建築会社とボーイスカウト

先週日曜日に、ソニー時代の先輩に呼び出されて、建築会社に働いている建築家の方にお会いしてきました。その建築会社が過去数年間、会社の社会貢献事業としてベトナムでのストリートチルドレンを対象とした学校を建設していたらしく、またその方個人としても今後の社会貢献のあり方を模索中とのことで、今回は外部の人間と話をしてみたいとのことだったらしいです。

今回、建設会社がその技術力・体力を有効に活用して、発展途上国で意味のある箱物を作るというのには、建築会社ならではの社会貢献のあり方を見せつけられた気がします。
というのも、実はネパールのボーイスカウトにおいて、連盟野営場(Sundarijal National Training Center)の管理棟の老朽化が進んでおり、それを何とか治せないかという話が数年前に出てたんです。 その話が出たときには、リノベーションに必要な費用は合計して600万円はかかりそう、そして僕らには建築技術も無いので、協力できないという結論になってました。しかし、その場所はネパールのボーイスカウトの指導者訓練等にも使われており、きわめて重要な拠点なのです。だから今回、僕からはネパールのボーイスカウトの為に、何か一緒にやっていただくことは出来ないかという話をしてきました。

今回の顔合わせでは、お互いの現状の問題意識・今後の可能性の意見交換で終わったのですが、この話がうまくいき、ボーイスカウト+私企業⇒ネパールのボーイスカウトという国際協力体制ができたら、いいなぁと思いました。

「不都合な真実」への反論

先日、映画・本「不都合な真実」について、紹介しましたが、その映画・本に対して論理的な反論が出ているようです。簡単に言うと、地球温暖化問題より先に、解決すべき問題が山ほどある。地球温暖化対策は、かかる費用・労力の割には効果がほとんど見込めないが、健康・水・教育・飢饉等の対策は、かかる費用が少なく、効果も大きくなる、だそうです。詳しくは下記のサイトをご覧になってください。

Climate change can wait, World health can’t (原文)
天候問題は待ってくれるが、健康問題は待ってくれない(上記サイトの日本語訳)

Inconvenient Truths for Al Gore(原文)
アル・ゴアに不都合な真実(上記サイトの日本語訳)

ネパールプロジェクト2006報告書公開

成済みだったものの、公開していなかったネパールプロジェクト2006の報告書をアップしました。

ネパール国際協力協同プロジェクト2006報告書(PDFファイル)

ご参考までに。

ネパールプロジェクト2007安全祈願

昨日、ネパールプロジェクトのクルーにより、ネパールプロジェクト2007のアドバイザーとの顔合わせを兼ねて、静岡県の静岡22団を訪問してきました。

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静岡22団さんの団委員長さんが曹洞宗瑞光寺というお寺のご住職さんということもありまして、ネパールプロジェクト2007のために、祈祷を捧げて下さいました。ネパールでは、ヒンズー教やチベット仏教が生活に浸透しており、現地での寺院訪問や挨拶の際にと、合掌の仕方・意味等のお話も聞くことが出来ました。

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その後、静岡22団の指導者、ベンチャースカウト、ローバースカウトの皆様に向けて、今回のプロジェクト概要の紹介をしてまいりました。とても暖かい団で、プロジェクトに対する励ましの言葉もいただけました。皆様のご期待に沿えるよう、健康・安全にプロジェクトを実施し、また帰国後にご報告にうかがえるようにいたしたいと、派遣員一同申しておりました。昨日は、ありがとうございました!

本・映画:不都合な真実

元アメリカ合衆国副大統領のアル・ゴア氏が中心となって作成した映画「不都合な真実」が環境関連のコミュニティだけでなく、広く一般社会で話題になっています。サイエンスに基づいたデータ・写真を多用し、地球温暖化に対する警鐘を鳴らしている映画です。僕は映画は見ていないのですが、書籍版「不都合な真実」を読んでいて、かなりの衝撃を受けました。もし映画や本を見たり読んだりする余裕が無い方は、下記の映画Websiteだけでも参考になると思います。

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高校生に必要・有益なプログラムとは?

昨日、ある地区の指導者達と、その地区のベンチャー集合訓練に関する話をしておりました。ベンチャー(高校生年代のボーイスカウト)を活性化させ、良いスカウトを育てるためにどんなプログラムがあり得るか。僕が高校生のときに経験したプログラムと、現在考えられる案を対比して考えてみました。

■僕が高校生時代に経験したベンチャースカウトプログラム(@ 神奈川県県央地区Golden Ax Training)

  • 海上自衛隊教育隊への体験入隊(横須賀の海上自衛隊駐屯地での3泊4日)
  • 挑戦キャンプ(福島県尾瀬・栃木県への2人での3泊4日の移動キャンプ)
  • 野外料理法(生きた鶏を3,4羽さばいて、から揚げやその他料理に)
  • オーバーナイトハイキング(小田原から相模原の65km)
  • 仏教章奉仕訓練キャンプ(お寺での3泊4日の合宿)

■現在考えられるベンチャースカウトプログラム案(上記に加えて)

  • ネパールやモンゴルでの国際協力活動の見学キャンプ(約1週間)
  • ネパール、モンゴル、アメリカ等でのアドベンチャーキャンプ(約1週間)
  • 国内の無人島や離島でのキャンプ(3泊4日)
  • 国内の自然の中でのキャンプ(雪中キャンプ、川くだりキャンプ、山岳地帯縦走)
  • 国内でのサイエンスプログラム(物理・化学・生物・情報技術・機械等の実験をやる)
  • 国内での2泊3日くらいでの環境や国際協力に関するワークショップ・トレーニング

ボーイスカウトだからこそできること、2007年の今だからこそできることをという基準で考えてみました。パックスはこれまで主にローバースカウトプログラムの開発・実施をしていましたが、今後はベンチャースカウト等に裾野を広げてもいいかなと思いました(以前、何度かやろうとしましたが、地盤になる地域がなくてあまり盛り上がらなかった)。

ネパールプロジェクト2007:植樹と河川環境改善

今年のネパールプロジェクトは2007年2月14日から3月1日に実施されます。今回は5人のメンバーで渡航します。プロジェクトの大きな柱の二つは、植樹と河川環境改善なので、今日は写真とともにネパールでの植樹と河川環境改善の意義について記しておきます。

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カトマンズに流れるバクマティにおいて、水質調査とゴミ分布調査、ゴミ拾いを、ネパールのローバースカウトやさらに年少のスカウトとともに3日間かけて行う予定です。上記の写真のように、河川には多くのゴミが放置されており、この問題については現地のローバースカウトも常々問題視しており、今回共同で取り組むことにいたしました。

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カカニトレーニングセンターという、ボーイスカウトネパール連盟の野営場付近の山間部に、ネパールのローバースカウトとともに植樹を行います。ネパールにおける植樹の効果は、急斜面地における土壌流出防止や緑化という意味があります。また、果樹を植えることでその実を食べられるということも狙っていたりもします。写真は2004年のプロジェクトにおいて、我々が植えた樹ですね。過去に植えた樹がどの程度成長しているかを測定するのも楽しみです。

短い期間の滞在なので、僕らのプロジェクトの直接的な効果は少ないかもしれませんが、ネパールのスカウトを巻き込むことにより住民参加型の取り組みにできればと、長期的視点で見れば効果が出てくるものだと思っています。

非営利組織の収入

一昨日、ボーイスカウトの登録説明会・臨時地区総会というのに出席してきました。臨時総会での議題はただ一つ、今年度より登録費が前年度より300円高くなるということ。その値上げの決定プロセスに問題があるだろうという出席者のコメントや、また東京連盟の収支を考えると、人件費を削減するか・登録費収入を増やすかの2択しかないという結論に至ってしまったこと等が話題に上がっていました。

非営利組織の収入には、大まかに分けて3種類あります:1、会費収入、2、事業収入、3、寄付・助成収入。で、ボーイスカウトの場合は収入のほとんどが1の会費(ボーイスカウト加盟員からの登録費)収入に頼っているわけです。たしかに一部の活動は国庫補助金が出ているようですが、まだごく一部にすぎない。そこで思うのは、3の寄付・助成収入を増やす努力をすべきだということです。まさにパックスが日ごろ取り組んでいることを、ボーイスカウト全体として取り組めば良いのです。活動自体を大きく変える必要はありません。その活動のプレゼンテーションをうまく見せたり、ボトムアップ的(各団・各地区)な活動をトップダウン的なコンセプト・ビジョンに基づいて纏め上げれば、他の非営利組織に対抗できるような活動をしているはず。そうなれば、寄付・助成金も得られると思うのです。

映画:「ダーウィンの悪夢」

一昨日、「ダーウィンの悪夢」というアフリカはタンザニアを舞台としたドキュメンタリー映画を見てきました。ストーリは以下のとおりです(映画公式WEBサイトからの引用)。

淡水湖では世界第2位の大きさを誇るヴィクトリア湖。そこは、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。その湖に、今から半世紀ほど前、ささいな試みから、新しい生き物が放たれた。この大食で肉食の外来魚ナイルパーチは、もともと生息していた魚の多くを駆逐しながら、どんどんと増え、状況は一変。湖畔の町にはナイルパーチの一大魚産業が誕生し、周辺地域の経済は潤う。しかし、一方では、悪夢のような悲劇が生み出されていった。
新しい経済が生み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化……。まるでドミノ倒しのように連鎖する。さらには、ナイルパーチを積みにやってくる飛行機がアフリカへ運んでくるものにも驚くべき疑惑が……。
ナイルパーチは日本にも輸出されている魚だ。強大な資本主義が世界を覆いつくそうとする今、本作で情け容赦なく暴かれていく悪夢のグローバリゼーションは、決して遠い世界の出来事ではない。

我々が直面している、環境問題、貧困問題、社会問題が、いかにそれぞれが相互に関係しあい、複雑な問題であるかがよくわかります。 しかし、難しいからといって諦めるのではなく、自らができることを少しずつでもいいから、実行していくべきだと、映画を見終わった後に思いました。
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是非、見てみてください。そして、ネパールやモンゴルで僕らが取り組んでいる問題について、再度考え直してみると、いいのではないかと思います。

隊長になります

昨日、ボーイスカウト神奈川連盟海老名第2団の私の恩師から電話がかかってきました。

「来年の隊編成について相談なんだけど。」(恩師)
「あー、あまり顔を出せずにすみません。なんなら、僕を副長から下ろしてくださっても構いません」(僕)
「いやいや、話は逆なんだよね。ローバー隊の隊長をやってくれないかな?」(恩師)
「え!?」(僕)
「ローバーのウッドバッジ研修所に行ったことがあるのは青木君しかいないんだよね」(恩師)
「は、かしこまりました。それでは、やらせていただきます」(僕)

ということで、来年度からついに隊長ということになりました。責任重大、といいつつ、我が団のローバーはほとんどがボーイやベンチャーに対する奉仕なので、いきなり仕事が増えるわけではないのですが。

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