スカウティング研究センター事務局の日記さんの記事により、世界ジャンボリー派遣バッグの存在を知りました。この記事のコメントではこのバッグに対して概ね好意的に捉えているように見えますが、私個人的にはどうしても、「あぁ、またかぁ」という印象を持ってしまいました。一言で言って、ださいし、実用的ではなさそう。ボーイスカウト日本連盟から出される備品の多くに同じような印象を持っており、スカウトが活動で使う道具をかっこよくしたり、実用的にしないと、ボーイスカウトのイメージ全体すら落ちかねないと考えているのです。少なくとも、もし自分が世界ジャンボリーに参加するとしても、このバックは使わずに自分のバックパックで参加したいだろうなと考えてました。
ボーイスカウト・バックパックというキーワードでは、グレゴリーの存在は無視できません。先日も、グレゴリー・ブック—バックパック大全という本を読んでいたのですが、世界の冒険家やアメリカの軍隊で使われているバックパックメーカーであるグレゴリーは、そもそもはボーイスカウトのウッドクラフトの一環でいわゆるフレームザックを作ったウェイン・グレゴリーが創業したものであり、ある雑誌ではパックのロールスロイスとすら呼ばれているそうです。上記の本でも、創業者でありボーイスカウトであるウェイン・グレゴリーのインタビューが掲載されており、ボーイスカウトとグレゴリーのパックの深い関係が述べられています。実は、パックスのメンバーでもグレゴリーのバックは人気で、先日新潟に行ったときも3人が同じタイプのグレゴリーのバックを使っていました。
また、今回の派遣バックがダッフルであり、マクドナルドのロゴが入ってるのも気に入りません。僕がカナダ・アメリカに自転車旅行に行ったときも、バングラデシュ・ネパールに国際ボランティアに行ったときも、ダッフルなんて選択肢は無く、常にバックパックでした。自然の中を行動する、両手を自由に使えるようにするという意味で、バックパック以上の選択肢はないと思っています。そして、マックのロゴ。中学生ぐらいまでのスカウトだったら恥ずかしくないのかもしれませんが、高校生以上ではマックのロゴが入ってたら恥ずかしくて使えないのでは?モンベルブランドならまだしも、マックブランドがアウトドア志向の人にとって魅力的なブランドであるだろうか?
ちなみにパックスのネパールプロジェクトにおいても、モンゴルプロジェクトにおいても、プロジェクト実施国で派遣団ジャケットを購入する慣例があり、本物か偽者かはわからないけど(笑)、毎回ノースフェイスのアルパインジャケットを現地で安価でそろえています。 活動の中身の品質を高めるのも大事だし、外見のデザイン・イメージを良くするのも大事だと思います。そんな意味で今回の派遣バックには賛成できないのです(実際に支給されてそれを使わざるを得ない方には申し訳ないですが)。
「パックは背負うのではなく、着るのだ」(ウェイン・グレゴリー、グレゴリー創業者)