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プロジェクト年齢

2004年12月5日にアドバイザーとして参加した慶應ローバース・モンゴル派遣の報告会に参加してきた。報告会では、モンゴル派遣の報告はもちろんのこと、バングラ派遣、ネパール派遣、CJK派遣の過年度参加者や東京連盟港地区、東京連盟、日本連盟等のコミッショナー、相談役の方々にも参加していただき、ローバースカウトによる海外プロジェクトについて幅の広い意見交換ができた。

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報告会のパネルディスカッションの中で、「どの派遣が、どんな魅力を持っているか?」という話題があった。各派遣のテーマも違い、派遣対象国も違うので、優劣をつけることはできないが、それぞれのプロジェクトの成長度合い=プロジェクト年齢みたいなのは重要なのではないかという意見も出た。私もそう思ってた。

たとえば、プロジェクトがスタートしてすでに7,8年経っている場合、その派遣のやり方、スタイル、サポート体制等は確実なものになっており、純粋にハイレベルな奉仕を追及したり、ハイレベルな組織マネージメントに注力したいなど、何かに集中して取り組みたいときは成長している派遣に参加するのが良いだろう(日本連盟バングラデシュ派遣などはその一例になるであろう)。就職に例えると、大企業に就職することに似ているのかもしれない。

また、プロジェクトがスタートして1,2年しか経っていない場合は、まだスタイル等は確定しておらず、模索しながら、内容の充実を図っているという段階であろう。この段階ではいろいろな新規アイデアの実現や、すでに試しているアイデアのさらなるブラッシュアップなどに注力することになる(モンゴルやCJK(フィリピン)がその例)。就職に例えると、ベンチャーや中小企業に就職することに似ているのかもしれない。

そして、まったく世に無い派遣をこれからスタートさせるという方式もある。すでに日本のローバーには、バングラデシュ、ネパール、モンゴル、フィリピンと十分な選択肢が与えられているかもしれない。しかし、既存のプロジェクトに参加するのではなく、0からプロジェクトを始め、作っていることにより、他のプロジェクトでは経験・勉強できないことを得られるのも事実である。就職に例えると自ら起業することに似ているのかもしれない。

Pax IV Hyperは当初、2005年の2・3月にネパールでのプロジェクトを予定していた。しかし、ネパール王国の情勢について考慮をすると、現地でボーイスカウト活動ができる状態ではなさそうなので、2・3月に実施するのは辞めるという判断をした(次回のネパール派遣は2005年9月の予定)。しかし、その代わりに2005年の2・3月に、単年度のプロジェクトとして、別国でのプロジェクトを検討している。ネパールが延期になってしまったとネガティブに考えるのではなく、別国で新規プロジェクトの立ち上げを経験でき、その経験を今後ネパールプロジェクトに還元できると、ポジティブに考えていきたい。

Quality of Life

エジプトから帰国して5日間経った。すっかり日本の生活に戻り、1週間会社を休んでいた関係もあり、やらなければいけない仕事がたくさんある。今回のエジプトでは「バクシーシ」という宗教・文化の側面が特に印象に残っているのだが、イタリアでは人生や生活習慣について考えた。仕事、趣味、家庭、その他。

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イタリアの男は何故かかっこいい。自分のスタイルをよく認識していて、外部環境に流されずにそれを貫いているように見える。もちろん、その外部環境には仕事も含まれると思う。仕事のために自分を犠牲にしたり、家族・趣味を犠牲にしない。自分にあった仕事を、自分のやり方でやっている、気がする。

その一方で、日本人な私は、最近は結構仕事に流されている気もする(そんなに仕事してねーだろという突っ込みもありそうだが)。少なくとも、あの非人間的な超満員電車に詰め込まれて、毎日約12時間は会社に時間を費やしている。それでも、別の会社でSEをやっていたり、コンサルタントをやっている友人に比べると時間的な余裕はあるようだ。

最近の私の人生充実方法は、仕事とライフワークとしてのスカウティングの両立だろう。1日のうち12時間を仕事に使ったら、それ以外の1,2時間をスカウティングやその他の奉仕・環境保全活動等に使う。もともと一つのことだけに集中して取り組むというのは苦手な性質らしいので、この生活は好きであるし、別の世界に視点を動かすことで良い気分転換・休息になる。ちなみにこれらの活動に一生懸命になれるのは、まわりにいる親しい人たちの協力があってこそだ。

自己実現のためにボーイスカウトを利用しすぎると、日本のボーイスカウト界にたまにいる、自己中心的な大人のようにになってしまうので、そこら辺は注意しなければならない。仕事も趣味も家庭のどれも犠牲にせず、バランスの取れた、良質な生活を手に入れたい。ボーイスカウト活動があることにより、Quality of Lifeをあげられるような気がするし、そうならば、ボーイスカウト人口がもっと増えてもいいものだと思う。

なんか、いつもにも増して、まとまりのない文章になってしまった。また明日も仕事とネパールプロジェクトミーティングだ!

バクシーシと自治の三訣

昨日、無事休暇先のエジプト・イタリアから帰国いたしました。今回の旅は、(精神的には)まさしくバクシーシとの戦いであったので、それについて日本のボーイスカウトでの教えと絡めて書きたいと思う。

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エジプト旅行中、タクシーの運転手や、各遺跡の(頼んでも無い)ガイドなどに毎日バクシーシを求められた。バクシーシとはもともとイスラムの教えから由来し、富める者が貧しいものに「ほどこし」を与えることであるそうだ。しかし、現状のエジプトの観光地では、このバクシーシとチップがごちゃまぜになり、とにかく何かサービスをしたら(こっちが頼んでも無いサービスでも)バクシーシを要求してきた。人によっては渡したにもかかわらず、金額が少ないとかで、さらによこせと要求してきたものも複数いた。

私なんかは、ボーイスカウト日本連盟初代総長の後藤新平の言葉である、「自治の三訣」により、
人のお世話にならぬよう
人のお世話をするよう
そして、報いを求めぬよう

と教わってきた。つまり例えサービス業だとしても、最低限の賃金以上は求めず、お客さんにサービスするのが、美しいと思っていた。これは儒教や仏教の教えから来たものかもしれない。

しかしエジプトではそうではなかったのである。サービスをされた後、結局「チップをよこせ」と言われたのでは、気分はよくない。少し調べてみたところ、バクシーシについてはエジプトだけでなく、インドでも日常的に行われているようである。イスラムの教えということなので、ある程度までは正当化されても良いと思うのだが、個人的には同じイスラム教徒の多いバングラデシュでは、そこまであからさまな(サービス業の)物乞いとは会った事が無いのでエジプトでのバクシーシについてはどうかと思った。

本来のバクシーシの意味が、ある少数の私欲を持った人たちにより変に解釈され、それに触れた異文化の外国人が嫌な思いをする。今回はとても些細な例かもしれないが、このような文化の誤理解・ミスコミュニケーションが宗教戦争なんかにもつながるのかなぁと考えた1週間でした。

海外スカウト受入計画

http://www.scout.or.jp/j/info/intl/inv/h16serviceteam.html
ボーイスカウト日本連盟は、1974年から毎年アジア太平洋地域の国や地域からスカウトをジャンボリーなどの夏季大会に合わせて招待しています。
http://www.scout.or.jp/e/history.html
英語のサイトにもしっかり載っています。→これとは関係ない写真ですが、若き日の代表が写っています(未だにバングラの広告塔)

ついに、今年で30周年でした。私自身は、2000年からの参画なので、それほど長いわけでありませんが、今年度を除いて大会期間中の本部要員としてだけではなく前後もフルに参画しているので日数換算すると長いかもしれません。

あまりよく知られていないこの日本連盟として誇れるべき活動を紹介していこうと思います。個人的には、Pax IV Hyperのメンバーになるきっかけでもあったので。

★ きっかけ
1999年のスカウト特別海外派遣員として、50万円の活動資金を社団法人霞会館の協力を得て高校最後の夏を楽しませて戴くことができました。選考会の時に、国際担当の日本連盟事務局員の方から、『来年の夏は、5NVで海外スカウトが日本に来ますので協力よろしくお願いしますねー』と言われたことが参画のきっかけだと思います。
(心の中では、そりゃー50万ももらったら、日本連盟のために少しは役に立たないといけない義務が発生するのは当然かなという感じでした)→やたらネガティブ。詳細知らなかったこともありますが、、、

なので、5NVに本部要員として申し込み手続きをするため、参加条件にウッドバッジ研修所もあったので、7月下旬の暑そうな千葉・日向野営場、BS課程に参加するため指導者としての訓練も受けました。
(実際には、あまり関係ないみたいですね)

2月くらいに、予定通りに日本連盟から一通の手紙が届き、過年度海外派遣者向けにということで、5NV前後の海外スカウト受入計画の奉仕依頼という内容でした。
(ここまでと、今の自分を知っていると英語ペラペラでーと思うかもしれませんが、その頃、よーやく英語を勉強し始めたといっても過言ではないので悪しからず)

★ はじまり
上記のウッドバッジ研修所で、所員と参加者が言い合いになったりして解散時間が遅れたため、その日にスカウト会館に行けず、翌朝向かったのですが、最初は凄い入りにくい空気が漂っていて何をしてよいのか指示があるわけもなかったので、精神的に疲れました。この時に、Pax IV Hyperの前代表や現代表、そしてアドバイザーに出会うことになったのでした。
過年度海外派遣者の殆どが来ると最初は思っていたので、案外少人数なことに驚きました。

(次回へ続く)

マチャプチャレと神

本日から1週間、休暇により、エジプト・イタリアに行ってまいります。その間の私のエントリー・コメントの投稿はなくなります。エジプトではカイロ、アスワン、ルクソール、アブシンベルに行き、帰り道中に1泊、イタリアのミラノに滞在する予定です。

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さて今日のエントリーはエジプトやイタリアについてではなく、ネパールのポカラから見えるアンナプルナ山群とマチャプチャレ(写真)という山。以前書いたが、このポカラという観光小都市には大学3年生時代に環境事業団地球環境市民大学校の海外派遣として、訪れた。ポカラでの主要目的は国際協力事業団の青年海外協力隊の隊員の活動視察ということで、ある隊員の活動地である山民族の村にて一泊しながら隊員や村の方々に話を聞きながら勉強するということだった。もちろん、これも僕にとって、青年海外協力隊の実態を知るという意味で、とても良い勉強になった。車は通っておらず、徒歩でほぼ丸一日かからないと着かない、山間部の尾根にある村に、日本人1人が入っていき、現地の生活に入り込み、そこの村・自然を助ける。そんな地道な協力が世界中で行われているのには、敬意を示したい。

この村の視察に出発する日の朝、ポカラの市街地からアンナプルナ山群とその真ん中にどーんとかまえたマチャプチャレ(魚の尾という意味の山)を見た。早朝であり、朝日を浴び、山々は黄金に輝いていた。そして人生において初めて、そのマチャプチャレに神の存在を感じたのである。綺麗な山々はそれまでも見たことはあった。それこそ富士山やヨーロッパアルプスも景色として美しいと思う。しかし、そこに神の存在を感じたことや、それが信仰の対象になることを自然に思ったことは、マチャプチャレ以外になかった。

なぜそこまで心を揺り動かしたか。まずはその単純な美しさ。そして周辺に7000m級のダウラギリ、アンナプルナI峰、II峰、III峰、IV峰に囲まれながら、最も特徴的で形の整ったマチャプチャレがど真ん中に存在すること。さらにそれが古くから現地の人の信仰の対象となっており、いまだに登頂禁止の山であること。

ボーイスカウトはもともと宗教ではないが、教育の一環として信仰を持つことを勧めている。当然信仰対象は個人個人自由で、宗教も自由に選べばよい。私も高校生の頃、浄土真宗のお寺に通い、仏教について学んだ。しかし、残念ながら頭では理解するものの、心や気持ちから神の存在を感じることはなかった。その数年後、ポカラにおいて、人知を遥かに超えた大自然の創造物を見たとき、講義や書物では教わることの出来なかった、神の存在を学んだ。ボーイスカウトが自然の中での活動を推奨しているのは、健康的な面と同時に、精神的にも自然から学ぶ多いことが多いからなのでは、と思う。

皆さんも神の存在を感じた景色、すさまじく感動した自然等、ありましたら、コメントとしてご紹介いただけると幸いです。それでは、古代のファラオたちの魂が宿る遺跡群(エジプト各地)に行ってまいります。

グループワーク

昔から、複数人で物事に取り組むのが好きだった。それはボーイスカウトの集団行動の経験が大きく影響しているのだろう。大学の研究室においても一人で研究を進めるよりかは、みんなで役割分担したり、議論しながらプロジェクトとして進めるのが好きだった。単純に自分個人としての能力が低く、他人に頼って生きてきたのかもしれないが。例えば人間が3人集まった時、1+1+1=3で3人分の力を出すのがクループワークか?

[足し算ではなく掛け算説] グループワークには足し算のように単純でないところに面白みがあるのかもしれない。掛け算的に1.5*1.5*1.5=3.375のように、みんなが自分の力+αでがんばれば、単純な足し算結果の3より大きな結果が出てくる。しかし逆にみんなが他のメンバーに頼って少しずつ楽をしようとすると、0.7*0.7*0.7=0.343のように1人分の力以下に成り下がってしまう。こんな掛け算的要素がグループワークには存在する気がする。

[腐ったみかん箱説] どんなに新鮮なみかんが揃った箱でも、そこにただ一つの腐ったみかんが入れられた瞬間、その他のみかんまで腐り始める。腐敗が伝染する。これは学生時代に研究室の先輩が厳しめに話をしていた。1人で行動しているときは腐ったとしても自分だけ、組織で行動をしているときは1人でも腐ったら、全員が腐ると思って行動しろ、との意だったのであろう。

最近では、グループワークの強力な武器としてメーリングリストがある。特に地理的に離れたメンバー間で行う場合は、直接合う機会が少ない分、チームビルディングの主要な手段になる。さすがに腐ったみかん説は厳しすぎるとは思うが、やり方によってはマイナスにもプラスにも大きく変化する。マネージメント、組織、役割分担、リーダーシップ、って奥が深いですね。そーいえば、ネパールのローバースカウトも真剣にグループダイナミクスについて議論していたなぁ。

脱メーリングリスト

メーリングリストをオープンにするのとしないとのって、どっちが面白いかという点で考えてみました。そして、ネパールプロジェクトを始めとするプロジェクトにとって効果的なのかどうなのか?ネパールプロジェクト関係者に提案です→→→

メーリングリスト(ML)の利点は、特定の人数内で情報共有・ディスカッションをすることに意義があるのではないかと思います。ただ、無意味に人数ばかり増えると不特定多数に変化してしまうことも否めません。メールベースで用件を処理する人にとっては、MLの方がよいのでしょう。

日々変化があるものは、ブログにすると面白いのではないかという点はあっていると思います。というか、動いているのか動いていないのか、ウェブサイトなどを見るだけでは判断しにくいため。
特に、ネパールプロジェクトに関しては、専門性などについて色々とコメントをもらえるともっと面白いのではないかと思います。あとは、次回などなどスカウトが興味をもつきっかけにもなりえます。

さて、毎週の様に集まって活動しているネパール派遣予定者いかがでしょう?

APRスカウトユースフォーラム→→→

今回は、日本国内でもフォーラムという事業は行われていますが、あえて海外シリーズが続いているので、それに続きたいと思います。国内は、現在まとめていますのでのちほど。

http://www.scout.or.jp/j/forum/forumis.html
スカウトフォーラムについては、こちらを参照してください。

さて、フォーラムは決して日本だけで行われているわけではなく、世界全体で地域として開催されています。スカウティング100周年ということでやたら盛り上げようとしている中で、100周年前の最後のフォーラムとして、今月末からアジア太平洋地域スカウトユースフォーラムがブルネイ・ダルサラームで、来年8月末から世界スカウトユースフォーラムがチュニジアで開催されます。

最近、漸く数々の文書が邦訳されたので、皆さんも触れる機会がでてきたかもしれませんが、英語・フランス語が得意な方は全ての情報はインターネット上で得ることができます。

しかしながら、フォーラムに関する情報を普段の活動で皆さんがあまり目にすることもないと思います。Pax IV Hyperとして、前回の世界ユースフォーラムにメンバーの2名が急遽参加することになったので、プロジェクトとして立ち上がりましたがその後に関して特に取り上げることなく終わってしまった感じなので、今までと大差のない状態に落ち着いてしまっているので申し訳ないです。

今回のAPRユーススカウトフォーラムに関しては、特に要望もなく第5期ローバース会議内で全面的に準備を進めているようなのでPax IV Hyperとしては特に関わらない形になっていますので、詳しくはこちらまで。
http://www.rovers.scout.or.jp/

ただ、いくつか今回のフォーラムの重要性について、情報提供だけはしておこうと思います。
一番重要なのは、ヤングアダルトというポジションが新しくできるということです。これは世界スカウト委員会でも同じ様なアイディアがあるのですが、青少年の意思決定による参画に対して、各委員会があるわけなのですがこの委員会の委員になるには各国連盟の推薦がないと無理なので、これを日本に当てはめると実質無理なわけです。これは日本だけではなく他の国々でも同様なことがあったり、立候補しても票が集まらないというような政治的な世界が影響していて厳しいわけです。

それを打開するために、スカウト委員会はこの様なポジションを作ったまではよかったのですが、実際にこれがどのように動いていくのかはかなりリーダーシップとネゴシエーション能力を備えているヤングアダルトが委員長として引っ張るか、他のサポーターがかなり協力に支援できるかが焦点になりそうです。

発表されている最新ニュースでは10カ国40名くらいの参加者数です。
http://www.apr.scout.or.jp/publications/2004inbox/Nov%20INBOX.htm

Young Adult
http://www.apr.scout.or.jp/documents/2004%20circulars/31-2004.pdf

4th APR Scout Youth Forum
http://www.apr.scout.or.jp/events/21st_apr_conference/21st_conf03.htm

21st APR Scout Conference
http://www.apr.scout.or.jp/events/21st_apr_conference/21st_conf01.htm

今後、地域はあくまでも世界ユースフォーラムへの準備と捉えている国もあるので、この地域での成果をしっかり日本で還元し、世界へ送り出すという作業も必要になります。
また、次回のAPRスカウト会議・フォーラムは、相当な番狂わせがない限りは日本で確定だと思いますので、これに向けても今のベンチャースカウト年代は色々と準備が必要になってくると思います。

私とネパール派遣

「ネパール」
きっかけ:
大学3年時の秋に、学校の授業を休んで、環境NGOのスタッフ向けの海外派遣研修である「環境事業団地球環境市民大学校ネパール・バングラデシュコース」に参加した。2つの国で、現地の環境系・開発系のNGOを訪問し、具体的なケーススタディを通して勉強するという内容だった。そして、この時に受けたネパールでの山や町の美しさの印象と、ネパールがバングラデシュでの上流部であり、ネパールでの森林伐採がバングラデシュでの水害につながるという安易な発想のもと、Pax IV Hyperによりネパールで植林プロジェクトをやろうという発想にいたった。

内容:
Pax IV Hyperのメンバーとネパールのローバースカウトにより、首都のカトマンズ近郊において植林プロジェクトを行っている。プロジェクトは私が大学院1年時に始まり、当初は登山関連のNGOで著名な登山家田部井淳子氏が代表になっているHAT-Jと協力してプロジェクトを行っていた。最近では、独立して、Pax IV HyperとネパールのローバーグループであるKantipur Rover CrewとEver Green Rover Crewとの協同プロジェクトになっている。回数を重ねるごとにプロジェクトの内容も植林だけに留まらず、生活環境維持、水・土壌調査なども行うようになってきた。

得たモノ:
本プロジェクトにおいては、私の役割は当初の企画・計画と、協力者・助成金集めであった。事実、本派遣には参加してなく、準備派遣という現地のスカウトとのミーティングのための派遣にしか参加していない。しかし、プロジェクトを行うのに必要な協力者・助成金については第1回目から、衣装協力としてユニクロ、実施協力として上述HAT-J、そして資金協力としてソニーマーケティング学生ボランティアファンドを得ることが出来た。最近では、イオン環境財団や財団法人国際交流基金からもファンドを得ており、さらに内容の充実を図っている。

私とバングラデシュ派遣

「バングラデシュ」
きっかけ:
アメリカ・カナダでのスカウト特別海外派遣を無事終えた秋のある日、早稲田大学で開かれた「ローバースカウト研究集会」に参加した。そこでT氏という愛知のローバースカウトが「ボーイスカウト日本連盟アジア太平洋提携プロジェクト(バングラデシュ)派遣」について説明していた。バングラデシュ派遣では現地の村人を対象に保健衛生啓蒙活動をやる、その年の冬が第1回派遣とのことだった。その時は、自分はアメリカやヨーロッパは好きだが発展途上国には興味はない、だから派遣にも参加しないという発言をしていたように思う。しかし、僕のどこかにその「バングラデシュ」というキーワードは存在し続き、その翌年の第2回目派遣には自分も派遣団の一員として参加することになっていた。当時大学2年生だった。

内容:
バングラデシュでは、農村地方においてバングラデシュのボーイスカウトとともに貧困家庭を回り、子供や女性を対象とした保健衛生啓蒙活動を行った。具体的には、下痢の際に効率的に水を取る方法である経口補水療法の指導、トイレ作成、栄養バランスの取れた食事の勧め、歯磨きの指導等である。約2週間の派遣期間中の1週間をプロジェクトに費やし、農村部の学校の校舎に雑魚寝をしながらのプロジェクトであった。

得たモノ:
初の発展途上国かつイスラム教国訪問・滞在ということで、私が受けた衝撃はすさまじかった。日本から現地の空港に深夜到着した際は、失礼ながらもここは地獄か、とも思った。しかし、現地の人と一緒に活動をすることにより、いまは途上国ではあるが、その発展へむけての力強さ、そしてイスラム教のストイックだけど、人生・世界に対する真面目な考え方等、精神的に学んだことはすさまじく多かった。
私は本プロジェクトには2回参加しており、1回目は上記のような強烈な異文化により、ただショックを受けていたのだか、2回目は保健衛生啓蒙活動について、リーダーとしてプロジェクト全体のマネジメント、リーダーシップという面で努力し、学んだ。また発展途上国における開発協力、非営利組織論についても身体で学んだ。そしてここでの興味がその翌年の「環境事業団地球環境市民大学校ネパール・バングラデシュコース」に僕を引き付けた。(ネパール編に続く)

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