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作者アーカイブ: Pax IV Hyper

フランスのスカウトからのコンタクト

先日、あるアドバイザー宛にフランスのスカウトから一通のメールが来た。そのフランスのスカウトとは前回のタイで行われた世界ジャンボリーでもスタッフ側の中枢部でボランティアをしていたという方で、今回のメールでは、フランスのスカウトと日本のスカウトで交流プログラムをやりたいから、ローバーグループを紹介してくれとのことだった。で、その日本人アドバイザーから私のほうにも相談があり、Pax IV Hyperで対応を引き受けることにした。

フランスのスカウトといえば、数年前私がバングラデシュに訪問した際に、フランスのスカウトもバングラデシュを訪ねてきていてバングラデシュ連盟の需品部で少し話をした。彼らは約1ヶ月間滞在をし、バングラデシュ各地を訪問したと言っていた。日本のローバーは1,2週間滞在して集中的に活動をするというスタイルであり、フランスのローバーはある程度長期間で視察型のプロジェクトを展開しているようだった。

ということで、彼らにも国際協力の経験があり、我々にもネパールでのプロジェクトを代表とした国際協力プロジェクトの経験がある。まだ先方から具体的な企画案は届いていないが、一歩進んだ国際的なコラボレーションができればいいなぁと考えている。また個人的にはいわゆる先進国のスカウトたちと協力して何かをするのはこれまでなかなか無かったので、そういう意味でも若干楽しみである。

フランスのスカウトと何かをしたいローバースカウト、ベンチャースカウトの方、是非、一緒に活動しませんか?ご連絡お待ちしております。

大学の授業に行きます

6月に、ある大学の看護医療学部の異文化コミュニケーションの授業にて講義をすることになりました。講義の内容は「ボーイスカウトのバングラデシュにおける保健衛生啓蒙活動」です。学部が看護医療学部ということで、保健衛生に合致しており、しかもボーイスカウトの活動はバングラデシュのスカウトや原住民の方との異文化コミュニケーションを通して実践するものなので、内容がぴったりなんです。

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(バングラデシュの農村部での保健衛生啓蒙活動風景)

これまでも、ボーイスカウトでの子供・大人や地元のロータリークラブ、企業の社会奉仕部みたいなところではプレゼンテーションをしてきましたが、今回は看護医療について専門的に勉強をしている学生を相手にするということで、聴衆側の内容に対する本気度、知識がかなり高いと予想しています。だからこそ、本気で発表準備をしようと思っており、もしよろしければ、ブログ上でも皆さんの意見をお聞かせ願えればと思い書き込みをしています。

伝えたいことと内容は以下のような感じを考えています。
 1、映像・音楽: 発展途上国の保健衛生の現場の雰囲気を伝える
 2、写真: 解説とともに具体的な活動紹介をする
 3、講義: 異文化コミュニケーション実践報告をする
講義形態として、なるべくマルチメディアを駆使したいなぁと思っています。百聞は一見にしかずなので。

また、内容としては、「バングラ人との異文化コミュニケーション」と「バングラでの看護医療活動」を中心にするのが興味を持って聞いてくれるのかなぁと思っています。あとは現役の学生にとっては、じゃあ自分もそういう活動に参加したい場合にどのような団体を訪問すればよいか、お金はどう工面するか、知識・スキルはどのように習得したら良いかあたりに興味があるのですかね。

まだ時間があるので、いろいろと検討しながら準備をして行こうと思っています。

日本連盟初の委員公募!?

今日の日本連盟の事務局ニュースに「教育本部委員の募集について」という案内が出てました。

これまでの日本連盟の委員の選定方法は、過去の委員や事務局によるいわゆる一本釣りだったのですが、ついに公募形式で、だれでも立候補できるようになったようです!ちょっと驚きました。

Gregory: ボーイスカウトから生まれた製品

「バックパックのロールスロイス」、「背負うのではなく、着るパック」と称されるバックパックメーカーがあります。名前はGregory(グレゴリー)、創業者はウェイン・グレゴリーという方。おそらくアウトドアを好きな人にとっては、このブランドは有名なものであり、その製品の高い品質も知っていることであろう。

で、注目すべきはこのウェイン・グレゴリーさん、実はボーイスカウトであって、ボーイスカウトのプロジェクトの一環(日本で言うと特修章取得のために?)として、14歳の時に初めてバックパックを作ったのがきっかけとなり、それ以来革新的な製品を作り続け、今では世界中で使われているパックパックメーカーになったのです。

ボーイスカウト出身者の偉人は米国などでは多くいるのですが、ボーイスカウトでのプロジェクト・活動がそのまま起業・ビジネスにつながったケースは結構珍しいのではと思いました。しかもボーイスカウトのアウトドアに強そうなイメージが、グレゴリーのブランド価値向上にも少し関係するのかなと考えると、ボーイスカウト発のビジネスも面白いと思ったのです。

会議のための会議?

昨日、ボーイスカウトの機関紙である「スカウティング2005年4月号」が届いた。今日はその17ページの「第4回アジア太平洋地域スカウトユースフォーラム」と「Rover Scouting: 全国ローバース会議&ユース委員会」という記事を読んでの感想を書いて見たいと思う。

これらの記事は双方とも、ローバースカウトのフォーラムへの参加報告、会議体の設置提案についてであった。しかし、双方とも会議の会議にはなっていないだろうか?本当に議論をしたい内容があるわけではなく、会議への参加自体に興味があって、議論事項については興味がないのではないだろうか?確かにローバースカウト年代にとって自分の意見を発表するスキル、コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキルが重要なのには間違いない。しかし、それぞれアジア太平洋の代表、各県の代表、地区の代表を集めて行う会議なので、それだけではもったいない。

特に「第4回アジア太平洋地域スカウトユースフォーラム」の報告者3人は全員とも英語でのコミュニケーションの問題を挙げているが、それが本当の問題なのだろうか?本当の問題は、主張したい事項を持たないことだとおもう。何を主張したくて、何を提案したくて、それぞれの会議に参加しているか、ということを自問自答してみれば明らかになるだろう。「いや、会議に参加して見たかった。交流をしたかった。」という答えだったとしたら、私の予想は当たっていたことになる。本当に主張したいことを持っていた場合には多少の語学力のハンディキャップは乗り越えられると思うのである。

じゃあ、もし僕がいま、APRや世界的な会議に行くとしたら、何を提案したいか。
 ・ 発展途上国での多国籍ローバーによる地域開発プロジェクトの提案
 ・ 次期サッカーワールドカップでの多国籍ローバーによるボランティアの提案
 ・ 世界スカウト事務局でのローバースカウト向けインターン制度
等は面白いと思うが、いかがだろうか。

環境教育のやり方

「木を切ってはいけません」「テントを建てても側溝を掘ってはいけません」「直火の焚き火はいけません」

最近の野営活動における指導では、このような注意が多くなってないでしょうか?環境保護という名目上、環境に対して少しでも悪いと思われることは全て禁止する。しかもその教育を小・中学生という若い頃から徹底させる。確かに若い頃に見につけたことは、大人になってからも離れず生活習慣として定着します。しかし、この「・・・はいけません」教育は本当に良い教育方法なのでしょうか。

私が小・中学生だったころはまだ「環境」は流行っていなくて、「薪がなかったら、燃えそうな木を切り倒して来い(実際には立っている木は燃えませんが。。。)」「テントを建てたら、雨に備え、必ず側溝を掘れ」「ガスストーブなど邪道だ、直火、命」という指導を受けてきました。そんな中で、自然での活動の楽しさ、厳しさを学んだのと同時に、その貴重さも身をもって感じてきたような気がします。

せめて若い頃は、「・・・・してはいけません」という指導法より、もっと純粋に自然、環境に触れさせて、その楽しさを植えつけたほうが良い教育法だと思うのです。確かにあらゆることを論理立てて禁止させることはできます。しかし、それは他人からの押し付け、言われたからやるということであって、自らそうしたいと思ってやった行為ではなくなります。自ら自然の楽しさ、貴重さを知っていてこそ、自らそれを守ろうとするのではないかと思うのです。

ということで、山に入れ、海に入れ、林に入れ!楽しく行こうぜ。

史上最強のリーダー:シャクルトン

「科学的な指導力ならスコット、素早く能率的に旅することにかけてはアムンゼンが抜きん出ている。だがもしあなたが絶望的な状況にあって、なんら解決策が見いだせないときには、ひざまずいてシャクルトンに祈るがいい」

世の中にいろんなスタイルの指導者・リーダーがいる。上記の言葉は、南極冒険の3探検家(それぞれ探検隊のリーダー)について、それぞれの特徴を説明したものである。絶望状態からの帰還を果たしたリーダーシャクルトンの漂流記「エンデュアランス号漂流」は、今後なんかしらの組織のリーダー、隊のリーダーになる人にお薦めします。

シャクルトンをテーマにした別の本「史上最強のリーダー シャクルトン — 絶望の淵に立っても決してあきらめない」の目次を見ただけでも参考になりそうです。

序章 並ぶ者なき史上最強のリーダー
第1章 何事も恐れずに、寛大さを持て
第2章 身分、地位よりも、意欲で人選
第3章 階層を破壊すれば、結束は固まる
第4章 命令しなければ、人は動く
第5章 過去を捨てることで、最善の選択ができる
第6章 試練とは、突破するためにある
第7章 絶望を乗り越えてこそ、目的地へ
第8章 シャクルトンは、すべての人に受け継がれる

「命令しなければ、人は動く」なんてのはなかなかしびれますね。自らの意思で活動をするもの、組織のボトムアップからの提案・活力で動いている組織が強い・長続きするんですよね。ローバー組織についてもそれが当てはまる気がします。

ボーイスカウトの時価総額

最近のライブドア、ニッポン放送、フジテレビの株式に関するやり取りを見ながら、株式会社の恐ろしさを感じてました。お金さえあれば、会社が買えてしまう。どんなに人気があっても、ブランド価値があっても、金さえあれば、他人のものになってしまう。ルール上はそうなのかもしれませんが、簡単には納得はいきませんよね。

で、ふと思ったのは、ボーイスカウトは買収されるか?答えは買収されないということになります。ボーイスカウトは株式会社ではなく、財団法人なので。では、もし、ボーイスカウトが株式会社だった場合は、組織としてどれだけの魅力があるのか=どれだけの株価をつけるのでしょうか?さらにはどのような企業から買収提案が出てくるのでしょうか?これだけの会員を持つ団体の時価総額はいくらになるんでしょうか?

あり得ない話を想像だけで話をするのは、あまり意味の無いことかもしれませんが、ボーイスカウトの存在価値を計る、ちょっと歪んだ一つの手法かなぁと一人で思ってました。後発の青少年教育団体に吸収合併されるという危機感なんてのがあったら、もっとボーイスカウトも活性化するんじゃないかなぁー。

応用問題としては、東京大学を買収できるとしたら?なーんてのも空想の世界だけでの話ではありますが、面白いですね。

ボーイスカウトエベレスト登山隊?

「数人のローバースカウトと1年間をくれれば、エベレストに登らせてやる。」

ネパールプロジェクトを立ち上げる当初、我々は登山家の田部井淳子氏が代表をしている日本ヒマラヤンアドベンチャートラスト(HAT-J)に協力をしてもらっていた。ネパールのルクラ周辺での植林活動やエベレストのベースキャンプ(標高約5000m)訪問等のプログラムはHAT-Jと一緒にやってたからこそ実現できたプログラムだった。

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(2002年のネパールプロジェクトで訪れたエベレストベースキャンプ:写真後ろの山がエベレスト)

そんなプログラムの企画段階の時点で、HAT-Jの方に言われたのが上記のコメントである。当然、準備期間の1年間のうちに登山・高所順応・野営技術等をみっちり訓練して、複数人の経験者に協力をしてもらい実施するという段取りになるのだろうが、当時、あぁ、そんなことも可能なんだと衝撃を受けた覚えがある。その時点では、興味を持つ人が複数人集まったらお願いします、という返答をしていたが、それ以降この話は進まず、もっぱら首都のカトマンズ周辺でのボーイスカウト同士の地域開発プロジェクトを中心にネパールプロジェクトは進んでいる。

ある一定期間をしっかりした訓練期間に設定し、その後にハイアドベンチャープログラムを実施するといったローバーリングがあっても良い。エベレスト登頂でも良いし、アラスカのユーコン川下りでも良いし、コスタリカでのジャングルトレッキングでも良い。そんな夢のあるプログラムを実現しようとするローバーはいないのだろうか。

本の紹介:「非営利組織の経営」

これまでのブログでは、我々の「活動」や「意見」といった経験を通した事項に関して主に書いてきました。今後はそれらに加え、我々が参照している「ウェブサイトへのリンク(トラックバック)」や「書物の紹介」等も積極的にやっていきたいと思います。ということで第1弾。

この本は直接的には大学の授業で参考書として紹介されたのですが、実際にはボーイスカウトのバングラデシュ派遣のクルーリーダー、またそのOB組織の幹事長、さらにはPax IV Hyperの運営をやるにあたり大変参考になり、今でもいつでも引っ張り出せる本棚においてあります。「経営」「マネージメント」の分野では世界的に有名なピーター・ドラッカーが「非営利組織」について書いた非営利組織の経営—原理と実践という本です。もちろんボーイスカウトも非営利組織であり、この本の中でも「世界最大の男性組織」という風に紹介されたり、具体例として頻繁にアメリカのボーイスカウト・ガールスカウトに触れられています。

特にボーイスカウトをやっている方には、どのようにすればより良い団運営、隊運営、クルー運営ができるかということについてヒントを見つけられるでしょうし、もっとマクロ的に、ボーイスカウトって社会の中の位置づけとしてどうなっているのかということにも本文の中で答えを見つけられます。

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