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ネパールプロジェクト長期計画(日本連盟提出用)
日本連盟に提出・提案するネパールプロジェクト長期計画(7.8MB)ができつつあります(今後修正・更新の可能性あり)ので、皆様にも公開し、広くご意見を頂戴したいと思っています。この長期計画は、ネパールプロジェクト経験者である横澤さん・大塩さんを中心として、和田さん、佐藤さん、加藤さん、山中さん、山本さん等のパックスメンバーの協力により作成されました。以下、長期計画提案書の「はじめに」からの抜粋です。
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本提案は、ユーススカウトグループPax IV Hyper(以下、Pax IV Hyperと省略)による平成18年10月に財団法人日本ボーイスカウト連盟(以下、日本連盟と省略)に申請された「海外派遣企画の公募」により、平成19年度より日本連盟の主催事業となった「ネパールプロジェクト」の事業計画に関するものである。
Pax IV Hyperでは、2002年3月より過去5年間にわたり、ネパールのボーイスカウトと共に「ネパールの自然環境保全」を事業理念として、協力協同の運営体制の下で、継続的にネパール王国で環境保全活動を実施してきた。その礎を参考にしてネパールプロジェクトの運営手法の変遷、各年度ごとの事業特徴、得られた収穫などを「これまでの5年」として総括し、日本連盟の主催事業としてローバー年代のスカウト達が如何なる方法で自発的なプロジェクト運営を進めていくかに関してをこれまでの活動背景を振返りながら10年という長期的な計画を考案し、「これからの10年」としてまとめたものである。なお、後にも記載をするが過去のプロジェクトは日本連盟規約13-5-7の海外派遣承認申請への申請が難航した事により平成19年度より「海外派遣企画の公募」への申請の実施を決定したという経緯がある。
また、本提案の作成にあたり、これまでネパールプロジェクトに関わった多くのスカウトの意見が反映されており、これからの日本連盟へのネパールプロジェクトに関するPax IV Hyperとしての協力手法をまとめたものであることを付け加えさせて頂く。
日本教育工学会での発表題目
Pax IV Hyperのネパールでの活動から派生した研究について、以下の通り日本教育工学会第23回全国大会にて発表が決定しました。一つのローバースカウト活動から複数の成果を生み出すこと、そしてその成果を一般化・モデル化して、広く社会の評価にさらす事。モンゴルメンバーが現地で頑張っている現在、ネパールメンバーは発表に向けて研究活動を頑張っています。
■日本教育工学会第23回全国大会
日時:2007年9月22日-24日
場所:早稲田大学所沢キャンパス
◆「全周囲パノラマ画像による教材の開発」
著者・発表者:加藤洋平(第1著者・共著)
概要:通信速度の高速化、コンピュータスペックの向上により、小中学校でもリッチコンテンツが扱える環境となってきた。空間再現力の高い全周囲パノラマ画像は様々な利用ができる。そのような背景のもと、本発表では360 度前後左右上下を自由に視野操作できる全周囲パノラマ画像を用い、デジタル地図と連携させ、ネパール王国の自然環境を題材とした環境教育教材の開発について報告する。
◆「ネパールにおける大学生による環境教育授業の開発」
著者・発表者:横澤樹一郎(第1著者・単著)
概要:本テーマは世界216 の国と地域で青少年教育を念頭に世界平和に向けた活動をしているボーイスカウトという運動体の中で実施したプロジェクトを客観的に分析した結果である。本テーマでは、ネパールと日本の大学生年代のボーイスカウトがネパール王国で実施している活動の一つである環境教育授業の効果について考察する事を目的としている。大学生年代の青少年の国外での環境教育授業の開発と実施に関して、深く掘り下げていく。
第21回世界スカウトジャンボリー終了
イギリスで開催された第21回世界スカウトジャンボリーに参加していた陰山君から帰国報告メールが届きました。彼は今日からモンゴルプロジェクト2007に参加する為に、再び成田空港に向かう為に手短な報告でしたが、ジャンボリー会場では、ネパールプロジェクトを一緒にやっているネパールのスカウトと再会できたこと、モンゴルプロジェクトの関係者に再会できたこと等が書いてありました。
また、おなじジャンボリーにバングラデシュからバングラデシュ派遣団アドバイザーとして参加した友人からもメッセージがありました。与えられた環境下で参加スカウトたちはとても楽しんでいるように見えたけど、指導者・運営者的な視点で見るとかなり問題の多いイベントだったのではと彼は言ってました。
・ 参加人数が多く、長期間のイベントにも関わらず場外イベントが少なすぎる
・ ハイキングもないし、自国ではできないようなアウトドアアクティビティもほとんどなかった
・ 参加スカウトは場内での交流・ダンスばかりをしていた
・ 運営者側は1日1万人ぐらいの一般見学者の対応に忙しかったようだ(入場費20ポンド)
・ 商業的には成功だったのかもしれないが、スカウト的・教育的にどうだったのかは疑問が残る
このメッセージをくれたバングラデシュの約28歳の青年は、日本でのムート2001に参加したり、バングラデシュやインドでのジャンボリーや各種アドベンチャーキャンプにも参加したことのある人です。メッセージの最後に、もし日本で第23回の世界ジャンボリーをやることになったら、「頑張ってね」と言ってました。今回のジャンボリーに参加された皆様はどのような印象を持ったのでしょうか、ご意見・ご感想を教えていただけると幸いです。
静岡22団瀬戸内海無人島キャンプ
静岡22団ベンチャー隊瀬戸内海無人島キャンプに参加した横澤君からの投稿です。
パックスのメンバー二人で静岡22団のベンチャー隊キャンプへ参加して参りました。そもそもの経緯はネパールプロジェクトのアドバイザーの方からの誘いであり、二泊三日の無人島キャンプをシーカヤックインストラクターのCSCさんに指導して頂きながら実施しました。個人的には久しぶりの水道さえない場所もない場所でのキャンプでしたが満天の星、調味料として大活躍したシシトウやダッチコーヒー(全部、静岡22団の方たちの持参品)、気さくなインストラクターさん、静かな瀬戸内海とゆっくりした時間、砂浜に龍安寺の石庭を再現したり、そしてVS隊の高校一年生の方達のプロジェクトについてのMTGに参加するなどスローライフながらリフレッシュする機会を与えて頂きました。
環境教育プログラムの紹介
パックスがネパールで実施した環境教育アクティビティを紹介します。夏のキャンプ等で取り入れてみてはいかがでしょうか?
1、驚異の旅:生徒が水分子となり9つの場所(川、雲、氷河、植物、動物、湖、地下水、海)を双六を振りながらロールプレイングし、水循環を実際に体験しながら伝える。
2、大海の一滴:ペットボトルの中の水を世界中の全ての水に例えて、飲料可能な水がとても希少である事を視覚的に理解させる。
3、ハンプティ・ダンプティ:美しい川の写真を用意して、細かくちぎっていき、また修復してみる。修復しても完璧にもと通りには戻らない事より、実際の生態系も壊すと完璧に復元する事は出来ない事を理解させる。
4、通り抜けます:生徒が木と水に分かれて担当し、水はスタート地点からゴール地点まで流れていき、木は流れる水を邪魔する。そして、段々と木を減らしていく。スタートからゴールまでに要する秒数を計り、後に木を減らすと早く水は流れていく事を気づかせ、実際の土砂災害もこの一種である事を伝える。
5、塵もつもれば:生徒が町を模造紙上に計画し、好きに開発をしていく。その後に、一つ一つの建物より出るゴミを見立てたチップを置いておき、町に流れる一つの川へチップが流れた際に、どれだけのゴミが上流から下流へと流れるかを視覚的に把握する。
世界スカウト財団役員と青年たちとのラウンドテーブル
ボーイスカウト日本連盟のウェブサイトに、世界スカウト財団役員と青年たちのラウンドテーブルの募集要項が掲載されました。世界スカウト財団といえば、世界スカウト機構の予算の大部分を拠出している財団であり、年次レポートでは世界中のGift for Peaceのプロジェクトについて掲載しています。日本のローバースカウトもネパール、モンゴル、バングラデシュ、フィリピンといった国際協力活動をやっているので、ビジョンとしては似たようなものを持っているのではないかと勝手に予想しています。その財団の役員とのことなので、世界のボーイスカウトに対する考え方、予算の配分、もしくは役員個々人のキャリア等についても面白い話が聞けるかもしれません。とてもいい機会ですので、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか?
マネさんカタールへ
日本全国のマネさん(Manohar)ファンの皆様!本日は大ニュースです。われらがマネさんが、中東にあるカタールという国のドーハというところに転勤になったそうです!(注:マネさんとはネパールのボーイスカウトで、Pax IV Hyperネパールプロジェクトの初期からの協力者であり、ムードメーカーです。)以下、スージャン(Sujan)からのメールの引用です。
I was also engaged in assisting Mane in his preparation of upcoming visit to Qatar. For your kind information, Mane has scheduled to leave for Doha, Qatar on June 25 for job. He will work in the same company as Ganesh does and will stay for 2 years. I am little unhappy to bid farewell, however, very happy for his future career.
2007年3月のポカラはアンナプルナ山群をバックに、羽ばたくマネさん。スージャンが剛・理の人だとしたら、マネさんは柔・情の人かな。最近は真面目な話もできる様になってたけど、ローバースカウト現役だった2,3年前は、プロジェクトの話より女の子の話、趣味の話等をしたがるような人でした(笑)。日本のスカウトでもマネさんファンが多いわけです。
Pax IV Hyper代表、加藤さんと世界のスカウトの未来について語っている写真、なわけはありません。だって、手元にはビールだし、この表情はまたアホな話をしている証拠です。是非、カタールに行っても健康には気をつけて、頑張って欲しいですね。ネパールプロジェクトの同窓会は、ドーハでやりましょう!
第6回 ソニーマーケティング学生ボランティアファンド報告会参加
第6回ソニーマーケティング学生ボランティアファンドの報告会が下記のように開かれました。ボーイスカウト関係者としては、Pax IV Hyperのネパールプロジェクトと、早稲田ローバース主催のモンゴルプロジェクトが参加しておりました。早稲田ローバースの報告会参加報告はこちら。
■日時:2007年6月30日(土)9:30-17:00
■場所:東京国際フォーラム@有楽町
■内容:発表会、分科会、懇親会
報告会に参加した横澤君によると、分科会や懇親会を通して、どの学生団体も似たような問題を抱えていることがわかり、またその議論の過程で自分達の長所・短所も見つけられて、今後の活動の参考になったと仰ってました。ボーイスカウトの大学生年代のプロジェクトと、一般的な大学生のサークルやボランティア団体との活動を比較できたという意味でも、良い機会になったと思います。
スカウト運動100周年記念ジャンボリーに向けた準備
ボーイスカウト運動が誕生してから今年で100周年。その記念のジャンボリーが今夏、スカウト運動発祥の地であるイギリスで開かれます。日本からも100人以上のスカウト・指導者が参加する予定だそうで、パックス・メンバーでも2,3名がIST(International Service Staff)として参加する予定です。皆さんはそんなジャンボリーに向けて、何か準備はしていますか?
実は世界的にも今年のジャンボリーに対する盛り上がりは例年とは違うらしく、先日訪れたネパールでは、特殊な準備をしているローバースカウトがいました。 彼は子供の頃からスカウト活動に参加しており、2001年には愛知県で開かれたムート2001にも日本連盟海外スカウト受入事業を利用して参加しており、いまでもネパールのパタン(ラリプール)でローバースカウト・ローバーアドバイザーとしてアクティブに活動しています。そんな彼の職業は彫刻家。そう、世界文化遺産として認定されている古都パタンで、彫刻職人として生計を立てているのです。そんな彼が、ジャンボリーのためにしていること、それが自らのスキルを生かして、スカウトの三指の敬礼の彫像を作成しているのです。下がその写真です。
ボーイスカウトを愛していて、日常生活までにスカウト活動が浸透している人は日本にも多いですが、ネパールでも同じような光景を見て、驚きつつ・ほのぼのと嬉しくなりましたね。できたら完成品を世界ジャンボリーの会場に送りたいと言ってましたが、輸送費が高くなりそうで、どうなるかまだ未定でした。ちなみに彼の仕事場は以下のような雰囲気です。
事後報告:バグマティ川プログラムの報告ーその1ー
バグマティ川プログラムは3日間実施しました。1日目、2日目はフィールドワークを含めたプログラムであり、3日目は協議(フォーラム)を伴うプログラムでした。2007年2月に実施したプログラムのメインプログラムです。このプログラムについては何回かに分けて紹介をさせて頂こうとかんがえています。
1、大きな誤算
このプログラムを実施する経緯は、2006年3月に実施したネパールでの日本とネパールのスカウトによる準備の話し合いの席で、ネパールスカウトからのプログラムに対するニーズとして都市を流れる河川であり、宗教的には「聖なる川」と位置づけられるバグマティ川が最近、生活排水などが下水処理の充実が遅れている為に、ゴミや水質の悪化が目立つという事よりこの問題に焦点を当てたプログラムの展開をする事をこの会議で決めました。それがバグマティ川プログラムです。その決定より、1年弱をかけて日本クルーはこのプログラムの計画を練ってきました。その中でプログラムの1つのセッションではゴミマップを作るプログラムを実施する事を計画し、ネパールスカウトにメールにて提案をしていました。しかし、現地に2007年2月に渡航し、プロジェクトの最初に行う調整会議において、ネパールスカウトより「ゴミ拾いをする事は意味がない」という回答をもらいました。理由は、ゴミ拾いをしてもその拾った部分のスペースには3日も経てば新しいゴミがそこに捨てられるだろうという事でした。それよりもバグマティ川に植林をして緑の豊かな空間を作っていく事が良いのではという意見を頂きました。
以上の事は、お互いに密な連絡を取ってこなかったという面が露呈した事であったと思います。また、そしてネパールのスカウトと日本のスカウトが河川の付近の環境を豊かなものにしていく事を考えるときに、どの様なアプローチをするかという事がとてもずれていた様に感じます。改めて、他の土地でプログラムを実施する事を考えるときに忠実に現地のニーズを引き出す事の大切さを思い知らされました。結局、ゴミ収集は出来ませんでしたが、調整会議において少しプログラムを組み立てる事が出来、立て直しをする事ができました。
2、プロジェクトWETというプログラムの利用について
今回のプロジェクトでは、河川環境に関する環境教育の「ネタ」として、「Project WET(Water Education for Teachers)」というアクティビティを使用しました。使用した対象者への「受け」も良く、使い易いアクティビティでした。これまではこの様なネタは自分達で議論をして、作ってきましたが、それよりも完成されたアクティビティであったなと思います。最終的には、その様なアクティビティのネタづくりも自分たちの力で出来れば良いと思いますが、今回プロジェクトWETを使用した事は大変良かったと思っています。
また、1つのアクティビティでフリカエリを通して「伝えるべきメッセージ」を短い時間で伝えることが出来た事は、時間調整やセッションの順番の調整が多かった今回のプロジェクトにおいて、汎用性あるセッションであったと思っています。実施した僕らやネパールスカウトにもとても勉強になりました。このプログラムは原隊でのプログラムとしても有効な気がしました。
3、バグマティ川プログラムの今後
今回のバグマティ川プログラムは従来通り環境に関してアクティビティやワークショップを通して伝えたい事を伝えるという教育的な要素の強いプログラムでした。この様なプログラムを継続していく事や醸成させていく事は必要な事であると思います。また、前々回のブログでも紹介したkirtipurでの共同水場の施工などという様な「形に残るプログラム」についてもネパールスカウトよりニーズとして挙っています。ただし、形に残すという事は維持・管理等の問題もあり、中々手を出しにくい分野であると思います。どの様なアプローチをしていくかがネパールのスカウトと日本のスカウトの今後への課題であると感じています。
(「驚異の旅の実施」ー伝えたいメッセージ:水循環 )
(「ハンプティダンプティ」ー伝えたいメッセージ:一度壊した自然は直し難い)
(「塵も積もれば」ー伝えたいメッセージ:ゴミも積もれば、、)