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作者アーカイブ: Pax IV Hyper
世界中のGifts for Peace:(世界スカウト財団2005年報告書から)
約1年半前に始めてGifts for Peaceについて書き込みをし、昨日世界中のボーイスカウトのGifts for Peaceに関する取り組みが世界スカウト財団2005年報告書に載っていると書きました。今日は、その他国の取り組みについて、概要だけこちらに抜粋しておこうと思います。
■サウジアラビア:85カ国1500人のスカウトによって平和をテーマにしたキャンプ
■北アイルランド:カトリックとプロテスタントの双方からのスカウトの交流
■エルサルバドル:不良少年のスカウトへの勧誘や、少年の労働環境の改善
■香港:少年院(刑務所)とボーイスカウトの共同事業
■スウェーデン:海外からの移民のボーイスカウトへの勧誘とサポート
■南アフリカ:生まれながらエイズの子供達のボーイスカウトへの参加
■アメリカ:ハリケーンカトリーナによる被害の復興支援
会議をしている場合じゃない。フィールドに出るべし。
世界スカウト財団2005年報告書
世界スカウト財団の2005年度版年次報告書が以下のサイトで見ることができます。
World Scout Foundation Annual Report 2005
内容は英語ですが、写真を多用していて、かっこいいので、各種報告書作成の際には参考にしてみてはいかがでしょうか?
ちなみにタイトルは、「World Scout Foundation Annual Report 2005」となっていますが、内容は世界中のスカウトによって行われている”Gift for Peace”(日本版はこちら、だけど、ほとんど動いてないようです。。。(涙))という取り組みの紹介にもなっていて、世界で90ぐらいある取り組みの中の7つを紹介しています。
報告:ウッドバッジ研修所ローバー課程入所
参加してきました、3泊4日山中野営場。標高1000mだから湘南藤沢より6,7度は寒いし、3日目と4日目には雨にも降られ、けど家型テント+食堂用フライという、古典的で清く正しいボーイスカウトのキャンプだったので、なんか、どーやら、僕は真面目な好青年だ(笑)っていう気になって帰ってきました。
ご指導くださった所員の皆様、また、ともに学びあった入所者の皆様には大変感謝しています。これほどボーイスカウト活動に熱心で、真面目で、真摯に取り組んでいる人たちがいるんだということを知れただけでも、僕には収穫がありました。
日ごろPax IV Hyperという非常にアクティブで成熟度合いの高いユーススカウトグループを見ている僕としては、正直に言って研修の内容そのもの自体には物足りなさを感じたのも事実ですが、こうやって日本全体でのローバースカウトのレベルを上げていくんだろうなと今は自分を納得させています。
パックスとしては、今後のウッドバッジ研修所ローバー課程で使用可能なドキュメントや映像等を作成して、公開するのもありかなと思いました。
ウッドバッジ研修所ローバー課程入所
ボーイスカウトの隊長になるにはウッドバッジ研修所というのに入って研修を受けなければなりません。で、何を隠そう、僕はこれまで研修所に行ってなくて、副長にはなれるけど隊長にはなれない、海外派遣の引率指導者にはなれないという状況が続いておりました。別に嫌がって研修を受けていなかったのではなく、何かと都合が合わなくてここまで来てしまいました。
で、周りのプレッシャーと、自分としてもそろそろけじめをつけるという意味で、明日から3泊4日@山中野営場(山梨県)でウッドバッジ研修所ローバー課程に入所することにしました。日ごろローバースカウトの現場はかなり見ているつもりですが、理論的なところから再度勉強してこようと思っています。で、無事に修了した日には、(別になりたいわけではないけれども)隊長になる資格を得られるし、海外派遣の派遣指導者(自分の団から申請を上げられる)になれる!居眠りしないようにがんばろうっーっと。
モンゴルプロジェクト:バガノール地区訪問
3日目は首都ウランバートルから離れ、120キロほど車で行った所にあるバガノール地区のスカウト委員会を訪問しました。この地区ではデンマーク、韓国のスカウトと協力して植樹を行っており、今回は東アジア環境恊働行動よこはまの方の紹介で訪問が実現しました。
バガノール地区は一地区でありながら、海外からも参加スカウトがくるような大きなキャンポリーを開催するなど、とても活発に活動している地区でした。小学校の教室の一つがスカウトが使える場所になっており、スカウト活動も小学校のクラブ活動(?)の一つとして行われているようでした。
(スカウト委員会の方々にモンゴルプロジェクトの活動紹介)
農業プログラムという事で日本で準備してきましたが、現地で行っている事との関連も考えて、植樹の意義についての紙芝居を子供たちに向けて行いました。植樹を行うとどうなるか、なぜ植樹を行うのかなど、水、土壌、木の関わり方などから内容を考えました。通訳はウランバートルから一緒に来てくれたモンゴルスカウトにお願いしました。
(紙芝居。絵がうまいですよね。)
(バガノール地区のスカウト達。たくさんのスカウトが来てくれました。)
その後は日本からお土産に持ってきたスプラウトの栽培セットをスカウトに渡しました。スプラウトは自分たちで育て、成長を実感できるので植樹を行っているスカウト達にはちょうど良い勉強になるのではないかという事で持ち込みました。先に紹介した東アジア環境恊働行動よこはまの方々も、一度バガノールに紹介しようと試みたそうです。値段も日本ではそんなに高いものではないので、モンゴルに紹介できれば面白いかなと思います。
(種を入れ、水をあげる所まで一緒にやり、紙芝居で育て方、食べ方を紹介しました。)
日本から剣玉、コマ、だるま落しなどの伝統的な遊び道具を持って行き、一緒にスカウトと遊び交流や文化紹介を行いました。剣玉は人気が高く、うまく出来るスカウトもいました。言語が違う分、遊びを通して交流する事は、外国スカウト、特に子供達の場合では非常に重要な事だと実感しました。
(だるま落としはなかなかコツがつかめないらしく、難しそうでした。)
(スカウト達と。最後に子供達から手作りのお土産と、ネッチを頂きました。)
この地区では先に述べたように植樹活動を行っており、東アジア環境恊働行動よこはまの方が紹介したポット苗木という方法で苗木を育てています。ペットボトルで苗を育てるという、簡単な方法でスカウト達が苗木生産に取り組んでいました。また、近くの学校に使われなくなったグリーンハウスがあり、これからそのグリーンハウスを補修して苗木栽培に使うそうです。
(ビニールハウスを見学。今はトマトが植わっていました。)
植樹地は市街地から少し離れた所にあり、帯状に植樹がなされていました。バガノール地区は石炭が産出され、それによる大気汚染が発生しているそうです。そのため、炭坑と市街地の間に木でベルトを作り、大気汚染を防ごうと考えたようです。既に13キロほど植樹がなされ、水を与える為に行政も支援してくれているそうです。活着率(植えた木が、成長する割合)は結構高く、見た目でも育ってる木の方が多かったです。
(植樹地のようす。このような若木が、長い距離にわたって植わっている。)
この訪問で気付いたのは、若いスカウト委員会の方々が大きな力を発揮しているという事です。一地区でありながら、自分たちの町の為に行動し、子供達も巻き込んだ活動にしている所が本当に凄い事だなと思いました。海外のスカウトや行政、NGOも巻き込んだ事業にし、それを若い人が統括している。日本のスカウト業界ではなかなか無い事でしょう。それだけでなく植樹がうまく行くように様々な方法にもチャレンジし、自立、発展、地元事業化が行われているという点も特筆すべきでしょう。日本のスカウトも、スカウト関係だけでなく様々な他団体と関わる時期に来ているのではないでしょうか?
今回の訪問で初めてウランバートル以外のスカウトと関わりましたが、地方でも非常に活発に活動しているモンゴルスカウトの現状を見る事が出来ました。私たちがプロジェクトを行うだけでなく、モンゴルのスカウトのプロジェクトに参加させて頂くという、なかなか面白い構図も来年以降に向けて検討するのもいいのではないかと思いました。
知的障害者教育(映画:僕はラジオ)
昨日、僕はラジオ(amazon.co.jp)という映画(映画会社の解説サイトはこちら)を見ました。これは実際にあった話を映画にしたもので、内容は、アメリカのある高校のアメフトチームに、知的障害者を受け入れるという話です。そのアメフトチームのコーチと、高校の学生でもなく、いつも高校の周辺をうろついていた知的障害者の2人を中心としたストーリーでした。
これをブログで紹介する理由は以下のとおりです。
■障害者教育について考える機会を与えられた。特にボーイスカウトの場合、4年に1度はアグーナリーという障害のあるスカウト向けの大会があるわけだが、アグーナリーだけに関わらず、障害のあるスカウト向けの日常的なプログラム等について考える機会を得た。
■障害者を受け入れようとするコーチと、それに拒否感を示す高校の理事会(日本で言うPTA?)のやり取りも、感動した。障害者を受け入れることによるリスクやそれに対する責任の所在にこだわる理事会と、一人の障害者を助け、そしてその障害者から高校生が学ぶことの大きさを主張するコーチという構図が、海外プロジェクトのたびに「責任」問題について議論をするパックスと良い意味で照らし合わせてしまった。
すごしやすい秋の夜に、「僕はラジオ」をお勧めします。いい映画でした。
本の紹介:ダライラマ
昨日無事にアメリカより帰国しました。(以下は飛行機の中で書いた文章です)帰国便においては、ダライ・ラマ自伝(ダライラマ14世)を読んでいました。内容は、チベットの宗教的・政治的最高指導者である第14世ダライラマの半生を綴った自伝なのですが、半分以上は中国のチベットへの侵略・虐殺・迫害・人権侵害やダライラマ自身のインドへの亡命、そしてチベット人の周辺各国での難民生活等を語ったものでした。
(2002年のパックスのネパールプロジェクトではエベレストのベースキャンプまで行ったのですが、その際中国側からベースキャンプに入りました。そのネパールに接している中国というのがチベットなんですね。)
印象的だったのが、このチベット問題は現在も続いている現在進行形の問題であり、またパックスが活動しているネパールやモンゴルのすぐ近くで起こっているということ。当然、僕らにも何か出来ないかと思ってしまうわけですが、この問題は国連も何十年にも渡って取り組んでいる問題であり、政治的なものなのです。しかし、ダライラマはこの著書の中で、何か協力をしたいと申し出てきてくれた人に対しては、チベットの真実を各国で語ってほしいと述べています。
今度機会があったら、チベットに行ったり、インド・ネパール・ブータンに存在するというチベット難民居住地域に行ってみたいと思いました。また、できたら、政治的な問題だから僕らが関わることじゃないよと逃げるのではなく、何か他にも僕らに出来ることを探したいと思いました。一部の政治的指導者の決定によって何百万人もの人間や動物が殺されるのは、どう考えても、許されないでしょう。
ネパールプロジェクトの近況 その4
秋の空気を感じる事のできるような季節になりました。季節の移ろいが気持ちの切り替えにも影響を及ぼそうとしている様に思えます。僕を含め3人のクルーは大学3年生の秋、つまり就職や進学などこれからの将来をより具体的に考え始める季節になりました。そんなタイミングでプロジェクトを実施する事は少々厳しいとこのプロジェクトを始動させる時は懸念していました。しかし、今はこのプロジェクトで得る事とこれからの将来の進もうとする道を考える事をリンクさせられる様に努めていきたいと思っています。
本日は、クルーとして自分が今後企画したい事をここで発表してみたいと思います。
■企画その1 「日本の歌をネパールへ」
ネパール人は歌が好きです。(ネパールの人に限った事ではないですが)そんな彼らに日本の曲を届ける事ができればいいなと思います。スカウトソング、昔から歌われている童謡、日本のポピュラーソングなどを英訳していっしょに唄いながらネパールのスカウトに覚えてもらえたらなと思います。ネパールのスカウトは「レッサンピリリ」という曲がとても好きでしょっちゅう歌っています。ネパールのスカウトと日本のスカウトが色々な唄をシェアしていけたらいいなと思います。それもまた「文化交流」の1つのカテゴリーなんじゃないかなと思います。
■企画その2 社会人になっても継続できるプロジェクトの検討
まったく白紙ですが、社会人でない自分が言うのもなんですが社会に出るとなんか気がつくと「つながり」が薄れてしまうので気をつけていかないといけないという様な事をプロジェクトに関わっている人が言っています。社会人になっても負担にならずに続けていける様な事ができればとこれは個人的におもっています。多分、社会に出てかた学ぶ事でネパールでのプロジェクトに活かせることもあると思います。まだ全くの白紙ですが、、
なんかフェアトレードなどが単語として思い浮かんではきます。
Ubicomp2006明日終了
現在出席中のThe Eighth International Conference on Ubiquitous Computing(Ubicomp 2006)は明日が最終日となっており、明後日にはアメリカを出国します。約4年ぶりの学会発表・参加でしたが、いろいろと勉強になりました。
(全員の前での発表は短かったのですが、さすがに緊張しました。)
・ポジティブ・改善案的なコメントをくれる人が多く、フランクに意見を出し合って、お互いの研究に意味のあるコメントをしようという雰囲気がある。
・モノを作る人より、すでにあるモノを分析・評価したり、そのモノの使用方法を評価する発表も多かった。
・実は裏でヨーロッパ対アメリカの政治的な争い・いがみ合いがあるようだ?アジアはわりと放置されてる?
それでは、次は日本で!
モンゴルプロジェクト:帰国
遅くなりましたが、15日午前に全員無事帰国する事が出来ました。実施にあたりご協力いただいた皆様、そして日本で見守ってくれていた方々に深く感謝致します。ありがとうございました。これから私たちはプロジェクトの評価、反省を行い報告書を作成しますが、その前にブログで実施した事、見た事などを報告したいと思います。今回は到着〜1日目の観光をご紹介します。
■到着
韓国経由でウランバートルへ。到着は深夜12時過ぎと遅いにも関わらず、多くのモンゴルスカウトが出迎えてくれました。去年一緒に活動したスカウトも多く、スカウトは友情にあついということを肌で感じました。感動して泣き出すクルーもいました。
(チンギスハーン国際空港にて)
■観光
翌日、観光ということでしたがまず新聞社の取材を受ける為にウヌードゥル(今日という意味)新聞社へ。モンゴルで発行されている2つの日刊新聞のうちの一つで、モンゴルでは影響力は大きいよう。テレビ局も併設されており、スタジオ見学もしました。
(@取材中。編集長とともに。)
新聞が発行された日は旧国営デパートの新聞を買い占めました。予想以上に大きく出ていて、裏表紙の半分位を占めていましたが、なんて書いてあるのかはわかりませんでした。
(日本のスカウト、モンゴルになんとかって書いてあるのまではわかるんだけど・・・)
取材後はモンゴル科学アカデミーの農場で植樹体験、その後モンゴル中部で活動している「オンギ川市民運動」というNGOの方々と食事をしました。オンギ川は400キロにも及ぶ大きな川でしたが、上流部での金の採掘の為に水量が減り、下流のウラン湖という大きな湖が消滅してしまったそうです。その問題に対して活動している方々で、活動内容、経緯、問題点などを伺い、モンゴルの問題に対して活動しているプロの方々から直にお話を聞けるという貴重な経験をしました。
この日、クルーは初めてウランバートルを見る事になったのですが、全員が発展のスピードに驚きました。「一年でこれほど変わるものか」と。草原のイメージしかなかった初年度クルーも、相当驚いたようです。現在のモンゴルの経済成長率は年平均10%前後。日本の高度経済成長期のような有様です。様々な問題も、日本と同じように起こってくる事でしょう。それらを経験した日本人として何かモンゴルの為に行動できないか、想いを新たにできた一日でした。
(発展したUBの中心街。旧国営デパートから平和大通りを望む)