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事後報告:バグマティ川プログラムの報告ーその1ー

バグマティ川プログラムは3日間実施しました。1日目、2日目はフィールドワークを含めたプログラムであり、3日目は協議(フォーラム)を伴うプログラムでした。2007年2月に実施したプログラムのメインプログラムです。このプログラムについては何回かに分けて紹介をさせて頂こうとかんがえています。
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1、大きな誤算
このプログラムを実施する経緯は、2006年3月に実施したネパールでの日本とネパールのスカウトによる準備の話し合いの席で、ネパールスカウトからのプログラムに対するニーズとして都市を流れる河川であり、宗教的には「聖なる川」と位置づけられるバグマティ川が最近、生活排水などが下水処理の充実が遅れている為に、ゴミや水質の悪化が目立つという事よりこの問題に焦点を当てたプログラムの展開をする事をこの会議で決めました。それがバグマティ川プログラムです。その決定より、1年弱をかけて日本クルーはこのプログラムの計画を練ってきました。その中でプログラムの1つのセッションではゴミマップを作るプログラムを実施する事を計画し、ネパールスカウトにメールにて提案をしていました。しかし、現地に2007年2月に渡航し、プロジェクトの最初に行う調整会議において、ネパールスカウトより「ゴミ拾いをする事は意味がない」という回答をもらいました。理由は、ゴミ拾いをしてもその拾った部分のスペースには3日も経てば新しいゴミがそこに捨てられるだろうという事でした。それよりもバグマティ川に植林をして緑の豊かな空間を作っていく事が良いのではという意見を頂きました。
以上の事は、お互いに密な連絡を取ってこなかったという面が露呈した事であったと思います。また、そしてネパールのスカウトと日本のスカウトが河川の付近の環境を豊かなものにしていく事を考えるときに、どの様なアプローチをするかという事がとてもずれていた様に感じます。改めて、他の土地でプログラムを実施する事を考えるときに忠実に現地のニーズを引き出す事の大切さを思い知らされました。結局、ゴミ収集は出来ませんでしたが、調整会議において少しプログラムを組み立てる事が出来、立て直しをする事ができました。

2、プロジェクトWETというプログラムの利用について
今回のプロジェクトでは、河川環境に関する環境教育の「ネタ」として、「Project WET(Water Education for Teachers)」というアクティビティを使用しました。使用した対象者への「受け」も良く、使い易いアクティビティでした。これまではこの様なネタは自分達で議論をして、作ってきましたが、それよりも完成されたアクティビティであったなと思います。最終的には、その様なアクティビティのネタづくりも自分たちの力で出来れば良いと思いますが、今回プロジェクトWETを使用した事は大変良かったと思っています。
また、1つのアクティビティでフリカエリを通して「伝えるべきメッセージ」を短い時間で伝えることが出来た事は、時間調整やセッションの順番の調整が多かった今回のプロジェクトにおいて、汎用性あるセッションであったと思っています。実施した僕らやネパールスカウトにもとても勉強になりました。このプログラムは原隊でのプログラムとしても有効な気がしました。
3、バグマティ川プログラムの今後
今回のバグマティ川プログラムは従来通り環境に関してアクティビティやワークショップを通して伝えたい事を伝えるという教育的な要素の強いプログラムでした。この様なプログラムを継続していく事や醸成させていく事は必要な事であると思います。また、前々回のブログでも紹介したkirtipurでの共同水場の施工などという様な「形に残るプログラム」についてもネパールスカウトよりニーズとして挙っています。ただし、形に残すという事は維持・管理等の問題もあり、中々手を出しにくい分野であると思います。どの様なアプローチをしていくかがネパールのスカウトと日本のスカウトの今後への課題であると感じています。
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(「驚異の旅の実施」ー伝えたいメッセージ:水循環 )

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(「ハンプティダンプティ」ー伝えたいメッセージ:一度壊した自然は直し難い)

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(「塵も積もれば」ー伝えたいメッセージ:ゴミも積もれば、、)


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