、現役時代ほど知識や技術を吸収しているようには思えない。
しかし、何かを作り出す過程(output)で学ぶこと(input)は増えた。そもそも学生時代にはあまり作るという作業をせずに、既存のものに参加・利用することが多く、自らこしらえるということは少なかった。今ではそれも変わり、平日でも休日でも大抵何かを作っている。このBlogへの書き込みもそのうちの一つだし、ネパール/モンゴルプロジェクトもそう。モノづくりが好きなのは日本人としてのDNAか。しかし、産みの苦しみもたまに味わう。何かを作り出すにはエネルギーが必要だから。
ということで、今後もInとOutのバランスを大切にしていこうと思っている。InもOutもなくなったら、流れの無くなった水と一緒で、腐ってしまいそうだから。
ボーイスカウトと環境再生保全機構の関係
ボーイスカウト日本連盟主催のバングラデシュ派遣に参加したメンバーの数人が、年度は違うものの、独立行政法人環境再生保全機構の地球環境市民大学校海外研修に参加しています。O君はつい最近、研修生としての内定を取り、8・9月に参加する予定です。
僕:平成11年度 海外派遣研修(ネパール・バングラデシュ短期コース)
T君:平成14年度 海外派遣研修(ミャンマー長期コース)
I君:平成14年度 海外派遣研修(マレーシア短期コース)
O君:平成17年度 海外派遣研修(東ティモール・インドネシアコース)
上記4人ともバングラデシュ派遣では中心的に活躍し、開発協力・援助・NPO等にさらなる興味を持ち、これらの派遣に参加しています。ボーイスカウトというある意味閉じられていて、青少年を中心とした活動ではなく、大人が専門的に活動をしているNPOの実践例を実際に視察・勉強できるこれらの研修は、我々にとっては本当に良い経験・勉強になります。これら研修で学んだことを、ボーイスカウトの活動にフィードバックをかけられれば、我々としてもさらなる活動の高度化・充実が望めるのではないでしょうか。
ボーイスカウトでの活動をきっかけにさらなる高みに進む具体例として紹介させていただきました。
日本のローバースカウトとUN Millennium Development Goals
前回のエントリーにおいて、9th World Scout Youth Forumにおける一つのセッションが、UN Millennium Development Goalsをにおけるスカウトの役割を扱っていることについて紹介した。UN Millennium Development Goalsとは、国連に加盟している191の国々が2015年までに解決すべき項目を挙げたものである。項目には8つあり、それぞれ以下の通りである。
1, Eradicate extreme poverty and hunger(飢えと貧困の根絶)
2, Achieve universal primary education(初等教育の達成)
3, Promote gender equality and empower women(男女同権、女性の権利強化)
4, Reduce child mortality(子供の死亡率の低下)
5, Improve maternal health(妊婦の健康の改善)
6, Combat HIV/AIDS, malaria and other diseases(HIV/エイズやマラリア等の撲滅)
7, Ensure environmental sustainability(持続可能な環境の確保)
8, Develop a global partnership for development(開発に向けて世界的な協調の確立)
以上の目標を見てみてると、1,2,4,5,6についてはすでに日本国内ではほぼ解決されている問題であり(完全ではないかもしれないが)、日本での問題と世界的な問題の違いがこの8項からもよく見て取れる。したがって、世界スカウト会議や世界ユースフォーラムへの参加者がこれらの事項についてある程度の勉強をしていかない限り、普段接していない問題であることから、建設的な議論・意見が出来ないと予想される。
ただし、国際協力プロジェクトに関わっている日本のローバースカウトにとっては、貧困、女性、健康、環境等についてはバングラデシュ、ネパール、モンゴル、フィリピン等のプロジェクトで実際に取り組んでいるのそんなに別世界での議論にもならない。特に今回ユースフォーラムに参加する5人のローバースカウト中4人は上記のいずれかの国際協力プロジェクトに参加したスカウト達なので議論をするだけの経験は持っている。
(2004年の慶應義塾大学ローバースモンゴルプロジェクトにおける、母子家庭を対象とした石鹸作り講座の様子。石鹸を家庭で自ら作ることにより、衛生の確保を行うとともに、石鹸を外部から買う必要をなくし、経済的な負担も減少させることを目標としている)
日本のローバースカウトは過去約8年にわたり、毎年何かしらの国際協力プロジェクトをアジアの他国と共同で行ってきた。世界ユースフォーラムにおいて、活躍するのは言葉の問題や、日本人の性格的にも、そう簡単にいかないとは思うが、せめて世界スカウト会議に参加する日本連盟の幹部の方にアピールし、日本のローバー⇒日本連盟⇒世界スカウト会議という流れも利用していただきたいと思う。
報告:ネパール皇太子に接見
昨日、ボーイスカウト日本連盟の役職者とともにPax IV Hyperのメンバーの一人が、過去にネパールにてプロジェクトをやっていたという位置づけで、現在来日中のネパール皇太子にお会いしてきました。以下がその参加者のコメントなのですが、ネパールでは王家の方もスカウト活動をよく認知しており、さらに具体的な施設名・プロジェクト名でも話が出来るぐらいスカウト活動に精通しているようでした。
「皇太子殿下はとても気さくな方で、私たちのネパールでの活動にとても興味を示していただけました。ナショナルトレーニングセンターのことやカカニのトレーニング施設のことなどもお話されていました。
緊張をしていたこともあり、つたない英語ではありましたが、ネパール皇太子殿下と私どものスカウティングについてお話をすることができ、とても貴重な体験となりました。」
最近、ネパールでの治安も回復に向かっているようで(外務省安全情報が以前より引き下げされており、「十分注意してください」になっています)、冬もしくは来夏にはネパールプロジェクトが復活できるといいなぁと思っています。
追加情報:日本連盟の事務局ニュースにも載っていました。
進捗報告:モンゴルプロジェクト
もう2ヶ月前くらいになりますが、パックスによるネパールプロジェクトは今夏は中止になり、もともと慶應義塾大学ローバースが主催していたモンゴルプロジェクトにパックスも参加すると書き込みをしました。その後状況が2転3転し、今年は慶應ローバース主催のモンゴルプロジェクトは無くなり、モンゴルプロジェクトはパックス主催になることになりました。
(モンゴルの首都ウランバートルの様子)
派遣クルーはすでに編成され、今のところ14人のローバースカウトが9月の上旬に実施予定のモンゴルプロジェクトに参加を予定しています。プロジェクト内容も現在準備・検討中で、水質調査、ごみ、せっけん作り、植林、ハイアドベンチャー等について議論・検討を進めています。
また、今回は現地までの交通手段についても例年とは違う方法を使おうともしており、一部の派遣クルーは、日本海を船で渡り、ロシアのウラジオストックからモンゴルのウランバートルへ鉄道で移動しようと調査中です。
次回の進捗報告では、プロジェクト内容についてもう1歩踏み込んでご紹介できたらと思っています。
報告:慶應義塾大学看護医療学部にて授業内講演
昨日、神奈川県藤沢市にキャンパスのある慶應義塾大学看護医療学部のある授業にて、45分間の講演をさせていただきました。講演内容は「ボーイスカウトによるバングラデシュの保健衛生啓蒙活動」と「Pax IV Hyperによるネパールでの自然保全活動」で、特にその中でも異文化コミュニケーションを強調して話をしました。対象は看護医療学部の学生約5,60人で、ほとんどが1年生でした。
看護医療学部の学生なので、海外での医療事情、ボランティア事情に対する興味は強いようで、真剣に聞いてくれていたように思います。そこでやはり思ったのは、このように興味を持ってくれる学生に対する日常的な情報提供・活動報告の場の必要性です。現在では、各NGOのWebsiteがあるのかもしれませんが、有効に広報できてないか、もしくはサイト運営がいまいちであまり普及してないのではと思いました。また各NGO等を束ねたり、ポータルになるようなサイトがないのかなぁと思いました(それとも僕が知らないだけかもしれません)。誰かが講演に行かないと、新鮮な情報にたどり着けないというのは、WEBの利点を生かせてないなぁと。
もし、こちらをご覧の方で、日常的に閲覧している、環境や国際医療に関するサイトがありましたら、紹介していただけると幸いです。私としても見てみたいので。
ちなみに私は本日から休暇で、一週間アメリカに行きます。アメリカからも何か書き込みができればなぁとも思ってます。
スカウトによる地域開発活動の強み
昨日は、ボーイスカウトと国連組織や助成財団とのコラボレーション、そして保健・医療活動がボーイスカウトの完全な専門外ではないことについて書きました。今日はもう少し具体的にボーイスカウトが地域開発プロジェクトをやる際の強みは何なのかについて考察してみたいと思います。
(ボーイスカウトのネパールにおける環境保全活動)
■1、地域密着・自助努力推進
これは昨日も書きましたが、発展途上国で活動する際は通常は現地のベンチャー・ローバーを巻き込んで活動します。そうすることにより、外国のローバーが去った後も、現地のローバーと村人の間でプロジェクトを継続することが出来るからです。持続可能な開発という意味では、村人を一定期間教育する活動よりも、そもそも活動のカウンターパートが現地住民だということはすごい強みになると思います。
■2、子供から大人への教育
ボーイスカウトは子供の扱いがうまいです。そして現地の子供を教育することはうまいはずです。そしてその子供達が家に帰って、両親等に影響を与えます。構図としては外国からの支援スカウト⇒現地のスカウト/子供⇒スカウト/子供の両親という知識・技術の流れになります。もちろん外国からの支援スカウト⇒両親という直接的な活動もありますが、知識や技術の定着度合いや、心情的な近さを考えると、子供から大人の教育というのも効果的なのかなと思います。
■3、政府の協力
発展途上国において、現地のスカウト+外国のスカウトで活動をすると、日本でするのより、世間や政府が我々を取り扱うレベルが異なってきます。海外のスカウトが現地で活動するだけで、普通に新聞に載るほどのニュースになったりします。したがって、中央政府や地域公共団体等の協力も得やすいのです。さらにこれが子供を巻き込んだボーイスカウトともなると、政府としても予算をつけやすかったり、威張れるようで、とにかく金銭的・得られる協力において、都合が良いのです。
以上、国によっても状況が違ったり、活動内容によっても強みは変わるとは思いますが、過去数年間発展途上国におけるスカウト活動を見てきてのメリットを挙げさせていただきました。ご意見(反対意見も)お待ちしております。
Pax IV Hyper join Mongolia Project of Keio Rovers.
ネパールでの治安回復が進まず(現地ローバーの話ではすでに回復しているが、外務省等の指標ではまだ危険な状態とのこと)、我々のネパールプロジェクトの実施は今年も難しいとの判断をした。その代わりと言ったら失礼だが、今夏は慶應ローバースの主催するモンゴルプロジェクトにPax IV Hyperからも参加させて頂くことになった。
そもそも今年のモンゴルプロジェクトについては、慶應ローバース側においても経験者の参加数の少なさ、昨年以来続く初心者を中心とした企画・計画により発生するプロジェクトの内容的深度の浅さ等に問題があった。またPax IV Hyper側においては治安問題による数度のネパールプロジェクト実施の中止、その中止に伴う国際協力プロジェクトを経験する人材の減少等の問題があった。双方の問題を解決し、そして新しいプロジェクトを作り上げたいという思惑で、今回のコラボレーションに至った。
双方ともに学生団体、任意団体であり、組織としては強い哲学、規範を持っていないと思いきや、ミーティング等で話を聞いていると1,2年ではあるが各スカウトのバックグラウンドが異なることによる意見や態度の差が見て取れるのは面白かった。
まずは今回の投稿では、Pax IV Hyperによる今夏のネパールプロジェクトが中止になることと、モンゴルプロジェクトの実施予定の連絡までにしておく。今夏のモンゴルプロジェクトについては今後クルーによるウェブサイト等も出来る予定で、こちらでも進捗状況を報告していきたいと思う。
平成17年度ボーイスカウト埼玉県連盟国際セミナー
平成17年度ボーイスカウト埼玉県連盟国際セミナーに参加が決まりました。
まだメンバーにより企画・計画中ですが、現在のところ以下のような当日スケジュールを準備中です。
■1. 世界とボーイスカウト 〜導入:世界って広いのだね〜
■2. Pax IV Hyper独自の海外派遣 〜派遣のいろは:ネパール派遣〜
■3. 他にもあるのよ海外派遣 〜違いをみよう:バングラ派遣〜
■4. 海外派遣ってさ、どうなのよ? 〜パネルディスカッション〜
■5. 派遣だけじゃないよ国際って 〜こんなチャンスもあるんだよ〜
■6. 最後に 〜Pax IV Hyper代表から〜
是非、皆さんからの事前の意見・質問等を頂けたらと思います。本番までにブラッシュアップして、セミナー本番をより良いものにしていきたいと思っています。
愛・地球博に行って来ました
昨日、愛知県で開催中の愛・地球博に行って来ました。朝5時に起きて、会場には9時半ぐらいにつき、その後夜21時ぐらいまでひたすらいろんなパビリオンをみて回りました。ただし、メジャーな企業パビリオンには一つも入れなかった/入らなかったです。トヨタのパビリオンなんかは僕が会場に着いた時点ですでに一日分の整理券の配布が終了してましたし、他のパビリオンも3時間待ちとかだったのです。それでも「グローバルハウス ブルーホール」、「長久手日本館」「JR東海超電導リニア館」等、特に行きたかったパビリオンには入ることが出来ました。
「グローバルハウス ブルーホール」では、”幅約50m、高さ約10mの2005インチ・シームレススクリーンという世界最大規模の迫力の大画面と、レーザービームを用いた高精細、高解像度による鮮やかな色再現性を誇るシアター。”が見られるのですが、感銘を受けたのはそのディスプレイ技術というよりは、コンテンツのほうでした。世界各地で撮影した映像を環境問題等に絡めてプレゼンテーションしていました。通常、環境問題のプレゼンテーション等は、いかに人間が大量消費・森林伐採をしているか、そしてそのペースが続くと地球はどう危険かという問題提起から入りがちですよね。しかしこのグローバルハウスブルーホールでのプレゼンテーションは、人間がいまどれだけの食物を生産しているか、どのようなエコなエネルギー技術を持っているかというのを紹介し、明るい調子で環境問題について触れていたのです。
環境問題を取り扱うプレゼンでは、マイナスのイメージからスタートして、危機感を煽るという方法しか見たことが無かったので、ポジティブな視点からスタートし、最後も理想像みたいなのを見せて、明るく終わるプレゼンがとても新鮮でした。僕らが取り組んでいるネパール・バングラ・モンゴル・フィリピン等もこのような明るいプレゼンができるのかなぁと考えさせられました。