東京都が2016年のオリンピックを東京に招致しようとしているのと同じように、ボーイスカウト日本連盟が2015年の世界ジャンボリーを山口県に誘致しようとしております。高度成長期における東京オリンピックや、同時期(1971年)に静岡県で開催した第13回世界ジャンボリーと、2015,2016年に日本で開こうとしているこれらのイベントは、、その社会的な役割はかなり異なると思います。個人的には、いまさら日本で開くメリットは少なく、むしろアジアの発展途上国等で、その国+日本の協力といった風に新たな協力体制を作って、途上国で開いたほうが意味がある気がしています。しかし、すでに世界ジャンボリーの誘致活動は始まっており、多額の誘致予算もつけられております。
日本誘致おける日本連盟が掲げるキーワードのうちの一つに、Technology X Traditionというのがあります。確かに、日本は科学技術と伝統の国であるということは、特に外国人にはそのように認識されているのでしょう。しかし、それとジャンボリーをどう結びつけるか、それがあまり考えられてないように感じます。というわけで、簡単に思いつく、Information Technology X Jamboreeで三つ考えてみました。
(単純に、伝統的な歴史構造物への観光プログラムや、技術をベースにしている会社・工場を視察するプログラムを組み込むだけじゃあ、つまらないでしょう)
■1、事前・事後のオンラインコミュニティの生成
これまでも非公式には参加者のコミュニティができていたとは思いますが、それを日本連盟が公式にサポートするというアイデア。事前にジャンボリーにおけるテーマ・課題等を話し合ったり事前研究をすることにより、ジャンボリー本番における教育的効果を高めるとともに、ジャンボリーでできたネットワーク・友人等を事後にもオンライン上でコンタクトが取れるような仕組みを、日本連盟が公式に構築する。具体的には、日本連盟のウェブサイトに、SNS (Social Networking System)もしくはグループウェアを導入し、世界ジャンボリー参加者に対して利用権を与える。
■2、ハイキング・移動キャンプへのGPS・デジタルカメラの導入
特に海外のスカウトは自国から大移動してきます。また、日本国内でも移動すると思いますが、その際にGPS (Global Positioning System)を参加者に持たせ、常に位置情報の軌跡を保存するとともに、デジタルカメラで撮影された写真等も、位置情報別に管理し、事後利用の際の簡便性を確保する。ジャンボリー開催前に、各国派遣団の代表者にGPSを送って、自国から日本までの軌跡を記録してもらったら、世界の仲間達の日本への集まり具合が視覚的にも表現でき、楽しいのではと思いました。
■3、ジャンボリー会場のウェブカメラ等による中継システム
キャンプ場に常時インターネットに接続されているウェブカメラや、各種センサを設置することにより、実際にジャンボリーに参加できないメンバーも、インターネット経由でジャンボリーの雰囲気を味わえるような高臨場感システムを構築する。これは渡航費用的にジャンボリーに参加できない海外のスカウトだけでなく、お子さんをジャンボリーに参加させている親にも有効なシステムになると考えている。
以上のように、とても天気の良い日曜日に、妄想しておりました。元財団法人ボーイスカウト日本連盟理事長・総裁代行のお言葉を引用しておきます。 「まず強い目標を立てる。それを達成するためにあらゆる技術を動員する。できそうだったらやってみようというのとは大きな違いがある。」(井深大)個人的に不安なのは、現在日本連盟で誘致に関連されている方々が、技術に対してどれだけ理解があったり・経験があるかということですかね。 もし井深さんがまだいらっしゃったら、面白い企画になるんでしょうね。