ホーム » Pax IV Hyper の投稿 (ページ 31)

作者アーカイブ: Pax IV Hyper

本の紹介:ネパールで風力発電する

読書の秋というわけでもないのですが、2回続けて本の紹介になります。池澤直樹さんのすばらしい新世界を今、読んでいます。まだ1/3も読み終わってないのですが、この本、めちゃくちゃ、僕らに関係しています。

なんたって、主人公が小型風力発電機を設置するために、ネパールの山奥に行くというストーリーなんですもん。風力発電!ネパール!俺らが読むしかない!

ということで、パックス全員、読むよーに(笑)。小難しいわけでもなく、小説だから読みやすく、いまのところ面白いですよ。

本の紹介:宇宙船地球号

バックミンスター・フラーの宇宙船地球号操縦マニュアルをご紹介します。この方は20世紀を代表する技術家で、地球を一つの宇宙船と捉える概念を提唱しました。以下は宇宙船地球号の簡単な説明です。

宇宙は無限である。無限である宇宙には、無限のエネルギーが存在する。しかし地球は現在のところ閉じたシステムである。閉じたシステムの場合には、そこに存在するエネルギーは有限である。そう、酸素やガソリンを積んだ宇宙船のように、いつかエネルギーを使いきってしまうのである。現在のところ、地球は有限のエネルギーを使いきろうとしている。ということで、地球は、地球に存在するエネルギーを消費するよりも、無限の宇宙からエネルギー(太陽風や宇宙線等)を取得すべきなのである。そうすれば、エネルギー的な観点からは地球も無限になる。

おもしろい考え方ですよね。

京都に行ってきました

週末を利用して、2泊3日で京都に行ってきました。紅葉にはまだ早かったのですが、東福寺・円通寺・大徳寺(大仙院)・鹿苑寺(金閣寺)・高台寺・南禅寺・延暦寺(比叡山)・鞍馬の火祭等を見学し、濃密な日本文化に浸ってきました。食事も、事前に京都に詳しい方にいろいろとご紹介を頂き、京都らしい・日本らしい、京野菜・にしんそば等をおいしくいただけました。このブログでは海外の写真が多いので、たまには美しき日本の写真も載せてみます。

DSC00674.jpg
東福寺・三門
DSC00680.jpg
東福寺・方丈庭園
DSC00693.jpg
円通寺の借景(背景の山は比叡山)
DSC00712.jpg
高台寺の庭園の夜景

こうやって写真を載せてみると、寺院の建築より、庭園のほうに美しさを感じていたことに気付きました。風景をも借景として庭園の一部に取り込んだ円通寺や、よく整備された日本庭園をライトアップしさらにそれを池に写した高台寺など、計算された美に感動しました。海外も楽しいですが、日本も、また、いいですね。

情報技術と開発協力・環境教育に関する構想

パックスでは2,3年前から、アジアの現場での活動に加え、日本でのネットや映像を利用した情報技術を用いて報告活動・ワークショップ開催などに取り組んできました。これは、構成員のほとんどが大学生で、現地を訪問できるのが年に1,2回でそれも2週間程度であり、現場にいる時間だけではなく日本にいる時間にも、僕ららしく活動したい・アジアのためになりたいという意味もあるためです。

現地での草の根レベルでの活動は、直接的でわかりやすいものです。しかし、それだけでは、視野が狭くなったり、全体最適ではなく部分最適解に繋がったり、はたまたもっと大規模・効率よく問題を解決するチャンスを失ったりする可能性もあります。また、先進国での若者に対する意識付け・環境教育を行うことにより、その若者が将来的に何らかの形で開発協力に関係してくれることも、僕らの国内での活動の目的です。

かなりまわりくどい言い方をしましたが、次回のネパールプロジェクトに関しては、これまで以上の情報技術を利用した報告・情報共有に取り組んでいければと思っています。11月上旬ぐらいまでにはその構想を発表できると思います。お楽しみに。

ボランティアを管理・制御する技術

現在開催中のアジア系フェスティバルにボランティアとして参加している方から聞いた話。そのフェスティバルでは、大々的にフェスティバルの運営・実施を手伝ってくれるボランティアを募集していたそうなのですが、申し込んでも主催者側から事前にまったく連絡が無く(ボランティア内容や集合日時すら知らされない)、本番当日になってやっと連絡が取れたそうです。

IMG_2160.jpg
(ネパールスカウトと突如的、野外ミーティング@カトマンズ2003)

そんな話を聞きながら、特に災害復興支援や緊急時に集まる多数のボランティアをどう管理・制御するかということを考えていました。たとえば、新潟の大震災の際は市町村役場等に全国からボランティアが集まったようですが、そのようなボランティアを誰が、どのような手法でマネージメントしたのか。そもそもボーイスカウトにおいてもボランティアのリーダーによって活動が成り立っているわけですが、これもある程度の長い時間をかけて人間関係を構築した上での活動運営であったり、少なくとも同じボーイスカウトであるという前提があっての共同作業であったりします。しかし、緊急時にはそれこそ素性の知れない雑多なボランティアが集まるわけで、そのような人たちを管理・制御するのは難しそうだなぁと思ったのです。

ボランティアを管理・制御する手法・スキルについての研修とかも、実は世の中にはあったりするのかなぁ。新潟の大震災時はどのようなマネージメントがあったんだろう。ご存知の方、教えてください!

モンゴルプロジェクト:草原プログラム

4日目は半日の休養を入れ、草原プログラムという事でモンゴル自然環境省を訪問し、草原破壊の現状と政策についてお話を伺いました。草原プログラムはこの日の自然環境省訪問と、モンゴル各地での土の採取と東京農業大学での分析という2本だてのプログラムです。

モンゴルは森林は北部の一部地域にしか広がっておらず、殆どは草原とゴビ(石ころとほんの少しの草が生えてる乾燥した地域)が広がっています。近年、過放牧や雨量減少などの人為的原因により草原が破壊されているという話を日本で聞き、植樹よりも現状に合った活動なのではないかという事で草原破壊に関するプログラムを模索する事になりました。今年は来年度以降の本格的な実施に備え、情報収集や調査を主に行う事になりました。

IMG_4401.jpg
(緑の長城計画担当者の方々)

モンゴルでは緑の長城計画というものを行っており、これは植樹によりモンゴルの西から東まで木のベルトを作るというものです。最初に緑の長城計画についてお話ししてくださり、その後私たちから質問をしていきました。

IMG_4395.jpg

最後私たちから、「私たちのような活動をしているものに、どのような事を望むか」という質問をした所、自然環境省が行っている調査に参加しないかという提案が返ってきました。日本・モンゴルスカウトと自然環境省でプログラムを行う。これは非常に興味深い構図です。自然環境省という国の政策を行う方々とモンゴルの自然に関してプログラムを行えたら、非常に効果的な活動が出来るかもしれません。

ただ、日本のスカウトが外国の政府と連絡をとる場合には、日本連盟を必ず経由しなければならないという規約があるので、まーその辺どう言われるかわからないですが、モンゴルプロジェクトのような国際協力プロジェクトを本気で行うなら、そのような事例も多々出てくるでしょうから検討したいものです。

IMG_4403.jpg
(この日はオランダの海外協力省の人たちも来ていました。)

プログラム後はモンゴルスカウトとUB近郊の高台にある、ザイサントルゴイという観光地に行きました。ここはハルハ川戦争(いわゆるノモンハン事件)でのモンゴル、ソ連の勝利を記念して作られた記念碑です。社会主義時代のモンゴルとソ連の協力関係を表した記念碑でした。いまではここはUB有数のデートスポットになっているようです。眺めもいいですし。過年度クルーはここから見えたUB市内は、去年無かった場所に建築群が出来ていたり、大きく変わっていると言っていました。

CIMG0358.jpg
(ソ連とモンゴルの兵士が協力して日本を踏みつけてますね。)

CIMG0359.jpg
(UB市内全景。ここにモンゴル国民の半分以上が集中している。)

モンゴルプロジェクト:石鹸プログラム

派遣6日目、9月5日に石鹸作りプログラムが行われました。このプログラムは、3年前(希望の架け橋プロジェクトへの参加)から、母子家庭に向けての援助を目的として実施されてきました。今年は、全ての材料調達を現地で行い、母子家庭の方にとって手軽に作成できる環境を整えました。

IMG_4484.jpg
(レクチャーの様子)

実際に、石鹸(廃油を使用した原価の安い石鹸)の作り方を母子家庭に伝授するべく、午前中はレクチャーを行いました。レクチャーの進行もスムーズでした。

IMG_4491.jpg
(母子家庭の方も実際に製作)

母子家庭も積極的に、尚かつ楽しみながらプログラムに参加することができたと思います。

IMG_4513.jpg
(日本・モンゴルスカウト、オルホン大学、商工会議所が協力)

石鹸作りレクチャーには、日本・モンゴルスカウト、母子家庭の方々に加え、オルホン大学日本語学科の学生達が参加し、参加者は40名を超え、4団体の交流も十分になされました。ちなみのこの人数を車2台で運んだのは今でも信じられません。

IMG_4558.jpg
(モンゴル連盟での会議の様子)

午後は、午前にレクチャーした石鹸を実際に販売の流れに乗せるべく、モンゴルスカウトとミーティングをしました。国内の一般的な市場に乗せるというモンゴルスカウトの認識と、チャリティ−の意味を込めた外国人向けの販売をするという日本側の認識のギャップがあったため議論は白熱しました。最終的には、日本側の意見がモンゴルスカウト納得の上で反映されました。

結論として、石鹸にこだわらず、母子家庭の援助に繋がりやすい販売物を模索していくことが確認され、まずは石鹸から始めてみようという意見の一致のもと石鹸プログラムを終えました。尚、昨年作成した石鹸は、モンゴル連盟内で販売され、近々母子家庭にお金が渡ることになりました。

モンゴルプロジェクト2006報告会第1弾

パックス主催ではありませんが、モンゴルに関係する3,4団体合同で下記のように成果報告会を開きます。もちろんパックスも約20分間の発表の時間を与えられております。

日時:10月22日(日)15時〜18時
場所:横浜市立大学 
主催:東アジア環境協働行動よこはま(EAEWy)

参加希望者の方がおられましたら、mongolia(atmark)rovernet.jpまでご連絡いただければ幸いです。

CIMG0620.jpg
モンゴルの小学校での環境ワークショップ風景

なお、これ以外にも11月18日と12月3日にも報告の場を設ける予定です。詳細が決まり次第、こちらのブログに掲載します。

0

地球環境行動会議アジアNGO・NPO視察報告書

7月に参加した地球環境行動会議の海外NGO視察に関して、僕が行ったインドネシアを含め各国の報告書がこちら(地球環境行動会議アジアNGO・NPO視察)で公開されています。

写真を中心とした報告書なので、詳細を知ることは出来ませんが、雰囲気はつかめると思います。ご参考までに。

政治家との対話

7月に参加した地球環境行動会議の海外NGO視察に関して、他国の視察を行った国会議員さん達を交え、先週報告会が行われた。出席されたのは元総理大臣・元環境大臣・元文部大臣等のそうそうたるメンバーで、合計約15人。報告会の後の懇親会で、僕の隣は元環境大臣で、斜め前は元総理大臣でした。けど、どの方も、けっこうふつーのおっさんという感じで、親しみやすく話しやすい方ばかりでした。

DSC00652.jpg
(国会議事堂・首相官邸の近くのあるホテルが会場でした)

世界スカウト財団2005年報告書には”Scouts don’t get involved in politics.”という文章があったけど、僕はそれには賛成できないな。必要があるなら、政治も巻き込むべきだと思う。そうしないと変わらない何かがある気がするし、みんなで力を合わせた方が効率が良いと、単純に思うのさ。そして当然、政治家にできないこともある、それは草の根レベルの僕らが取り組めばいい。

ボーイスカウトをただの教育団体と認識するのは、もはや間違っている。そんな間接的な社会への貢献だけじゃなく、直接的な貢献が、今求められている。

月別アーカイブ