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Gregory: ボーイスカウトから生まれた製品

「バックパックのロールスロイス」、「背負うのではなく、着るパック」と称されるバックパックメーカーがあります。名前はGregory(グレゴリー)、創業者はウェイン・グレゴリーという方。おそらくアウトドアを好きな人にとっては、このブランドは有名なものであり、その製品の高い品質も知っていることであろう。

で、注目すべきはこのウェイン・グレゴリーさん、実はボーイスカウトであって、ボーイスカウトのプロジェクトの一環(日本で言うと特修章取得のために?)として、14歳の時に初めてバックパックを作ったのがきっかけとなり、それ以来革新的な製品を作り続け、今では世界中で使われているパックパックメーカーになったのです。

ボーイスカウト出身者の偉人は米国などでは多くいるのですが、ボーイスカウトでのプロジェクト・活動がそのまま起業・ビジネスにつながったケースは結構珍しいのではと思いました。しかもボーイスカウトのアウトドアに強そうなイメージが、グレゴリーのブランド価値向上にも少し関係するのかなと考えると、ボーイスカウト発のビジネスも面白いと思ったのです。

会議のための会議?

昨日、ボーイスカウトの機関紙である「スカウティング2005年4月号」が届いた。今日はその17ページの「第4回アジア太平洋地域スカウトユースフォーラム」と「Rover Scouting: 全国ローバース会議&ユース委員会」という記事を読んでの感想を書いて見たいと思う。

これらの記事は双方とも、ローバースカウトのフォーラムへの参加報告、会議体の設置提案についてであった。しかし、双方とも会議の会議にはなっていないだろうか?本当に議論をしたい内容があるわけではなく、会議への参加自体に興味があって、議論事項については興味がないのではないだろうか?確かにローバースカウト年代にとって自分の意見を発表するスキル、コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキルが重要なのには間違いない。しかし、それぞれアジア太平洋の代表、各県の代表、地区の代表を集めて行う会議なので、それだけではもったいない。

特に「第4回アジア太平洋地域スカウトユースフォーラム」の報告者3人は全員とも英語でのコミュニケーションの問題を挙げているが、それが本当の問題なのだろうか?本当の問題は、主張したい事項を持たないことだとおもう。何を主張したくて、何を提案したくて、それぞれの会議に参加しているか、ということを自問自答してみれば明らかになるだろう。「いや、会議に参加して見たかった。交流をしたかった。」という答えだったとしたら、私の予想は当たっていたことになる。本当に主張したいことを持っていた場合には多少の語学力のハンディキャップは乗り越えられると思うのである。

じゃあ、もし僕がいま、APRや世界的な会議に行くとしたら、何を提案したいか。
 ・ 発展途上国での多国籍ローバーによる地域開発プロジェクトの提案
 ・ 次期サッカーワールドカップでの多国籍ローバーによるボランティアの提案
 ・ 世界スカウト事務局でのローバースカウト向けインターン制度
等は面白いと思うが、いかがだろうか。

環境教育のやり方

「木を切ってはいけません」「テントを建てても側溝を掘ってはいけません」「直火の焚き火はいけません」

最近の野営活動における指導では、このような注意が多くなってないでしょうか?環境保護という名目上、環境に対して少しでも悪いと思われることは全て禁止する。しかもその教育を小・中学生という若い頃から徹底させる。確かに若い頃に見につけたことは、大人になってからも離れず生活習慣として定着します。しかし、この「・・・はいけません」教育は本当に良い教育方法なのでしょうか。

私が小・中学生だったころはまだ「環境」は流行っていなくて、「薪がなかったら、燃えそうな木を切り倒して来い(実際には立っている木は燃えませんが。。。)」「テントを建てたら、雨に備え、必ず側溝を掘れ」「ガスストーブなど邪道だ、直火、命」という指導を受けてきました。そんな中で、自然での活動の楽しさ、厳しさを学んだのと同時に、その貴重さも身をもって感じてきたような気がします。

せめて若い頃は、「・・・・してはいけません」という指導法より、もっと純粋に自然、環境に触れさせて、その楽しさを植えつけたほうが良い教育法だと思うのです。確かにあらゆることを論理立てて禁止させることはできます。しかし、それは他人からの押し付け、言われたからやるということであって、自らそうしたいと思ってやった行為ではなくなります。自ら自然の楽しさ、貴重さを知っていてこそ、自らそれを守ろうとするのではないかと思うのです。

ということで、山に入れ、海に入れ、林に入れ!楽しく行こうぜ。

史上最強のリーダー:シャクルトン

「科学的な指導力ならスコット、素早く能率的に旅することにかけてはアムンゼンが抜きん出ている。だがもしあなたが絶望的な状況にあって、なんら解決策が見いだせないときには、ひざまずいてシャクルトンに祈るがいい」

世の中にいろんなスタイルの指導者・リーダーがいる。上記の言葉は、南極冒険の3探検家(それぞれ探検隊のリーダー)について、それぞれの特徴を説明したものである。絶望状態からの帰還を果たしたリーダーシャクルトンの漂流記「エンデュアランス号漂流」は、今後なんかしらの組織のリーダー、隊のリーダーになる人にお薦めします。

シャクルトンをテーマにした別の本「史上最強のリーダー シャクルトン — 絶望の淵に立っても決してあきらめない」の目次を見ただけでも参考になりそうです。

序章 並ぶ者なき史上最強のリーダー
第1章 何事も恐れずに、寛大さを持て
第2章 身分、地位よりも、意欲で人選
第3章 階層を破壊すれば、結束は固まる
第4章 命令しなければ、人は動く
第5章 過去を捨てることで、最善の選択ができる
第6章 試練とは、突破するためにある
第7章 絶望を乗り越えてこそ、目的地へ
第8章 シャクルトンは、すべての人に受け継がれる

「命令しなければ、人は動く」なんてのはなかなかしびれますね。自らの意思で活動をするもの、組織のボトムアップからの提案・活力で動いている組織が強い・長続きするんですよね。ローバー組織についてもそれが当てはまる気がします。

ボーイスカウトの時価総額

最近のライブドア、ニッポン放送、フジテレビの株式に関するやり取りを見ながら、株式会社の恐ろしさを感じてました。お金さえあれば、会社が買えてしまう。どんなに人気があっても、ブランド価値があっても、金さえあれば、他人のものになってしまう。ルール上はそうなのかもしれませんが、簡単には納得はいきませんよね。

で、ふと思ったのは、ボーイスカウトは買収されるか?答えは買収されないということになります。ボーイスカウトは株式会社ではなく、財団法人なので。では、もし、ボーイスカウトが株式会社だった場合は、組織としてどれだけの魅力があるのか=どれだけの株価をつけるのでしょうか?さらにはどのような企業から買収提案が出てくるのでしょうか?これだけの会員を持つ団体の時価総額はいくらになるんでしょうか?

あり得ない話を想像だけで話をするのは、あまり意味の無いことかもしれませんが、ボーイスカウトの存在価値を計る、ちょっと歪んだ一つの手法かなぁと一人で思ってました。後発の青少年教育団体に吸収合併されるという危機感なんてのがあったら、もっとボーイスカウトも活性化するんじゃないかなぁー。

応用問題としては、東京大学を買収できるとしたら?なーんてのも空想の世界だけでの話ではありますが、面白いですね。

ボーイスカウトエベレスト登山隊?

「数人のローバースカウトと1年間をくれれば、エベレストに登らせてやる。」

ネパールプロジェクトを立ち上げる当初、我々は登山家の田部井淳子氏が代表をしている日本ヒマラヤンアドベンチャートラスト(HAT-J)に協力をしてもらっていた。ネパールのルクラ周辺での植林活動やエベレストのベースキャンプ(標高約5000m)訪問等のプログラムはHAT-Jと一緒にやってたからこそ実現できたプログラムだった。

basecamp.jpg
(2002年のネパールプロジェクトで訪れたエベレストベースキャンプ:写真後ろの山がエベレスト)

そんなプログラムの企画段階の時点で、HAT-Jの方に言われたのが上記のコメントである。当然、準備期間の1年間のうちに登山・高所順応・野営技術等をみっちり訓練して、複数人の経験者に協力をしてもらい実施するという段取りになるのだろうが、当時、あぁ、そんなことも可能なんだと衝撃を受けた覚えがある。その時点では、興味を持つ人が複数人集まったらお願いします、という返答をしていたが、それ以降この話は進まず、もっぱら首都のカトマンズ周辺でのボーイスカウト同士の地域開発プロジェクトを中心にネパールプロジェクトは進んでいる。

ある一定期間をしっかりした訓練期間に設定し、その後にハイアドベンチャープログラムを実施するといったローバーリングがあっても良い。エベレスト登頂でも良いし、アラスカのユーコン川下りでも良いし、コスタリカでのジャングルトレッキングでも良い。そんな夢のあるプログラムを実現しようとするローバーはいないのだろうか。

ローバーの連盟内政治に対する興味

東京のローバーコミによるコミュニケーション?:セイさんとタツロウさんの交換日記」にトラックバックしています。

確かに最近のローバースカウトにとって、「ローバース会議」「ローバー代表者会議」「日本連盟の全国会議、委員会等」に対する興味は少なくなっているように思えます。昔は日本のローバーリングの方向性を変えたいと思い、上記のような会議に参加・運営したのを覚えていますが、最近はわざわざ日本連盟や都連盟にまで出て行く必要が無く、結構自分達のまわりだけでやりたいことを実現できてしまうから、このような状況になったのかなぁとも思います。

また、考えうるもう一つの理由は、過去数年間の青年参画事情を見てきてしまっていて、それに失望しており、はじめから連盟・会議体には何の期待もしないし、求心力も感じないのかもしれません。さすがにこれほど日本連盟での青年参画事情が悪いと、ユース年代にも諦めが出てしまうのはしょうがないと思います。

ローバースカウトの政治(会議体、連盟での参画)に対する興味がなくなったことについて、それ自体は悪いことなのか。私は一概には悪いとは思いません(必要がないと感じるなら、それはそれでいいと思います)が、将来のこと・後輩のことを考えるならば、連盟に出て行って、奉仕したり、貢献して、環境作り、方針策定みたいなのをしてもらいたいなぁとも思うのです。

Pax IV Hyper Studio

会社を定時であがり、青山にある国際連合大学に行って、打ち合わせをしてきた。打ち合わせ内容はPax IV Hyperによるコンテンツ制作プロジェクト。Pax IV Hyperによる各地でのプレゼンテーションやWEB上で公開している報告書製作等をより強化するために、意見交換・お願い等を国際連合大学&慶應義塾大学にて教授をやっている方としてきた。以下、本日の議論事項を記述する。

Pax IV Hyperによるコンテンツ制作
これまでもプレゼンや報告会等のために、発表資料・報告書作成はやってきた。2005年4月に、何人かのメンバーが学生から社会人になることから、現場での奉仕活動、野外活動からある程度の距離を置かなければならず、しかしこれまで自分が得た経験や、ITスキルを活用して、青少年教育に生かすために、自分達の経験や、新たな取材・調査を通じて材料を集め、文書・発表資料・WEB・映像等を作っていこうということになった。

United Nations University: Media Studioの活用
私がフェローになっているLEADと慶應義塾大学、国際連合大学、シスコシステムズの4者で開設したメディアスタジオのインフラについて、今後の交渉にもよるが積極的に活用していくということになった。会議室としての利用はもちろんのこと、WEBサーバ、映像編集システム等も内容によっては利用可能になりそうとのこと。

Asia Pacific Initiative
上記のPax IV Hyper & LEAD or Media Studioのコラボレーションがある程度軌道に乗った段階で、今度はボーイスカウト日本連盟とLEADに正式にコラボレーションを提案し、グローバルな青少年教育団体と、グローバルな環境保全人材ネットワークを有機的につなげたり、もしくは国際連合大学のE-learningのノウハウ等をボーイスカウトのほうに移植したりできたら良いなぁと思っている。2年前くらいに上述4者によって立ち上げられたAsia Pacific Initiativeのようなアイデアにボーイスカウトのアジア太平洋地域も加われれば、新しい何かが出来る気がする。

大学の先生と話をすると、視野が広く、相手にしている世界も大きいので、あ、そーゆー見方もできるんだと気づかされることが多い。ただ、現実的には、抽象的なことばかり言っているわけにも行かず、具体例を作っていかなければいけないので、まずはPax IV Hyper数人で確かな実績をコンテンツ制作でやって行きたいと思っている。ボーイスカウトとITとは、言葉的には流行っているが、実態がなかなか見えないので、具体的な成功例を作りたい。

Killer Innovation

先日、ソニーという会社の経営陣が刷新されることが発表された。その企業の製品、ブランド、技術、経営、そして何よりも創業したときからのその歴史が日本国民に愛されてきたせいか、ニュースでも大々的に取り上げられた。で、アメリカのあるニュースサイトでは以下のような文章が載っていた。 “Inside Japan, Sony Corp. is considered something akin to a national treasure. It’s a company that has been emblematic of engineering excellence, killer innovation, and savvy marketing.”

この”Killer Innovation”という単語にグッときた。。。。Innovationは革新という意味。しかもそれにKillerがつくとなると、殺人的な革新とでも訳すのだろうか。とにかくちょっとしたマイナーチェンジなのではなく、世界を変えるような製品・サービス・作品を出すということなのだろう。で、このブログはボーイスカウトネタを中心にするという方針なので、最近のデジタル機器、IT事情、経営等はとりあえずおいておいて、ボーイスカウトの話につなげる。

ご存知かもしれないが、ソニーの創業者井深大は財団法人ボーイスカウト日本連盟理事長・総裁代行をやっていたこともあるのだ。なのに何故、日本のボーイスカウトはこんなにInnovativeじゃないのか。。。。現代の青少年教育におけるKilller Innovationはなんなんだろうか?そのKiller Innovationは誰が生み出しえるのだろうか?文部省、学校教育、それとも塾なのだろうか?ボーイスカウトがKiller Innovationを生み出しても良いのではないだろうか。

ソニーには設立趣意書なるものがある。前述の井深さんが書いたものとされている。
”真面目ナル技術者ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設”この文章、いくつかの単語を変えれば、ボーイスカウトにも適応できる気がする。”真面目ナル青少年ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由豁達ニシテ愉快ナル理想環境ノ建設”

ボーイスカウト発Killer Innovationを是非!

(英文記事や設立趣意書を読みながら、ブログを書いていたら、妙にアツクなってきて、文章もまとまりのないものになってしまいました。。。失礼いたしました。)

第22回世界ジャンボリー開催地レース

次回の第21回世界スカウトジャンボリーは、スカウティング100周年を祝い、イギリス・エセックスで開催される予定です。

どのように開催地が決められるかというと、3年おきに開催される世界スカウト会議の場で、決議されるわけですが、実地調査委員というものが存在するわけではないので、プレゼンテーションの上手さと地道なロビー活動や対比させたイメージによって、各加盟国の1票が決まるといっても過言ではありません。

近年は、世界スカウトムートとの関連もうまく揃っていて、

世界ジャンボリー 世界ムート
95年 オランダ  96年 スウェーデン (欧州)
98−99年 チリ 00年 メキシコ   (インターアメリカ)
02−03年 タイ 04年 台湾     (アジア太平洋)
07年 イギリス  08年 モザンビーク (別々) 
11年 ???   12年 ???

となっています。

世界ジャンボリーを開催できる加盟国というのは、全てというわけではないことです。開催にあたっては、国をあげて努力しないと不可能に近く、私が参加したチリの世界ジャンボリーでは、加盟員数が子供から大人まで全部合わせて約3万人という規模の連盟が、世界から自国参加者も含め約3万人を受け入れたということは相当な努力があったのではないかと推測されます。

さて、話は戻り2011年についてですが、日本は立候補を表明しています。国内では5箇所の候補地がありましたが、漸く決定しました。
http://www.shizushin.com/local_social/20050305000000000044.htm

選考結果は、静岡県・富士宮市ということで1971年に朝霧高原で開催されたものを再現するようなイメージを受けます。他の立候補国は、同じアジア・太平洋地域に属する、オーストラリア・シンガポールの2カ国と欧州地域のスウェーデンです。

客観的には、前回がタイで開催され、今度がイギリスなので、2回連続欧州はないのではないか?という推測や、タイとシンガポールは似たようなイメージがある?こと。87−88年にオーストラリアで開催しているので、サイクルが早い?ということなどもあります。(実例としては、同地域が連続で、オーストラリア→韓国となった例もあります)

肝心な中身の点でいうと、2005年9月に6年後のことを決めるので現実味が薄いと感じる人も多いと思いますが、各国で、戦略を立てて進んでいるようです。

例えば、オーストラリアは、実行委員長・副実行委員長クラスに30歳・29歳という若手を起用してきていることや、シンガポールの様に既にワッペン・ピンバッジを制作し、先月インドであった世界的な行事でプロモーションをするなどしています。

開催するにあたっては、いつも自国の利益ばかり考えがちですが、世界的な行事である以上、その利益は全ての青少年に属するものですので必ずしも日本が誘致に成功するようにとは思いません。スカウトとしては世界ジャンボリーに参加できるのは一生に1回。本当に運がよければ2回しかありません。2011年に14−17歳のスカウトが参加することを逆算すると現在、7−10歳くらいの青少年ということになります。
世界のどこで開催されるかは別として、彼らがこの大会に気持ちよく参加できるように、関わっていけたらと思います。

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